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あびびびさん
平均点: 6.33点 書評数: 669件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.39 7点 邪悪の家- アガサ・クリスティー 2014/04/14 17:46
クリスティーの作品としては中間レベルと見ていたが、最低点の方もいて、「?」と混乱したが、自分的には十分楽しめる展開だった。だいたいにおいて、クリスティーの作品は犯人が当たらないが、これは以前に映像を見ていたにもかかわらず、終盤まで犯人が分からず、ずっとポアロのような心境だった(自分は創造性がない!)。

ある意味「検察側の証人」のような印象を持った。

No.38 6点 ヒッコリー・ロードの殺人- アガサ・クリスティー 2014/04/05 19:52
学生中心の下宿屋で盗難事件が頻発。ミス・レモン(ポアロの秘書)の姉がそこに勤めており、ポアロは講演と言う形で様子を見に行くが、その後2度の殺人事件が起こり、事態は一挙に緊迫する。

確かに登場人物か多く、何度も登場人物の欄を見返したが、警察が個人面談をするようになってから人物像が明らかになり、事態が呑み込めてきた。最後の犯人のアリバイ作りは良くある手ではあるが、ある意味虚を突かれて感心した。

No.37 5点 青列車の秘密- アガサ・クリスティー 2014/03/14 13:25
いわゆるブルートレインで起こる殺人事件。アメリカの大富豪の娘が南仏海岸へ向かう途中で殺される。ミステリ的状況が良いし、幾多の謎もある。そしてやや不可思議な恋愛ストリーも…。

いろいろな要素をたっぷり詰め込んで興味津々だったが、いかんせんポアロの切れ味が悪すぎた。一旦幕を閉じてからの解決は何度かあったが、これはブレーキが利きすぎて全体的につまらなくなってしまった。

No.36 6点 忘られぬ死- アガサ・クリスティー 2014/03/09 12:51
どこかで聞いたようなストリーだと思ったが、「黄色いアイリス」の中の作品を焼き直ししたものだったのか?

(ネタバレ)あくまでも財産が狙いで、叔母が犯人だろうと狙いをつけていたが、それ以上の展開があったとは…。それも確かに文中で匂わせていて、鮮やかな結末ではあるが、微妙な感じはぬぐえないかも。

No.35 5点 象は忘れない- アガサ・クリスティー 2014/02/15 20:05
女流推理小説家とポアロ…。クリスティーが82歳の時の作品と言う。エルキュール・ポアロの最後の作品で、小説家とポアロとのやりとりは、ある意味クリスティーが楽しんでいるような部分も垣間見られた。

昔、ゾウの鼻を裁縫の時に針山として使っていた(ひどい!)男が、何年も経ったある日、横を通り過ぎた労役の像に鼻から水を浴びせられたと言う…像はその男を忘れていなかったのだ。

人間もそんな記憶が多々ある。心の奥に閉じ込められているその記憶を徐々に呼び起こして、昔の未解決事件を解決するーそんな物語だが、さすがに82歳となれば、切れ味不足のような気がした。

No.34 7点 カーテン ポアロ最後の事件- アガサ・クリスティー 2014/01/29 13:11
歴代ボアロ俳優の中では群を抜いていると思うのがデビット・スーシェ。何よりステッキを持って颯爽と歩く姿が素晴らしかった。それが最後の事件は車いすだから物語の流れが重い…。

ホアロとヘイスティングが初めて事件に遭遇したスタイルズ荘で最後の事件となるのはいかにもクリスティーらしい。しかも本当にポアロが心臓病で死んでしまうのだ。それも事件解決を報告することもなく…。残されたヘイスティングは老体に鞭を打って奔走するが、やはりポアロは解決を文書で知らせてくれた。

その中身はとんでもないことが記されていた。ポアロと、ヘイスティングが実はひとりずつ人間を殺していたのだった!

No.33 4点 魔術の殺人- アガサ・クリスティー 2014/01/26 11:24
アガサ・クリスティーを4,5冊読んでいる人にはすぐに分かりそうなトリック。事件発生の設定からしてその流れだった。さすがに序盤から動機は掴めないが、魔術の殺人と言うほどの神秘的な話ではなかった。

第二の殺人はそれほどの意味もなく、読んでいても勝手にスルーしてしまった。

No.32 6点 死者のあやまち- アガサ・クリスティー 2014/01/13 23:17
真相は驚きだったが、ポアロの苦悩が長すぎて、中だるみ感があった。確かに細やかな伏線は提供されていたものの、すぐに気付くトリックではなく、ほとんど証拠も残されていなかった。

それだけ完璧な犯罪だったわけだが、それでも犯人側から見ればかなり混乱し、綱渡り状態だったわけで、双方を比較するとそのやりとりが面白い。

そういう意味からすれば、ずっと心の中に残る作品かも知れない。

No.31 7点 カリブ海の秘密- アガサ・クリスティー 2013/12/28 11:42
ある人物を見て驚愕の表情、それが死に至る原因となるのはクリスティーの常套手段?だが、当然のごとくその相手が誰だか分からない。

西インド諸島のリゾートホテルで起こる事件はどこか開放的で大胆だが、立場も行動も犯人らしくない人間が犯人なのはいつもの通り。それでいて読む人を飽きさせず、ついつい朝まで読ませてしまうストリー進行はさすがの手腕だと思う。

No.30 5点 動く指- アガサ・クリスティー 2013/12/18 14:48
嫌がらせの手紙がなんでもない事件を混乱させている。それこそ犯人の狙いだったが、分かってしまえばごく普通の動機、事件だった。それを物語の4分の3くらいに登場したミス・マーブルが指摘するのだが、囮捜査で事件解決に導くため謎解きの醍醐味はない。

