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[ 青春ミステリ ] 亡霊ふたり |
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詠坂雄二 | 出版月: 2013年12月 | 平均: 6.67点 | 書評数: 3件 |
東京創元社 2013年12月 |
東京創元社 2021年10月 |
No.3 | 6点 | メルカトル | 2022/12/02 22:57 |
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俺たちには夢がある。
「廃校の亡霊」の噂に導かれて出会ったのは 殺人志願者と探偵志願者だった。 相反するふたりの高校生を描いた鮮烈な青春小説の傑作! 「高校在学中に人を一人殺す」――自由の獲得という夢を叶えるため、殺人願望を抱く高橋和也。「廃校の亡霊」に導かれるようにして彼が出会ったのは、名探偵志願の同級生だった。彼女を最初の殺人対象に決めた和也は、「探偵に必要なのは謎に遭遇する能力」と嘯く彼女と行動を共にし、謎とも言えない謎を追っていくが……。自在に作風を変えつつも、シニカルで鋭利な文章は一貫してきた著者による、鮮烈なボーイ・ミーツ・ガール! Amazon内容紹介より。 これは完全に詠坂ファンのための作品ですね。彼の小説を全く読んでいない人やあまり好みで無い人にはお薦めしません。青春小説としては優れていると思いますが、ミステリとしては日常の謎が主体でかなり弱いと感じられて仕方ありません。探偵志願の女子高生が謎とも言えない様な謎に挑みますが、結局真相は藪の中というか、はっきりと断定されていなかったりします。 終始高橋の目線で語られますが、何故一人称にしなかったのかが引っ掛かります。そうすればもっと彼の内面が深掘り出来たかもしれないのにと思ってしまいます。確かに心理描写はされているものの、何故そこまで殺人に固執してしまったのかがイマイチ理解出来ませんでした。過去に何かあったのかとかであればまだしも、この動機ではちょっと納得しかねます。 それでも探偵志願と殺人志願の絡みは歪んだ青春をなかなか良く描写されており、楽しめました。 |
No.2 | 9点 | 虫暮部 | 2014/03/31 12:22 |
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これは傑作。屈折した青春小説にして、“名探偵”システムに対する批判。米澤穂信あたりと並べても遜色なし。主人公に結構共感出来たこともあって、読みながら私のハートも20年前にトリップしてしまったことであるよ。 |
No.1 | 5点 | kanamori | 2014/01/19 17:49 |
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遠海市の高校に通う高橋は、かつての大量殺人鬼・佐藤誠に影響を受け、いつか殺人を実行することを夢想する。ある日、所属するボクシング部の練習中に奇矯なふるまいをする女子高生に出会い、彼女の探偵活動に関わることになるが--------。
いわば”ボーイ・ミーツ・ガール”ものの青春ミステリですが、そのガールが名探偵志願の女子高生で、ボーイは殺人者志願の男子高校生。しかも、彼は卒業までに彼女を殺そうと計画するという、なんともシュールな設定です。 しかしながら、女子高生・若月が出合うのは謎ともいえない日常の謎で、真相もカタルシスを感じないものばかりなので、ミステリ要素を期待すると大いに肩透かしを食らう。高橋の行動原理もいまいち理解が及ばないところがあった。 作者のこのところの作品は個人的に消化不良なものが続く。そろそろ初期作のような騙りにみちたミステリを読みたい。 |