皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] メイン・ディッシュ |
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北森鴻 | 出版月: 1999年03月 | 平均: 7.22点 | 書評数: 18件 |
集英社 1999年03月 |
集英社 2002年03月 |
No.18 | 5点 | パメル | 2021/10/27 09:50 |
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「アペリティフ」ミケさんとの出会い。プロローグ。
「ストレンジテイスト」ネコこと紅林ユリエの所属する劇団・紅神楽は、次の公演に向けて練習中。しかし、小杉隆一が自分の脚本に疑問を持ち、練習は中断する。 「アリバイレシピ」泉谷伸吾は入院が必要な体に関わらず、大学時代の友人二人を自宅に招待。カレーを食べながら大学時代に起きた事件について語る。 「キッチンマジック」ネコの家でパーティーをしている時、マンションの下に高校生の死体が。ひったくりにあったみたいだが。 「バッドテイストトレイン」列車で滝沢良平に話しかけてきた見知らぬ男は、滝沢が読んでいた本や駅弁のこと、列車に乗っている他の乗客に関して、推理を披露する。 「マイオールドビターズ」紅神楽にきた奇妙な仕事は、資産家の家で一回公演してくれたら二百万円の報酬を出すというもの。劇団員は大喜びするが。 「バレンタインチャーハン」ネコは、雑誌の取材でミケさんが教えてくれたチャーハンの作り方を披露することに。 「ボトル"ダミー"」ミケさん特製の梅酒を飲んでいる時、劇団の一部の人間が、以前あった出来事の真相に思い至る。 「サプライジングエッグ」ミケさんとは何者だったのか。かねてから小杉が作っていたミケさんの素性を探る仕掛けが完成する。その仕掛けとは。 「メインディッシュ」大団円。エピローグ。 「特別料理」ミステリ作家としてデビューした小杉だが、解決編を考えないままで、問題編を雑誌に掲載してしまう。 紅神楽という劇団のネコこと紅林ユリエとその同居人のミケさん、そして師匠と呼ばれる座付き作家の小杉隆一のキャラクター設定が見事。伊能、泉谷、谷口、滝川といった大学生たちの話と劇団員たちの話が交互にあり、思わぬ人との関係性が分かっていく。そして、ミケさんの正体に向かって進んでいく。 どの作品も、謎解きの部分に何らかの形で料理が関わっていく。それも料理が謎解きの中で非常に重要な役割を果たしているというのが、この作品の特徴であり魅力的なところでしょう。ただし、ひとつひとつの短編が少しずつつながっていく連作短編集として全体を見た時は、完成度の高さは感じるが切り離して考えれば、やはりミステリとしては弱さを感じる。 |
No.17 | 5点 | いいちこ | 2019/04/29 17:59 |
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連作短編集であるにもかかわらず、真相を示唆する伏線や手掛かりに乏しく、読後の納得感は弱い。
料理というガジェットを除いて全体を俯瞰すれば、小粒な作品と言わざるを得ない |
No.16 | 6点 | take5 | 2019/02/11 07:04 |
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一話が短いので、どんどん読めます。
各話の関連も精緻です。 料理の描写は相変わらず名人芸ですが、 好みとしては、 私はカナリヤの方です。 |
No.15 | 7点 | まさむね | 2017/11/29 23:58 |
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連作短編形式の長所を活かした、上質な作品と言えるのではないでしょうか。登場人物がなかなか魅力的なうえ、そのキャラを最終的には伏線の一部としている辺りも心憎い。
気になる点が無いと言えば嘘になるのですが、個人的には、全体構成の妙と読み味の良さを積極的に評価したいですね。それと、登場する料理が何とも美味そうで、まさに作品に絶妙の味わいを添えている辺りにも好感。 |
No.14 | 7点 | ボンボン | 2017/05/06 10:13 |
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ずるいとか、それはおかしいとか、四の五の言わせない、自信に満ちて力強い連作の進行。構成がとにかく面白い。
これはやはり、迷探偵の役どころである劇作家・小杉隆一の破壊力によるところが大きい。彼の脳内には、材料も正解も既にあるのに、真の探偵ミケさんに整理してもらわないと、実は自分が判っているという自覚すらない、ってところが最高だ。混沌の中から、「見えた」という瞬間が来る感じ。ギャグマンガのノリそのものの人物だが、ジタバタ空回りしたり、顔に死相が出るほど苦しんだりしながらも、ぎりぎりでなんとか皆を魅了する作品を生み出していく姿は、作家という人たちの日々そのものなんだろうと思う。 と、ちょっと話が本作の本筋から逸れたが、とにかく連作短編ミステリの妙技にぐるぐる引っ張りまわされ、楽しい時間をいただいた。 |
No.13 | 8点 | smk | 2013/10/07 23:33 |
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読み物としてはとても面白く、キャラも立ってて一気に読めた。
ただ、最終的なトリックは、そりゃないんじゃないのって感じなのでこの点数。 |
No.12 | 7点 | E-BANKER | 2011/07/16 00:11 |
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小劇団「紅神楽」の主演女優・紅林ユリエ(愛称、ネコ)を主人公とするノン・シリーズ。