それでも駄作とは言えないと思う。クリスティーのレベルからはやや見劣るものの、読後感は悪くなかった。

No.29 7点 スタイルズ荘の怪事件- アガサ・クリスティー 2013/11/13 01:59
デビュー作がポアロとヘィスティング大尉の事件だとは知らなかった。ミステリチャンネルで先に見ていたが、ヘィスティングの回想による物語の流れはユーモラスであり、またポアロのイメージも 8割方出来上がっているように思えた。

事件はまさに王道、お金持ちの継母が殺され、それを巡る関係者の思惑と挙動。その家の長男に休暇を誘われたヘィスティングが、たまたま町で再会したポアロに事件解決を依頼するのだが、デビュー作のせいか、ポアロの切れ味はやや鈍い。しかし、さすがミステリの女王のデビュー作!と感心した。

No.28 8点 ポケットにライ麦を- アガサ・クリスティー 2013/11/11 12:08
この作品もクリスティーの王道と言うか、彼女のファンなら本当に楽しめる。少々犯人の設定に無理があるのでは…という声を聞くが、ミス・マープルの最後の推理はポアロのごとき明快で鮮やかなものだった。

私的にはマープルものではナンバーワンかも!

No.27 6点 牧師館の殺人- アガサ・クリスティー 2013/10/26 02:31
何作もクリスティーを読んでいる方は途中で犯人が分かると思います。ある意味、王道の作品。(最初はまさかアクロイドでは!と、疑いました・笑)

でも、『これぞ、クリスティー』という流れであり、自分的には肩もこらず楽しめた作品。ジェーン・マープル初登場!

No.26 3点 パディントン発4時50分- アガサ・クリスティー 2013/09/26 15:59
クリスティーは大好きで、どの作品も思い入れがある。しかし、これは駄作だった。

舞台設定は最高だし、財産をめぐる家庭環境も十分整っており、さてどんでん返しは…と期待したが、犯人が意外すぎた。意外というより、何人も殺す動機はなく、結果的にはただの狂人にしか見えない。

ミス・マーブルもいつもの切れ味はなかった。

No.25 8点 ヘラクレスの冒険- アガサ・クリスティー 2013/09/25 18:21
ヘラクレスの12の冒険をボアロ風にアレンジしたオムニバス的な短編集。中には長編にしても良さそうな物語があり、クリスティー好きなら100%満足する一冊になっている。

しかし、この作家の資源は尽きることがないですね。

No.24 5点 鳩のなかの猫- アガサ・クリスティー 2012/12/23 15:15
ドロシー・セイヤーズの「学寮祭の夜」に似た設定。外国の王女も入学する名門校で殺人が起きる。それはある国の内紛時に持ち出されたダイヤモンドを巡っての事件だった…。

途中からポアロが登場するが、推理的にはある程度分かる部分があり、意外と言えるほどの犯人ではなかった。切れ味的にはもうひとつかも。

No.23 5点 なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?- アガサ・クリスティー 2012/11/21 23:15
好奇心旺盛なお城のお嬢様がいて、その幼馴染の男がいる。彼女は貴族であり、彼は平民?なのだが、幼少のころ縁ありて、友人関係が続いている。そんな中、彼がシーサイドコースでゴルフをしている最中に瀕死の男と遭遇する。最後の言葉が、「なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?」だが、物語においてそれほど重要な言葉ではなかった?

クリスティーはほとんど好きだが、ドタバタ喜劇ぽいのは好みじゃない。

No.22 8点 死との約束- アガサ・クリスティー 2012/11/18 16:35
少しの間読書せず、目の保養?に努めていたが、リハビリにクリスティーを選んだ。ある意味、この作品はクリスティーの真骨頂と言える(私的に)。

本格丸出しの設定、少々の無理、難題は無視して、気軽に読んでいくと、最後はポアロの独壇場、そして意外な犯人が指摘される。しかし、犯人になりえる材料はちゃんと披露していた…。

それにしても犯人が当たらない。多分易々と分かれば次は手にしないかも知れないから、これで良し…だろう。

No.21 5点 親指のうずき- アガサ・クリスティー 2012/10/01 10:11
クリスティは大好きだが、トミー&タペンスシリーズはやや苦手。「ウサギを追いかけるテリアのように」妻のタペンスが暴走して、夫のトミーが軌道修正するパターンは冒険小説のようで、落ち着けない。

ただ、犯人は意外だった。過去、何十冊と読んでいるが、なかなか犯人が当たらない。今回もまさかの終盤で、唸るしかなかった。本当にクリスティ作品に外れは少ないと思う。

No.20 9点 オリエント急行の殺人- アガサ・クリスティー 2012/07/29 00:01
「そして誰もいなくなった」、「アクロイド殺し」、そしてこの「オリエント急行殺人事件」。なんだかんだ言う必要はないと思う。クリスティの真骨頂であり、この超人的アイデアは素直に認め、評価したい。

自分は、「やられた!」と、思わず笑ってしまった。

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あびびびさん
ひとこと
仕事が専門紙を作ることだったので、いつも目が腫れて活字を見ること自体が苦痛だったが、旅をするようになり、移動時間に読むようになった。

今では家に未読の本が4.5冊ないと落ち着かない。
好きな作家
アガサクリスティ。ミステリ界の宝石箱。色々な輝きを持った作品がある。
採点傾向
平均点: 6.33点   採点数: 669件
採点の多い作家(TOP10)
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