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[ サスペンス ]
裏窓
アイリッシュ短編集3
ウィリアム・アイリッシュ 出版月: 1973年03月 平均: 6.00点 書評数: 6件

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東京創元社
1973年03月

No.6 7点 蟷螂の斧 2020/06/16 17:33
①「裏窓」8点 別途書評済み
②「死体をかつぐ若者」8点 父親が浮気妻を殺害してしまった息子の行動。スリルと反転が見事。
③「踊り子探偵」6点 踊り子が刑事に恋心を抱くが・・・ほのぼの感が何とも。
④「殺しの翌朝」6点 青年刑事は他の刑事が驚くほど早く凶器を発見するが・・・
⑤「いつかきた道」8点 先祖にそっくりになった青年の行動。ポーを彷彿させる幻想的な結末。
⑥「じっと見ている目」8点 全身麻痺でしゃべれない老女は殺人計画を知ってしまう・・・
⑦「帽子」6点 ただ帽子を間違えただけなのに・・・
⑧「だれかが電話をかけている」7点 ショートショート。5回鳴って、もう一回鳴る不気味な電話・・・
⑨「ただならぬ部屋」6点 ホテルの913号室で4人の飛び降り事件。警察は自殺と処理するが・・・密室もの。

(参考)2020年版:史上最高の映画ベスト50(批評集計サイトに基づくランキング~ビジネスインサイダーによる)が発表され「裏窓」(1954年ヒッチコック監督)がランクインしています。以下、原作のあるミステリー系の順位。
2位 ゴッドファーザー
3位 裏窓
7位 めまい(死者の中から)
14位 黒い罠
19位 羅生門(藪の中)
24位 第三の男
28位 サイコ
37位 ローズマリーの赤ちゃん
38位 マルタの鷹

No.5 5点 ボナンザ 2014/04/08 16:11
裏窓は立場の転落というのが秀逸。いかにもヒッチコック好み。
ホラー作品もあるが、アイリッシュの多彩さがわかる。

No.4 7点 2011/02/17 21:18
表題作はヒッチコックによる映画化も見ましたが、原作を先に読んで充分怖がっていたせいか、映画のサスペンスはそれほどと思えませんでした。ヒッチコックはグレース・ケリーが演じた登場人物を加えたかわりに、原作のトリックと推理を無視しています。ちなみに犯人役はペリー・メイスン役が有名なレイモンド・バー(こう書いてもネタバレではありません)。
それ以外では、みなさんに評判のいい『ただならぬ部屋』がやはり一番印象に残りました。トリックは、初めて泊まった部屋で本当にそんなふうに錯覚するものか疑問ではありますが、殺されそうになるクライマックス部分もやはり見事。『じっと見ている目』もよかったですし、『死体をかつぐ若者』、『踊り子探偵』、ファンタジーの『いつかきた道』等も水準は十分クリアしています。
表題作だけなら8~9点ですが、短編集全体としてはこれくらいで。

No.3 4点 江守森江 2010/07/22 18:15
※但し書き
表題作についてのみ思い出を語っています。
「レベッカ」と並び大学時代の英語教材だったが、高校時代に(テレビで)ヒッチコック映画を観ていたので(出席は厳しく講義はサボれなかったが)テストは楽勝だった。
映画やミステリー好きな訳でもないのに、この作品や「レベッカ」を講義の題材にした女講師(教養部に研究室があったので教授或いは助教授だったのかも?)のセンスは一風変わっていた。
「レベッカ」は教科書用教材があったが、この作品は原書をコピーして配布したのだから、今考えると驚きではある。
私のミステリに論理性は求めても文学性を求めない嗜好は、学生時代に強要された原書を訳す文学の勉強に対する反発から来ている(←そこまで真剣に勉強してないだろ!)
同様に映像作品も字幕より吹替えを好んでいる。

No.2 6点 2010/07/22 09:54
ヒッチコック映画のベストといえば、一般的には「サイコ」と「裏窓」(ちなみに私は「疑惑の影」と「白い恐怖」も好き)。それぐらい映画「裏窓」は名作だが、原作を読んで、原作のサスペンス・ミステリとしての骨格を忠実に再現したからこそ、あの名作が生まれたんだと実感する。ヒッチコックは、原作にはないグレース・ケリー(が演じた主人公の恋人)を登場させて、映像をさらに美しく表現したところに最大の功績がある。この眩しすぎるほどのグレース・ケリーに惹かれたファンは、男女を問わず多くいたはず。ただ、男にとってはクール&ノーブルすぎるようにも思うのだが(笑)。

余談はさておき、他の所収作品の中では、映像を頭に浮かべながら読める「死体をかつぐ若者」も好かった。この作品は、ヒッチコック・サスペンス劇場に採用されそうな、スリルはあるが視覚的にちょっと笑えるような作品。
密室モノの「ただならぬ部屋」も展開が良かった。主人公のストライカーの執念と根性には脱帽する。作中、「まだらの紐」のネタばらしがあるのでご注意を。
その他、「踊り子探偵」「殺しの翌朝」「いつかきた道」「じっと見ている目」「帽子」「だれかが電話をかけている」を含めて全9編が収録されている。

No.1 7点 Tetchy 2008/08/08 23:04
表題作はヒッチコックの映画であまりにも有名だが、本編を読むとヒッチコックが大胆にアレンジを加えて映画化したのが解る。
いやあ、この作品を映画化するとは!とビックリした。

この表題作の他、「いつかきた道」、「じっと見ている目」、「ただならぬ部屋」がよかった。

「ただならぬ部屋」はアイリッシュには珍しく密室殺人を扱った本格ミステリとなっている。

本作品集はそれぞれ物語に起伏があり、読み応えがあったが、もう少し抜きん出た作品が欲しかった。


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ウィリアム・アイリッシュ
1980年01月
私が死んだ夜(早川ポケミス版)
1977年04月
ニューヨーク・ブルース
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1975年01月
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裏窓
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妄執の影
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