皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] エアロビクス殺人事件 R・T・エドワーズ & オットー・ベンズラー共著 |
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エドワード・D・ホック | 出版月: 1985年09月 | 平均: 4.50点 | 書評数: 2件 |
早川書房 1985年09月 |
No.2 | 5点 | nukkam | 2021/11/01 21:46 |
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(ネタバレなしです) 1984年発表の本書は英語原題は「Prize Meets Murder」で、大学の准教授であるマシュー・プライズ(37歳)を名探偵役にした本格派推理小説です。覆面作家のR・T・エドワーズと「魔術ミステリ傑作選」(1976年)や「殺さずにはいられない」(1999年)など多くのミステリー・アンソロジーの編集者として知られるオットー・ペンズラー(1942年生まれ)による共著で、ハヤカワミステリ文庫版の裏表紙には2人の写真が掲載されていますがエドワーズは肩から下までしか映っておらず、肝心の顔の部分はペンズラーがさえぎって隠しているというお遊び趣向の写真です。なお現在ではエドワーズの正体はエドワード・D・ホック(1930-2008)であることが判明しています。読者が自力で犯人を推理できるようフェアに謎解き伏線を配置しており、「読者への挑戦状」に相当するページでは「犯人」、「動機」、「容疑者たちから唯一の犯人を絞り込むための四つの手掛かり」、「誘拐事件と関わりのあった手掛かり」に関する四つの設問が用意されています。しかしその後は問題集の解答編みたいな味気ない説明がわずか3ページ続いて唐突に終わります。そこには小説としての余韻などかけらもありません。私は本格派を犯人当てゲーム感覚で楽しんでいる読者なのでパズルに徹した本書でも問題ありませんけど、物語としての面白さに少しは配慮してほしいという意見が多数派になりそうな気がします。 |
No.1 | 4点 | kanamori | 2010/04/13 20:14 |
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読者への挑戦付き犯人当てミステリ。
犯人を特定するためのいくつかのピースをばらまいて、消去法で犯人を当てるタイプのパズラーですが、あまりスマートな論証ではないですね。 共著のR・T・エドワーズはエドワード・D・ホックの別名義で、プロットの考案担当のようです。しかし、解説(訳者あとがき)には覆面作家というだけで、正体は明かされていません。 |