[ サスペンス ] 聖母 |
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秋吉理香子 | 出版月: 2015年09月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 10件 |
![]() 双葉社 2015年09月 |
![]() 双葉社 2018年09月 |
No.10 | 9点 | 鷹 | 2021/12/06 14:52 |
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登場人物も少なく読みやすいです。
犯人に対するミスリードは最初の段階で気づけたのですが、共犯者を含むその背景にはラストの20数ページで完全にやられてしまいました。 |
No.9 | 6点 | ミステリ初心者 | 2021/10/04 19:19 |
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ネタバレをしています。
苦労を重ねた不妊治療の末に生まれた我が子を守るためなら何でもする母親と、幼児を連続殺人する犯人の視点が交互に書かれた作品です。 不妊治療と幼児の殺人、一部を切断する…など、やや読みづらい内容が多かったです。しかし、文章自体の読みづらくなく、内容のわりには早めに読了できました。 序盤から、叙述トリックの臭いがプンプンしていたので、あからさまに警戒して読みました。 田中真琴が女性であること、真琴の母親が死体処理をして証拠隠滅をしていたことは読めたのですが、肝心の保奈美が真琴の母であるということと、真琴が薫の母であることが予想できませんでした(涙)。結末を読んだ瞬間に、どうしてこれが気づかなかったのか、自分はなんてアホなのか…と慟哭しました(笑)。真琴が女性であるならば、作者は何かしらの目的があってやっていることなので、必死にその可能性を考えたのですが…。やられた感はあったし、しかも、「これは絶対にわからないだろう」という感じではなく、わかった可能性も十分にあった、そんな絶妙な難易度が心地いいです。 推理小説としては、ツボが抑えられた叙述トリック系としてよくできていたと思います。ただ、2018年発売としては、もう少しだけプラスアルファが欲しいところです。しかし、母と息子・母と娘の構図を母・娘・孫娘の構図と錯視させることをフルに活かすならばこれ以上のひねりはいらないのかもしれません。 |
No.8 | 7点 | ぷちレコード | 2020/12/13 19:05 |
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部分部分に覚える、モヤモヤした違和感。はっきりしないが、何かがおかしい。それが終盤に近付くにつれて、謎だった点と線が繋がり、一気に視界が開けていく。ページを戻って、違和感を覚えたところを改めて見ると、あれもこれも伏線だったのかと納得。真相を知ったうえで読み返すと、ひとつひとつの言葉の意味を見つけることが出来ます。 |
No.7 | 5点 | 雪の日 | 2020/04/15 15:41 |
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トリックは良かった。けど、イヤミスが苦手な人にはおすすめしない。 |
No.6 | 8点 | モンケ | 2019/04/03 05:47 |
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このサイトで知り、興味を覚えて読みました。
実に面白くて、一気読みしてしまいました。 |
No.5 | 7点 | 名探偵ジャパン | 2019/03/31 23:38 |
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ネタバレがあります!
ミステリとしての仕掛けの効果は抜群で、加えて「母親」のドラマとしても読み応えのある内容でした。 ただ、ある人物について、書き方からしてもう「これ、性別を誤認させようとしているな」というのがバレバレで、終盤になって、実はそれも仕掛けの一部だった、といのが明らかになるにはなるのですが、「親子の関係」とか、読者が論理的な推理で真相に到達する要素が全くない仕掛けがメインのため(「本格」でなく「サスペンス」だから、ありです)これは最初から明かしても良かったのではないかという気はします。気になって、かえって話への集中が削がれるきらいはありました。 最後、何だか「いい話」みたいに締め括っていましたけれど、二名の男児を猟奇殺害した件は不問に終わっていますね。いわゆる「イヤミス」だから、これで正解なのかな?『聖母』というタイトルも皮肉を利かせる意味でつけたのでしょうね。 |
No.4 | 8点 | ijoema | 2019/02/13 17:01 |
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子をどう育てる |
No.3 | 7点 | 蟷螂の斧 | 2018/03/17 22:38 |
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「この子を、娘を、守ってみせる」そのためなら何でもする。という母親の言葉。その意味がラストで浮かび上がってくる構成はお見事。○○があるという前提で読んでいたのですが、すっかり騙されました。8点を献上したいのですが、同じ○○テーマの先行作品(2013年)があり7点どまりとしました。 |
No.2 | 6点 | yoshi | 2016/02/05 14:26 |
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(ネタバレあり)
叙述トリックはかなり完成度が高い。 単なる性別誤認トリックと思わせておいて、 実はそれがもう一つの大きな仕掛けを隠蔽する役目を果たしている。 一方、保奈美は蓼科のことを嫌というほど知っていたはずなので、 まるで初めて知ったのような書き方がされているのはアンフェア。 出所した蓼科が同じ町に住んでおり、 その姿を双眼鏡でたまたま見つける偶然はかなり不自然で、 それの言い訳として刑事たちにミーガン法のことを語らせているわけだが、 むしろその不自然さを強調してしまったきらいもある。 |
No.1 | 7点 | メルカトル | 2015/10/17 20:33 |
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一見幸せそうに見えるが、不妊治療に悩み苦しむ平凡な主婦、連続幼児猟奇殺人の犯人の行動と心理状態、それを追うベテランと若手女性の刑事。それぞれのパートで巧妙に構成された、読み応え十分なサスペンス。
グロさはないが、どこか安孫子武丸の『殺戮にいたる病』を彷彿とさせるプロットで、久々のらしいサスペンス作品と言えよう。 さらには、やられた感が半端ないラスト。この仕掛けを見破れる読者はそうはいないだろうが、しっかりと伏線は張られていてフェアプレーも好感が持てる。 |