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[ 本格/新本格 ] 名探偵篇「十三角関係」 山田風太郎ミステリー傑作選 |
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山田風太郎 | 出版月: 2001年03月 | 平均: 7.50点 | 書評数: 6件 |
光文社 2001年03月 |
No.6 | 8点 | 斎藤警部 | 2017/02/04 18:26 |
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ごく限られた作品に登場する風太郎のシリーズ探偵、びっ★を引く豪傑、荊木歓喜(いばらきかんき)地下医師の人情残酷活躍譚。短篇、中篇、そして長篇(表題作)。時代は戦争の煤煙も風中に残留する昭和二十年代。
ものものしい舞台設定、そして物語背景の割に、終わってみればなーんだか小粒ッちィ味わいの短篇が続くのがちょっともどかしい。。個々の題名が魅力的なだけに余計そう感じるのかも。とは言え詰まらない代物じゃァ全くないわけなんですが。しかーしやっぱりラスト三作で一気に力技逆転の感が強い。すなはち: ・最後の手紙in文語体に感動の全てが集約された「落日殺人事件」(短篇)。 8.4点! ・立派だ。実に立派な結末だ。意味の深い反転の連続、こりゃあ人も褒めようぞ「帰去来殺人事件」(中篇)。鮎哲の黒トラじゃないが”荊木歓喜自身の事件”でもある。陰惨無比な事件話のクセに、振り返れば妙にイイ雰囲気、晴れたる青空、雨の日も伸びやかに。。なんだよな、舞台となる邑が(獄門島に通じる)。9.3点!! ・単体で書評済みの「十三角関係」(長篇)については、ここでは長く語りません。流石の「帰去来」と較べると少しの緩みは見られるものの、興味津々の人間関係に推進力あるプロット、最後はかなり悪魔領域侵入のアリバイトリックが露にされる風太郎刻印入りの力作ですね。 四捨五入で8点に迫る7.42点! 巻末に森村誠一、適量に青臭い双方向抱擁型の、良い意味で軽量級な解説もまた旨からずや。 (氏はホテルマン時代、貸本屋で風太郎の忍法帖シリーズに淫しまくっていたそうな) チンプン館の殺人/抱擁殺人/西条家の通り魔/女狩/お女郎村/怪盗七面相/落日殺人事件/帰去来殺人事件/十三角関係 (光文社文庫) ところで「歓喜」と言えば韓国のブットい美声R&Bシンガー、「歓喜」と書いて「ファニ」君をどなたかご存知でないですか? その昔はFlytothesky(略してFTTS)というデュオに属してました。いや、解散はしてないのかな? 元々いい顔してるのにわざわざ整形手術を受けたら「きれいなジャイアン」みたいな顔になっちゃって一部の失笑を買ったのも今は良い想い出。 |
No.5 | 6点 | ボナンザ | 2014/04/08 15:30 |
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眼中の悪魔に比べると本格度は薄れる。
それでも山田風太郎らしい確固たる世界作りが魅力的。 十三角関係はそれほどいいとは思わなかったが。 |
No.4 | 7点 | 蟷螂の斧 | 2014/03/11 16:43 |
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十三角関係(廣済堂文庫)~短編集掲載なし~にて。『妓楼「恋ぐるま」の女主人、車戸旗江の死体が発見された。死後首と四肢を切断され、それらが店の看板に磔られた姿で。だが彼女の殺害には二重三重の不可能性が重なっていた。死体発見直前まで何人もの客が訪れ、どの客も彼女を殺害し死体を切断するだけの時間がなかったこと、そして調べれば調べるほど彼女が誰からも慕われ、殺害される動機が見当たらないこと……。』 意外な真相には驚きました。探偵役・茨木歓喜(酒好きの医者)が魅力的です。ユーモアセンス(「探偵小説はいろいろと約束事があって・・・」と言わしめたり、嘘倶楽部(嘘をつかなければならない規則)へ容疑者・証人を連れてゆき発言させるなど)もあります。多人数の証言がありますが、各人の動向には不自然な点はあるものの、発言内容自体に伏線らしきものがなかったのでは?という点が、少し引っかかりました。 |
No.3 | 8点 | あのろん | 2014/03/04 14:55 |
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第2,3版では「帰去来殺人事件」が削除されています。
帰去来が最もトリックも意外性も一番!だと思ったので注意です。 どれもしっかり本格で、満足のいくものでした。 ただ、歓喜先生の商売(?)柄、似たような話が多かったのが残念。 |
No.2 | 8点 | kanamori | 2010/07/07 21:54 |
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ミステリ傑作選2(光文社文庫)。
著者唯一のシリーズ探偵・荊木歓喜先生ものの集大成。 表題作の長編「十三角関係」は、タイトル通りの複雑な人間関係の中に組み込まれた構図と、真犯人の動機の凄まじさが非常に印象に残る傑作。 短編の中では、「帰去来殺人事件」がずば抜けて面白い。探偵が事件とどのように関わるかという命題はクイーンを彷彿とさせ、差別用語がトリックに繋がるところは「獄門島」を連想しました。 |
No.1 | 8点 | 測量ボ-イ | 2009/05/22 21:47 |
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忍者ものが本業(?)である山田氏が書いた数少ない本格
推理。あまり知られていないと思いますが、隠れた名作だ と思います。 読んだのは5年程前ですけど、作品自体はもう20年以上前 です。いつか再読したいけど、本が手に入らない・・・ |