作者得意の連作短編集です。 ①「アペリティフ」=連作のプロローグ。 ②「ストレンジ・テイスト」=ユリエを中心として、ミケさんや小杉といった主要人物が登場。相変わらず数々の料理のレシピが出てきて、食欲をそそられる。 ③「アリバイ・レシピ」=ユリエを中心とするストーリーと並行するもう1つのストーリー。5人の同級生に纏わる過去の忌まわしい事件についての謎が語られる。 ④「キッチンマジック」=ミケさんがかつて通ったラーメンの名店の味を再現。しかし、かつての名店の味は変わっていた・・・そして、ミケさんの謎も深まる。 ⑤「バッドテイストトレイン」=これは、もう1つのストーリー。グルメ作品(?)としては珍しくテーマは「駅弁」。そして、ミケさんと5人の同級生との間に何かのつながりがあることが分かる・・・ ⑥「マイオールドビターズ」=世にも美味な地ビールが登場!(呑んでみたい) 劇団をたった1人で鑑賞する老資産家の正体とは? そして、ミケさんが突然の失踪。 ⑦「バレンタインチャーハン」=いわゆる「黄金のチャーハン」!(ご飯パラパラのやつ) レシピは意外に簡単なんですねぇ・・・ ⑧「ボトル"ダミー”」=深まるミケさんと5人の同級生の謎。ミケさんの正体はやっぱり・・・ ⑨「サプライジングエッグ」=ついに、過去の事件の謎&からくりが判明。なるほど、そういうことでしたか。 ⑩「メイン・ディッシュ」=タイトルに反して「おまけ」のような話。 以上10編+特別料理(!) さすがにうまいです。作者には「連作短編の魔術師」の称号を進呈! 現在と過去の事件をうまい具合にミックスして、途中には「叙述」という香辛料を混ぜ、絶妙のコース料理に仕上げられてます。 そして、例の如く、うまそうな料理の数々! ミステリーとしては薄味かもしれませんが、見事な後味を残す1品だと思います。 |
No.11 | 6点 | あびびび | 2010/10/16 18:12 |
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読んでいてほのぼのとした。となると、本格ミステリではないが、文章の切れが良く、好感が持てる。
でもミケさんは、自由気ままのようで、繊細な人なのだろうと思う。人間的悲しさを感じた。 |
No.10 | 5点 | itokin | 2010/05/15 21:55 |
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北森さんの作品は好きだったんだが、今回はなぜか集中できなかった。事件が地味だった事と、料理のレシピが多かったせいかな? |
No.9 | 7点 | makomako | 2009/12/06 08:15 |
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連作小説なのでひとつずつがそれなりの決着がある上に全体としてのストーリが展開するのは当然ではあるが、途中の話で結論と全く違う話がでてくる。あとでそれなりに訂正されるような展開とはなっているが、ちょっとうそをつかれたような感じがした。ユーモアもあり食のこだわりもありなかなかよいのだが、同じようにユーモアと食の話を交えた芦原すなおの「ミミズクとオリーブ」を読んだ後だったのであまりの個性の違いにちょっとびっくりした。ミステリーとしてはこちらのほうが断然上。私が読んだ北森の小説はいずれもどこか寂しく孤独な感じが漂っているが、本作品は孤独感はユーモアが交えてあるだけに余計につらいところがある(これが好きな人も当然あるだろう)。 |
No.8 | 8点 | こう | 2008/05/26 00:45 |
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独立した短編としても成立し、特別料理を除いたエピローグまでが途中までカットバックみたいな形で2つのテーマ(?)で分かれて進行し、最後にきれいにまとまる所など近年にない収穫だったと思います。
結末までおかしさとやさしさにあふれており読んで得した気分になれました。ミステリとしての評価とは別ですが。 |
No.7 | 7点 | VOLKS | 2008/01/06 13:35 |
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ふんわりとした中にシャープさの光る連作ミステリ。登場人物達も個性が強く味わい深い。 |
No.6 | 10点 | 北浦透 | 2007/12/25 20:21 |
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すばらしい作品です。
ラストのねこさんのセリフ・・・最高ですね。 |
No.5 | 9点 | ひこうき雲 | 2007/05/31 21:52 |
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劇団の女優・紅林ユリエ(通称ネコさん)の同居人通称ミケさんが、劇団に遭遇する事件の解決への推理を繰り広げる。プロ級の料理の腕前のミケさんの料理食べながらのホームパティでの推理は暖かい感じがしていい。座付き作家の小杉とネコさんとのやり取りは笑える。
癒され、笑えて、推理もあって、軽い感じ内容は自分の好みの作品でした。 北森作品の中で一番好きな作品です。 |
No.4 | 9点 | とも | 2005/06/11 09:38 |
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久しぶりに読み返しても、やっぱりおもしろかったです。一話ごとでも十分おもしろいし、全体を通すとなおいいなあ・・・と。文庫版で読んだので、おまけの『特別料理』がついていますが、あいかわらずの小杉氏に読んでいてつい笑ってしまいます。どこかにくめない人物だけど、本当に自分の近くにいたら・・・? |
No.3 | 9点 | なおみ | 2003/02/06 14:41 |
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とにかく登場人物がみんな魅力的で読んでいてとても楽しかった。 読後感もよく大好きな作品です。 なのでほんとは満点にしたいくらいなんですが「過去を消す理由」が私の世界観ではあまり納得が出来なかったのでマイナス1点にしました。 |
No.2 | 8点 | しゃん | 2002/09/13 16:47 |
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読んでてお腹が減る減る作品です。読み終わって早速ゴールデンチャーハンを作ってしまいました。 途中まで読んで「こういう構成になってるのだ、ありがちだな」と考えたが、いい意味で予想を裏切られました。 個々の短編の謎も面白く、また主人公たちが魅力的。 |
No.1 | 7点 | 由良小三郎 | 2002/05/27 19:01 |
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過去を消した人物というのがこの作家の得意の設定のようです。連作の縦の糸にあたる、大学の同窓生たちの思い出はややぎくしゃくしているような気がします。劇団の女優など主人公たちのキャラクタは魅力的です。 |