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[ サスペンス ]
電氣人閒の虞
詠坂雄二 出版月: 2009年09月 平均: 6.08点 書評数: 12件

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光文社
2009年09月

光文社
2014年04月

No.12 5点 レッドキング 2018/06/03 16:28
なんじゃああ こりゃああ

No.11 6点 ミステリーオタク 2017/07/08 14:09
どう解決するのかと思ったら、結局何でもありじゃん。まぁそれなりの技巧は認めるけど。

No.10 8点 邪魅 2017/02/26 15:24
素晴らしい出来、とても楽しめました

何が秀逸かって、一人称視点だと普通は他者の内面まで描写出来ないんですよね
しかしこれは特殊設定でその問題点をクリアしている
その発想力が素晴らしい

そして真相が全て明らかになった後に冒頭シーンを読むとゾッとするではありませんか

No.9 7点 虫暮部 2014/08/11 20:27
出たがり作者……。

ところで、他の方の書評を読んで、あ~成程そういうことだったかと合点。

No.8 5点 E-BANKER 2014/08/07 21:50
「リロ・グラ・シスタ」「遠海事件」に続く作者の長編三作目。
アクロバティックな作者の企みが炸裂する問題作(かも)・・・

~「電気人間って知ってる?」・・・一部の地域で根強く語られている奇怪な都市伝説。真相に近づくものは次々に死んでいく。語ると現れ、人の思考を読むという電気人間は存在するのか? ライターの柵馬朋康もまた謎の解明に乗り出すが、複数の仮説を拒絶する怪異は、彼を出口の見えない困惑の迷宮に誘う・・・。ミステリーかホラーか。ジャンルの枠を軽妙に超越する鮮烈の作品!~

これは、相当な変化球投げたなぁ・・・
という感想だな。
ラストの第24章を読んで、最初は正直なところどういう意味なのか把握できなかった。
で、巻末の佳太山大地氏の解説を読んで、初めて理解した次第。

繰り返すけど、これはスゴイ変化球だけど、個人的には完全な“ボール”だなぁー
ストライクとボールすれすれなら思わず振るかもしれないけど、ここまで完全なボール球だと振ることもなくただ呆然と見送った、という感じだ。
普通の読者なら、「電氣人間って何だよ?」という疑問が湧くと思うが、まさかここまで特殊な設定が施されているとはねぇ・・・
まぁこんなアイデアを思い付くこと自体は賞賛すべきなのかもしれない。
確かにアノ台詞は冒頭から繰り返し出てきていたしね。
でも、さすがにそれが大いなる伏線になっているとは気付かなかった。

プロットのアイデア性だけなら、近年稀に見る破壊力を秘めた作品。
ただ、これは決して初心者向けではないと思うので、どちらかというとひねくれた読者の方向け。
私は・・・だから「ボール」だって・・・
(ミステリーかホラーか、っていうと絶対にミステリーでしょう)

No.7 7点 名探偵ジャパン 2014/08/04 10:29
「リロ・グラ・シスタ」で酷評したにも関わらず、「佐藤誠」に続き本作も購読してしまった。実は詠坂雄二が好きなのかもしれない・・・

