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[ 本格 ]
サイモン・アークの事件簿〈Ⅰ〉
サイモン・アークシリーズ
エドワード・D・ホック 出版月: 2008年12月 平均: 5.25点 書評数: 4件

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東京創元社
2008年12月

No.4 5点 nukkam 2023/05/20 00:18
(ネタバレなしです) 短編ミステリーの巨匠である米国のエドワード・D・ホック(1930-2008)は多くのシリーズ探偵を生み出したことでも知られますが、サイモン・アークは2000歳のコプト教僧侶で悪魔を求めて時代を超えて世界中を旅をしているという設定で、オカルト色の濃い本格派推理小説が多いのが特長です。本書はホックが日本読者のために選定した26作の中短編を全3巻の創元推理文庫版に収めた内の第1短編集(10作)です。ホックのデビュー作でもある「死者の村」(1955年)は73人の村人全員が崖から落ちて死ぬという事件の衝撃性が凄いですが「説明できないことがたくさんありすぎた」と語られるように推理説明が十分でないのが残念です。とはいえこの異様な真相はシリーズ代表作と言ってもいいでしょう。他には狼を射殺したはずなのに死んでいたのは人間だった「狼男を撃った男」(1979年)や凍死させる理由が釈然としませんけど神秘的な雰囲気の「妖精コリヤダ」(1989年)が個人的に印象に残りました。

No.3 5点 ボナンザ 2020/02/27 21:30
ミステリアスな魅力に満ちた名探偵。謎と真相はちょっと普通だが。

No.2 6点 E-BANKER 2011/06/18 14:16
短編の名手、E.D.ホックの生み出した名シリーズの作品集。
何と、年齢2千歳(?)のオカルト研究家、サイモン・アークが神秘に包まれた謎を解き明かします。
①「死者の村」=作者のデビュー作でもある本編。新興宗教に犯され、突然73人もの住民が飛び降り自殺した謎を解き明かす。
②「地獄の代理人」=いにしえの著作「悪魔崇拝」に絡んだ殺人の謎。部屋のドアに貼り付けにされた死体など、面白そうな要素はあるのだが・・・
③「魔術師の日」=舞台はエジプト、テーマは「魔術」というわけで、こちらも舞台設定は申し分ないのだが・・・トリックはちょっと無理があるのでは?
④「霧の中の埋葬」=世界大戦で敗れ、敗走した日本兵が残した宝物をめぐる事件。短編らしい切れ味を感じる作品で好感。
⑤「狼男を撃った男」=男が狼男と間違えて撃った男は、普通の若者だった・・・。オカルトの仮面を剥がせば、人間の欲望や嫌らしさが垣間見える事件。これもなかなか。
⑥「悪魔撲滅教団」=これも謎の新興宗教がテーマ。普通の解決と見せかけて、最後にドンデン返しあり。
⑦「妖精コリアダ」=よく分からなかった。単なる「妖精」ではなかったってこと?
⑧「傷痕同盟」=絵画切り裂き事件がテーマ。これも短編らしい捻り。
⑨「奇跡の教祖」=三たび新興宗教ネタ(好きだねぇー)。自動洗車機からの消失はやや子供だまし。
⑩「キルトを縫わないキルター」=うーん。普通。あまり印象に残らず。
以上10編。
全編に共通するのは、オカルト的な外観をまとった事件を、サイモン・アークが現実的な事件として解決するというパターン。
ちょっとした発想の転換で事件を解決するというのは短編のよさを十分に引き出していて、さすがですねぇー。
ただ、作品ごとでかなり出来栄えに差があるような気はしました。
(④⑤が面白かった。①はそれほどでもない。全体的にはまあまあレベルなかぁ・・・)

No.1 5点 kanamori 2010/06/17 20:11
オカルト探偵サイモン・アークの第1短編集。
シリーズ作品は60作以上書かれていますが、発表順の全集ではなく、各年代からチョイスされているのはちょっと残念。
著者の短編デヴュー作の「死者の村」が探偵の特質を活かしたオカルト色の強い設定で編中のベストですが、年次を重ねる毎にアークが普通のキャラになっているように思います。
不可能犯罪の趣向が光る「狼男を撃った男」が準ベスト作品です。
他の作品集で読める作品が多く含まれているため編集方針に▲1点。


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