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[ サスペンス ]
夜は千の目を持つ
別題『夜は千の目をもつ』
ウィリアム・アイリッシュ 出版月: 1959年01月 平均: 4.25点 書評数: 4件

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東京創元社
1959年01月

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1961年01月

東京創元社
1979年07月

東京創元社
2018年11月

No.4 4点 クリスティ再読 2018/08/12 20:43
「夜千」の略称で親しまれる本作は...と言いたいところだが、そう呼ばれるのは本作の映画化の、さらにその主題歌がジャズ・スタンダードとして定着していて、コルトレーンなんかの名演があるためだ。しかし星空を「夜は千の目を持つ」と比喩したのはウールリッチらしい冴えがある。
本作は良くも悪くも、短編の寄せ集めみたいな書き方だ。言うまでもなくウールリッチは短編名人なんだけど、短編をそれ自体として成立させるような密度・濃度で、手変え品変えだと、全体として見たときに構成のメリハリ感がなくなって、ホントとりとめのない感じにしかなっていない。章ごとにオチがついてしまうのが、流れをせき止めている感じ。渋滞してる(イライラ)。いくらサスペンス(中断)でも、ちゃんと流れてなきゃそれに飽きてくるんだよ。
でまあ...本作は「超自然なし」という制約面ではミステリじゃない。ジャンルに困る作品なんだが、各務三郎氏が「ゴシック・ロマン」と呼んでいるのを見つけたよ。それでいいのでは。

No.3 4点 蟷螂の斧 2017/03/14 20:07
法月綸太郎氏の「ミステリー通になるための100冊(海外編)」で紹介された一冊。いまなら「ホラー」に分類されるかも・・・とありましたが、まったくその通りでした(苦笑)。タイムリミットものの著者らしさは垣間見れたのですが、嗜好と一致せず、この評価。

No.2 5点 ロビン 2009/02/08 13:51
アイリッシュらしいタイムリミット・サスペンス。だけど、確かにこの設定は引くなぁ。それに最大の色である描写がくどすぎて物語進行が滞っている。サスペンスらしい疾走感がなかった。
まあ、超能力に本格的な理由付けはなくてもいいのだろうけど、そこに「何かあるはず」と期待するのは間違いでしょうか。

No.1 4点 Tetchy 2008/08/05 20:28
通常アイリッシュ=ウールリッチの物語はその設定の特殊さえ、普通に考えれば荒唐無稽な感じがするが、それを詩のような美文、人物描写で物語を紡ぐ事で自然にその設定に溶け込めているが、今回はその魔法が効かなかった。

“予言を阻止すべく警察が捜査・護衛に当たる”。
この作品の要とも云うべき設定で実は私はかなり引いてしまった。
通常、警察とは事件が起きてから捜査に乗り出すものである。
ここのリアリティの無さでこの小説の内容には没頭する興味を80%は失ってしまった。


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ウィリアム・アイリッシュ
1980年01月
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1977年04月
ニューヨーク・ブルース
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夜は千の目を持つ
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