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makomakoさん
平均点: 6.18点 書評数: 861件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.17 6点 儚い羊たちの祝宴- 米澤穂信 2023/01/23 19:13
 帯には座布団10枚級の大どんでん返し5連発とありますが、これが大どんでん返しでしょうかねえ。
 作者ではなく出版社にちょっとだまされた感があります。
 米澤氏は才能のある作家さんですので駄作ではありません。私は作者の古典部シリーズなどは大好きなのですが、インシテミルなど独特の毒を待った作品もありこちらはあまり好みではありません。
 本作品は毒を持った方に属するものだとは思いますが、この程度ならまあ何とかといった感じでした。
 

No.16 7点 Iの悲劇- 米澤穂信 2022/10/09 08:10
 本の題名から人里離れた村に新しい住人が移って来て連続殺人が起きて――、と思って読み始めましたが、全然違ったお話でした。


以下ちょっとだけネタバレ。
 一種の連作ものですが殺人などの血なまぐさい事件は全く起きません。
 まじめな役人とちょっととぼけた新人女性が主として動き回り、その上司はやる気がなさそうだが突然鋭いところを見せる。
 役人さんは本当に頑張って仕事をするが、どうしてもうまくいかず移住者は次々と去っていく。
 まさにそして誰もいなくなった風なのです。
 最終章はちょっとびっくり。完全にやられました。

No.15 7点 本と鍵の季節- 米澤穂信 2021/08/09 09:24
 米澤氏は力のある推理作家であることは間違いないと思いますが、私にとって作品によってかなり好き嫌いがわかれる不思議な方です。
 古典部シリーズなんかは大好き。小市民シリーズは毒が強くてどうも好きになれない。
 この作品は連作で、初めのうちは古典部シリーズの味付けに似通っておりとても気分良く読めましたが、最後に行くに従い作者の毒がじわっと出てきて、ちょっと好みを外れる感じとなりました。
 とは言え、なかなか興味深い内容がしっかりと描かれており、読んで損はない作品であることは間違いないと思います。

No.14 8点 黒牢城- 米澤穂信 2021/06/26 17:44
 歴史推理として力作と思います。
 以前より荒木村重ほどの男が妻子、部下を残して城を放棄して逃げてしまい、その後妻子も部下も殺されたのにひとり生き延びて晩年をけがしてしまったことについてもう一つ納得がいかないところがあったのですが、これは一つの解決ではあります。
 勿論これが歴史の真実か否かは別でしょうが。
 お話は荒木が信長に背いて兵をあげ、それをいさめに黒田官兵衛が単身有岡城へ乗り込み、説得は失敗し村重により土牢へ閉じ込められてしまったところから始まります。
 有岡城内で不可能と思われる事件が次々と起こります。解決がなかなかできない村重は囚われの身である官兵衛に謎を持ち掛ける。すると菅兵衛はあっさりと謎を解いてしまうが完全な回答は発しない。村重も有能なので謎かけでけで答えを見つける。といった出来事が4つほど起きる。ちょうど連作長編といったかたちです。最後は意外な結論となりますが、これはまた読んでのお楽しみです。
 歴史が好きで推理が好きならかなりのおすすめです。

No.13 7点 いまさら翼といわれても- 米澤穂信 2019/06/29 07:26
このシリーズを読むのは久しぶりのため初めは登場人物のことを忘れていてちょっと戸惑いましたが、すぐ思い出し(なんせ古典部には4人しかいない上に、特徴のある人物ばかりですから)以後は楽しく読めました。
 あとがきで作者がいずれ書かねばならない作品でしたと述べていますが、読めば納得です。
 デビュー作の氷菓は古典部シリーズの始まりでもありましたが、実に素敵な作品でした。その後このシリーズを続けるとともに、同じ青春ものでも栗きんとんのような毒のあるシリーズも発表。表題だけ見て読み始めた私はこの毒に戸惑ったものです。
 作者は大いなる才能があるのでしょう。同じ傾向のものだけ書いていくのでは我慢ならなくなったのかもしれません。その後も多種のしかも高レベルの作品を発表されていますが、私は古典部シリーズが最も好きです。
 是非次の作品を期待します。

