皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 短編集(分類不能) ] 虚像淫楽(角川文庫版) |
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| 山田風太郎 | 出版月: 2010年07月 | 平均: 6.50点 | 書評数: 2件 |
![]() KADOKAWA 2010年07月 |
| No.2 | 7点 | クリスティ再読 | 2026/06/10 20:46 |
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| 実は評者、一番最初に読んだ風太郎が、ここらへんの短編作品だったんだ。だから山田風太郎=医学知識を活用したSM猟奇心理ミステリ作家、と長らく誤解していたりした(苦笑)ミステリマニアの中学生なんだもん、仕方ないよねw
だから風太郎忍法帖も実態以上の過剰なエログロなイメージで捉えていたなあ。角川での「魔界転生」の映画化もそういう誤解を助長してくれていた。いや落差大きいよ。 まあ「眼中の悪魔」と「虚像淫楽」を比較したら、やっぱり「虚像淫楽」の方がいいなあ。「はい、千明先生!」にホダされるよ。こんなにもアクロバティックな恋愛ができるんだ、という偉観に打たれるというべきか。 でガチのゴシックミステリでほぼ中編の「厨子家の悪霊」。いやまあなんというか邪悪な話だが力作だね。佐清マスクみたいな仮面が小道具として効いているのがいい。「蝋人」は忍法帖がトリックになったようなバカ密室といえばそうか(苦笑)でも一途な恋心が泣かせる、ミステリから「はみ出た」話。いいなあ。個人的には本書で一番好き。 「死者の呼び声」は多重な枠小説。叙述トリック好きな人はこういうの好きそうだ。「さようなら」はファンタジックな味わいが素晴らしい佳作。こういう「思い」が詰まったような作品は好きだ。 「黄色い下宿人」はまあ、ホームズ・パステーシュとして有名なもの。そしてロンドン留学中でホームシックからちょいとオカしくなってる夏目漱石が登場。後年の作品で有名人を出したがるあたりの萌芽がここにあるわけだ。漱石とホームズが探偵合戦をするという趣向はとても美味しいから、さらに模倣もあるわけだし。なんだけど、漱石と探偵といえば「草枕」でね、 普通の小説はみんな探偵が発明したものですよ。非人情なところがないから、ちっとも趣がない と「人のひる屁への勘定」する「探偵」に漱石が憤懣を抱えているあたりが何といっても面白い(苦笑) |
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| No.1 | 6点 | メルカトル | 2024/09/08 22:12 |
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| 性的倒錯の極致がミステリーとして昇華された初期短編の傑作「虚像淫楽」。「眼中の悪魔」とあわせて探偵作家クラブ賞を受賞した表題作を軸に、傑作ミステリ短編を集めた決定版。
Amazon内容紹介より。 これまで書評がなかった事に驚いています。これは一体どうした訳なのでしょう。単なる偶然なのか、それとも。 さて本短編集、全体的に滑り出しは、これから何かが起こりそうな予感がしてワクワクさせてくれますが、結局真相はありきたりで、驚くようなものではありません。トリックもどんでん返しも色々用意されていますが、カタルシスは得られませんでした。相変わらず医学的な見地からのアプローチは流石だと思います。 最後の『黄色い下宿人』がホームズのパスティッシュで面白いです。ホームズとある日本人との邂逅が最後に明かされ、ああそうだったんだというささやかな衝撃に襲われました。それに既読の『蝋人』は別格です。 他は出来不出来の差こそあれ、ややこしくて解りづらいのが難点かと思われます。が、もっと読解力のある人が読めばもっと高得点が得られた可能性は否定できませんね。 |
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