海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
ダーティ・ストーリー
アーサー・シンプソン
エリック・アンブラー 出版月: 1979年02月 平均: 6.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


早川書房
1979年02月

No.1 6点 クリスティ再読 2017/04/17 17:56
「真昼の翳」の主人公で情けない小悪党の中年男、アーサー・アブデル・シンプソン再登場の作品。とうとうトラブルによって根城のアテネを追われることになったシンプソンは、道連れになった男が元傭兵だった縁から、中央アフリカの某国のレアアースを巡る紛争に傭兵として参加するハメになる...という話。シンプソンは腹の出かかった中年男で、無国籍ということもあって兵役体験などないのだが、父親がイギリス軍の士官(とはいえ下士官上がりのようだ)で、兵営育ちで耳学問でも軍事知識があって、うまく「ニセ軍人」として傭兵たちの間に交じって戦闘に参加することになる。
シンプソンは、何から何までニセモノな男なので、今回もちゃっかり敵方とも連絡がついていたりするんだけど、レアアースを巡って争う二国も形ばかりの国家で、紛争の本当の当事者は欧米資本の開発会社だったりする。また、この紛争自体が争う開発会社が手打ちをして共同開発するための、半ばなれ合いな紛争だったりして、シンプソン以上に「国家」さえもが胡散臭いいかがわしいマガイモノだったりするわけだ。
というわけで、最後にシンプソンは悟りを開き、自分が国家になってもいいのでは?と考えシンプソン自身の懸案のあることをするのだが、これは読んでのお楽しみ。シンプソンという国家から拒まれた男が、いかに国家という幻想から逃れうるか?というテーマの寓話的な作品。


キーワードから探す
エリック・アンブラー
2008年09月
グリーン・サークル事件
平均:8.00 / 書評数:2
1982年11月
ドクター・フリゴの決断
平均:7.00 / 書評数:1
1980年09月
薔薇はもう贈るな
平均:6.00 / 書評数:1
1979年02月
ダーティ・ストーリー
平均:6.00 / 書評数:1
1973年01月
暗い国境
平均:6.33 / 書評数:3
1972年01月
インターコムの陰謀
平均:8.00 / 書評数:2
1967年01月
汚辱と怒り
平均:7.00 / 書評数:1
1963年01月
真昼の翳
平均:6.50 / 書評数:2
1960年01月
デルチェフ裁判
平均:5.00 / 書評数:1
武器の道
平均:8.00 / 書評数:3
あるスパイの墓碑銘
平均:6.50 / 書評数:4
1958年05月
夜来たる者
平均:7.00 / 書評数:1
1957年12月
裏切りへの道
平均:6.00 / 書評数:1
1954年10月
シルマー家の遺産
平均:7.50 / 書評数:2
1954年05月
恐怖への旅
平均:6.00 / 書評数:2
1953年11月
恐怖の背景
平均:5.00 / 書評数:1
1953年10月
ディミトリオスの棺
平均:6.50 / 書評数:6