No.12 6点 満願- 米澤穂信 2019/05/22 21:07
発表された年に数々の大賞を獲得した注目すべき作品ですが、私は読むのをしばらく控えていました。
 というのも米澤氏は初期の作品では本当に魅了され感動していたのです。ところがインシテミルあたりから私の好みから離れていったようで、その後の作品ではどうも読んだ感じがよろしくなかったのです。
 今回この作品を読んで、さすがの物語構成力と文章を感じたのですが、やはり私の好みから言うとちょっと離れているなあと感じました。
 良い作品と思いますが、好みから言うとこのぐらいです。 
 好みによってはきっと高評価となる方もおられると思います。

No.11 5点 遠まわりする雛- 米澤穂信 2018/01/28 17:50
 古典部シリーズは3部までは続けて読んだのですが、この作品は短編集ということもあって何となく読まずにいました。
 今回久しぶりにこの古典部を読んだのですが、設定をかなり忘れてしまっていて、初めのうちはちょっと変な感じでしたが、読み進むにつれだんだん思い出してくると違和感はとれました。
 でも肝心の内容はミステリーとしてはかなり薄味。大したなぞもなければ鮮やかな解決もない。
 古典部シリーズの愛読者にとっては登場人物たちの厚みが増して一層楽しく読めるようになるのでしょうが、このシリーズを読んでいない読者がこれ単独で読むとしたらかなり平凡なお話でしょうね。
 

No.10 4点 夏期限定トロピカルパフェ事件- 米澤穂信 2014/06/27 17:47
作者は素敵な高校生だけを描くのは嫌いなのだろうな。どうせなら初めからそれなりの主人公というならまだよいのだが、小学生に見えてかわいい女の子がこんな性格というのはやってられませんね。
私にとっては読後感が悪いいやな小説でした。

No.9 4点 春期限定いちごタルト事件- 米澤穂信 2014/06/12 22:27
 きんとん事件を先に読んだので、その前の話はどうなっているか知りたくなって読んだのだが、「きんとん」よりさらにつまらない内容でちょっとがっくり。一緒に「トロピカルパフェ」も買ったのだがあまり読みたくなくなってしまった。
 謎もつまらないが登場人物もちっとも可愛くなくて残念。女子高生がかわいいなんて幻想だよと作者に言われそうだが、せめて小説の中ではもう少し素敵な気分になりたいのだが。
 やっぱりおじさんの幻想なのでしょうかね。

No.8 6点 秋期限定栗きんとん事件- 米澤穂信 2014/06/08 10:52
 この本から読み始めたのでそれまでの経過がわからずはじめはちょっと戸惑ったが、読んでいけばまあ何とかなりました。でもやっぱりこれは春、夏と呼んでいくものなのでしょう。
 この子小さくてかわいいと思っていたら、本当はとんでもないやつででしたねえ。
 好みとしてはかわいいままで終わるほうがよいのですが、作者はそんなのは甘っちょろくて好きでないのでしょう。
 

No.7 6点 折れた竜骨- 米澤穂信 2013/08/11 15:33
古典部シリーズなんかは結構すきだったのですが、インシテミルで米澤氏の小説に嫌悪感を感じて以来ちょっと遠ざかっていました。
 この作品は作家としてデビューする以前に構想されたとのことなので初期の作品のようなみずみずしさが味わえるのではと思いよんでみました。
 外国の名前ばかりで実に読みにくいのですが、何とか最後まで読み通しました。
 わたしの評価は皆さんと比べて低いようです。本格物のもファンタジーもすきなのですが、本格とファンタジーを融合させるととても変な感じに思えてしまうのです。
 本格のための無理やり作り話(所詮本格物は作り話なのですが)といった感が強くこういった話はさほど楽しくないのです。

No.6 4点 ふたりの距離の概算- 米澤穂信 2012/07/20 06:26
米澤氏の作品でも古典部シリーズは好きなものなのだが、これはいただけなかった。「インシテミル」のように生理的に受け付けない感じがするのではないのだが、はっきりいってあまり興味のない話でした。
 まずマラソン大会で走りながら推理するというところから気に入らない。わたしはずっと運動部に所属していたが、何を隠そうマラソンが大嫌い。走りながら考えることはいつも後どれだけ走ればオシマイだからがんばろうだけでしたので、こんな設定は考えられない。
 謎となっていることも小粒なことは古典部なのだから当然だが、大して興味がないし文章もさえない。
 暇つぶしに読むのもちょっと苦痛ぐらいでした。