本サイトのジャンル分けが「サスペンス」ということで、最初から色眼鏡で見ながら読んでいたのだが、オチ、そして最後の一文には爆笑させてもらった。

~~以下ネタバレ~~



読後の方にはお分かりのように、本作は「電氣人間」が過去を述懐している。という構成になっている。最後に、未来の出来事を持ち出していることからもそれは明らかだ。
そうすると、電氣人間が犯した二件の殺人の場面が、寸でのところで文章が切れているのはなぜだろう。
「それ以降(電氣人間が殺人を行う場面)を書いてしまったら、本作のネタがバレてしまうから、当たり前だろ」と言われるかもしれないが、それはメタレベルでの話。飯城勇三の言うところの、「神のメタレベル」からの介入ということになる。作品世界の外側にいる作者(神)が、「小説として成立させるためには、ここは書かないほうがいい」と判断した。ということだ。
私はこの、「神(作者)の介入」というのが好きではないので、飯城が言うもうひとつのメタレベル「未来からのメタレベル」として
考えてみたらどうなるのか。本書「電氣人間の虜」が、作中世界に実在する書籍、という立場を貫き通すには。
多くのミステリ小説は「実際(作中世界)に起きた事件を小説家なり事件の記述者なりが当時の資料を元に小説化したもの」という形を取っている。(そう捉えることが可能)本作も、そう考えなければ、わざわざ殺害シーンを省く理由が見つからないからだ。
では、この「電氣人間の虜」を書いた人物は誰なのだろう。それは、唯一電氣人間と交信できる韮澤以外にはありえない。妖魔ハンターとして活躍を続けるうちに、もう全ての秘密を明かしてもいいだろう、と韮澤が判断して、相棒との出会いのエピソードを、「電氣人間の虜」として執筆、出版したというものだ。もしかしたら、作中にも登場するプロ作家である詠坂雄二に執筆を依頼したのかもしれない。であれば、この本の作者が「詠坂雄二」であるということも、作中世界から逸脱することなく受け入れることができる。

書評というか、読み終わって考えついた、とりとめもないことを書き連ねただけになってしまったが、楽しめました。
詠坂雄二は今後も追いかけていこうと思います。

No.6 2点 蟷螂の斧 2012/10/24 13:01
いやはや、何と評価して良いやら・・・。ホラー系の恐怖感・サスペンス感もないし、推理小説らしい推理もないし・・・。ただ唖然としたのみ。

No.5 7点 メルカトル 2012/10/12 23:00
これは問題作だろうね。
かなり好き嫌いがはっきり分かれるタイプの作品だし、最終章では賛否両論を呼びそうな気が大いにする。
個人的には評価の通り、全然アリだと思う、逆にこの衝撃がなければ単なる凡作に終わった可能性が高いだろう。
読み終えた後もしばらく呆然として、何も手に付かなかった。それほどラストの破壊力は凄まじいものがあるということ。
しかし、読後、本書を壁に叩きつけたくなる人の気持ちも分からないでもない。
だが、これもミステリのカタチのひとつだと解釈することはできないだろうか。
生真面目な読者ほど腹が立つのかもしれないが、ここはひとつ唖然とさせられる流れに身をまかせて、余韻を味わおうではないか。
それにしてもこのタイトル・・・虞か、なるほどねえ。

No.4 7点 ayulifeman 2012/08/09 02:41
ぞくっとする一発を食らいました。いいです。
ラストは「全然あり!」だと思います。
でもその話は詠坂さんが書いちゃダメ。

No.3 8点 黒い夢 2012/03/29 08:56
好みがわかれる作品だと思います。
読んでるときに感じた作品(構成)に対する違和感の理由が最後に判明したときは、とても感心させられました。
前作に続き、あいかわらずひねくれた作品を書くなぁと思います。
最後の一文も個人的には良かったと思います。

No.2 4点 まさむね 2010/09/05 23:16
最終章1つ前の章のラスト1行の衝撃は,確かに結構なものでした。ページめくってあの1行。芸も細かいですね。その意味では,まぁ楽しめたと言えるのかな。

しかしながらですよ。結末にはやっぱり唖然としましたね。
まさか,そんなオチはないでしょ,自分の読解不足なだけでしょなどと読み返して見ても,やっぱりそれ?こりゃ私のような一般読者は,きっと唖然としますね。
衝撃そして唖然。この体験は貴重だけども,特にこの種の作品の「唖然感」は「喪失感」にも似て,心の傷になりそうだから,しばらくは避けたい。同種ネタの作品もそれなりに見受けられるようだし…
でもこの種の作品って,それこそ「語ると現れる」からなぁ。ああ怖い。

No.1 7点 kanamori 2010/08/24 20:52
遠海市の都市伝説・電気人間を探る人々が次々と不審死するというお話。前作の「遠海事件」とは直接繋がりはないが、小説家・詠坂も再登場します。
本書は、ワン・アイデアに支えられた騙りのミステリで、前例のあるトリックながら、電気人間のある特性によって、読者が絶対に見抜けない仕掛けになっている所が作者のアイデア。終盤のアノひと言はなかなか衝撃的ではありましたが一般受けは難しそう。
読み終えると、タイトルが別の意味を持ってくるところも感心しました。


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