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[ クライム/倒叙 ]
強盗プロフェッショナル
泥棒ドートマンダー
ドナルド・E・ウェストレイク 出版月: 1998年09月 平均: 5.50点 書評数: 4件

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角川書店
1998年09月

KADOKAWA
1998年09月

No.4 5点 E-BANKER 2018/06/25 21:24
一作目「ホット・ロック」、三作目「ジミー・ザ・キッド」と並ぶウェストレイク三部作のひとつが二作目の本作。
1972年発表。原題は“Bank Shot”

~天才的犯罪プランナー、ドートマンダーも近頃ではその仕事に少々嫌気がさしていた。ところが、そこへ親友のケルプがでっかい話を持ち込んできた。銀行強盗だ。しかもただの銀行強盗ではない。その銀行はトレーラーを使って目下仮営業中。そこで、そのトレーラー、すなわち銀行をそっくりそのまま盗もうというのだ。ドートマンダーのプロ根性がムラムラと頭をもたげるが・・・。タフでクールな泥棒ドートマンダー・シリーズの第二作~

さすがに手馴れている。
そんな作品だ。
作者が実際にトレーラーで営業している銀行の店舗を見かけたことが本作執筆のきっかけになっているとのこと。「銀行強盗」をテーマとする作品はたまに見かけるけど、「銀行」そのものを盗むというプロットは確かに斬新。
警備員や警察も、まさか盗まれるとは思ってないから、彼らの慌て振りも結構面白いことになっている。
ドートマンダーを中心とした強盗グループも、奪ったはいいけど、その後に起こるさまざまトラブルに右往左往させられることになる。
“奪った方”も“奪われた方”もどっちもドタバタする・・・そこが本作の読みどころなのだろう。
このシリーズらしくラストも旨いなという感じ。

評価かぁ・・・
本作、実際に強盗を実行するまでの前段が長いんだよねぇ
強盗に参加することになるメンバーひとりひとりを割と丁寧に紹介しているんだけど、いるかな?
なかなか本題に入らないんでちょっとイライラさせられた。
できれば本筋の強盗シーンをもうちょっと膨らまして書いたほうがよかったのではないか。
などと、職人的作家に対して失礼なことを考えたりした。
(あまり気付かかなかったけど、アメリカンジョークが作中結構あったみたい。分かりにくいからなぁアメリカンジョークは・・・)

No.3 5点 ボナンザ 2017/06/04 19:06
いつもどおりのドートマンダーもの。相変わらずのトラブル続きと仲間達との掛け合い。ワンパターンといえばワンパターンかも。

No.2 6点 kanamori 2013/08/30 22:45
トレーラーハウスで仮営業中の銀行の臨時支店を丸ごと盗むという、奇想天外な強奪計画を企てたドートマンダーと小悪党の仲間たちだったが、そこに思わぬトラブルが発生して------といった調子の、天才犯罪プランナー・ドートマンダー、シリーズの第2弾。

疫病神の悪友ケルプがネタを持ち込み、運転役のスタン・マーチとおふくろさんが絡み、”O・J・バー&グリル”の奥の部屋で計画を練るという、これ以降の定型プロットが確立しています。
後半の間抜けな捜査陣とのやり取りなど笑わせてくれますが、後の木村仁良訳作品と比べると、訳文がやや堅すぎるきらいがあって、仲間のキャラクターを充分活かしきっているとは言えず、ドタバタ劇のノリも抑え目な感じを受けた。
また、タイトルは原題どおり、二つの意味を掛けた「バンクショット」のままでもよかったのでは。

No.1 6点 mini 2011/10/28 09:57
発売中の早川ミステリマガジン12月号の特集は、”ユーモア・ミステリ遊歩”
便乗企画として私的に遊歩してみるか、第4弾も引き続きウェストレイク

「強盗プロフェッショナル」はドートマンダーシリーズの第2作目
これ読むと第1作「ホットロック」の時点ではシリーズものにしようとは作者も思ってなかったみたいだね、たしかに「ホットロック」って何となく書き方が1話完結ぽいんだよな
シリーズ化を意識して書いたのはこの第2作目からという事になる、だからなのか初登場の人物の活かし方が不十分な感もある
例えばメンバーに必要な錠前破り師だが、、「ホットロック」とは人物を代え、ハーマンX(どう見てもマルコムXの洒落)なる黒人錠前破りを初登場させている
ところが一応活躍の場面は有るものの、それほど話全体の中で存在感が際立ってはいない
同じく初登場だが相棒ケルプの甥で元FBIという若者ビクターは、キャラは立っているがユーモアの造成以外の役割で言うと話の展開上どうしても必要な人物とは思えない
ビクターは後の作品に再登場するようで、シリーズ化を睨んで長い目で存在意義を考えていたようだ

読んでみて感じたのは結構面白いという事、どうも私にとってドートマンダーシリーズが合わないのではなくて、シリーズ第1作「ホットロック」の特異な構成、つまり4分割されたような段階的プロットが合わなかっただけなのかも知れん
ただし今の読者は次々にイベントが起こらないとすぐに中弛みとは言う読者が多いからなぁ、その手の読者には当然「ホットロック」の方が合うだろうね


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