No.5 5点 インシテミル- 米澤穂信 2011/05/13 18:50
読み始めはとても面白そうでどうなることかとはらはらしながら読んだ。読み進むにつれてこんな設定は不自然ということはさておいて、人殺しを全くのゲームとしてみている組織にだんだん腹立たしくなってきた。登場人物にも同様の人物がいてとても嫌な感じ。私が今まで読んだ作者の作品とは最後のほうが大幅に違う。最後に新たな殺人ゲームを企画するにいたっては悪趣味としか思えない。推理小説はしょせん殺人をお遊びとして楽しむのではないかといってしまえばそれまでではあるが。読み始めてたらひきつけられて読んだ割には読後感が悪い。

No.4 6点 クドリャフカの順番- 米澤穂信 2009/09/30 22:18
古典部シリーズはひとつずつ書き方を変えたりしてそれなりに工夫しているが、いかんせんネタが小粒。残酷なシーンやいやみな薀蓄などがないのですっきりして読後感も良く青春小説としてはまずまずだが、推理物として読むとちょっと弱い印象はぬぐえない。
 それにしても何だか小難しそうで分かりにくい題名ですねえ。この題名だと古典部シリーズをはじめから読んでいるものでないかぎりなかなか手にとってみようと思わないのでは。

No.3 5点 愚者のエンドロール- 米澤穂信 2009/09/22 09:53
 ミステリーとして読めば「氷菓」より上でしょうが、物語の設定に違和感がありました。
 以下少しネタバレ気味
 3人のクラスメートが異なった結論を述べそれを理論的に打ち砕き画期的な結論を考え出すという本格推理の王道を踏んだところは良いのですが、問題となるビデオは高校の文化祭への作品に出すためにクラスで創作したもので出来上がるまでの時間がないという設定なのです。当然クラス内での議論は尽くされたはずでしょ。どうして時間がないのにいっぺんに3人の言う事を聞かずに1日に一人ずつの意見を検討しとのでしょうかね。こうなったら結論は無いまま発表して見た人から結論を募集するという企画にしてもよさそうだ、などと思ってしまったので評価が低くなりました。
 良い材料で味付けを間違えた料理を出されたような気分です。

No.2 5点 さよなら妖精- 米澤穂信 2009/09/13 09:02
 これはあまりミステリーのしての要素は強くなく、青春小説といったところでしょう。ユーゴスラビアからきた少女の話。昨年訪れたところでもあり、スロベニア、クロアチア、ボスニアヘルツェゴビナ、モンテネグロなどが懐かしく思い出され、国によって大分様相が異なることも実感しながら読んだ。ところがいかんせんこの少女が私にはあまり魅力的にうつらなかったため、妖精といった感じがせずかなり薄味の小説といった印象でした。もうちょっと味付けがほしいところ。そうしたら評価もずいぶん違うと思うのだが。

No.1 7点 氷菓- 米澤穂信 2009/08/31 07:54
 青春小説でもありミステリーでもある、こういった雰囲気は好きです。殺人もないしたいしたトリックも無いけど、小説の問題となっている時代に学生であった私はとても近親感を抱きました。思い出せば遠い昔同じような出来事に遭遇したこともあったな。
 ところで氷菓の意味は小説の千反田さん同様ぜんぜん分からなかった。答えを読んでも久しぶりの単語に一瞬理解できなかった。ここの学校の生徒たちはみんな優秀なんだ。
 

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makomakoさん
ひとこと
歴史ミステリーや、本格物が好きです。薀蓄も結構好き。変人が登場するのは嫌いではないが、冷たい人間が出てくるのは肌に合いません。外国ものは登場人物が理解不能であったり翻訳文が合わないことが多くあまり得意で...
好きな作家
鮎川哲也、山田隆夫、綾辻行人、法月綸太郎、高田崇史、伴野朗
採点傾向
平均点: 6.18点   採点数: 861件
採点の多い作家(TOP10)
高田崇史(34)
樋口有介(30)
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アガサ・クリスティー(29)
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