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[ 短編集(分類不能) ] 黒猫 エドガー・アラン・ポー短篇集 |
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エドガー・アラン・ポー | 出版月: 1992年05月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
集英社 1992年05月 |
No.1 | 6点 | バード | 2019/07/12 13:23 |
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(再読シリーズ3)
再読とは言っても内容は完全に忘れてしまったので、今回ほぼ初見。 本短篇集は幻想小説とホラーが中心(デュパンが登場する「盗まれた手紙」は唯一ミステリか?)で自分が好んで読むタイプではないが、ぐっと引き付けられる話が多く、現代視点でも面白かった。19、20世紀にこんなものが出回っていれば、江戸川さんがリスペクトするのも納得。 あと、本書は解説も読みごたえがある。 個別書評 ・リジーア(7点) 理想の女性であるリジーアがあえて記号的な表現で、そこに不気味さがある。まともでない主人公の一人称視点で語ることで恐ろしげな雰囲気が見事作られる。 ・アッシャー館の崩壊(6点) 主人公はまともなホラー話。リジーアみたいな構成の方がどちらかというと好き。最後館が崩壊するシーンはわかりやすい伏線があるのかな?(読解力のせいか唐突な崩壊に思えた。) ・ウィリアム・ウィルソン(4点) これはこの短篇集の中では評価低め。自分の気質に真っ向から反抗するもう一人の自分を殺すってのは、物語としてなんか安易かなという気がする。(もちろん現代からの視点です。当時は斬新だったのかな?) ・群集の人(8点) きちんと作者の狙いを酌めてるかはわからんが、常に集団に入りたがる人は、自分が無く観察するに値しないということを独自のストーリーで書いている。推理要素でないが一番上手いと感じた。 ・メエルシュトレエムの底へ(6点) 序盤大自然の描写に引き込まれたが、中盤以降は語りべの脱出劇になってしまい個人的にトーンダウンした作品。冒険ものとして読むべきだったかな。 ・赤死病の仮面(7点) 正直舞台設定の説明が終わった段階で、僧院内で赤死病がはやる落ちは読めた。ただ赤死病患者が紛れ込みのではなく、赤死病そのものが紛れ込むというストーリーは予想外だった。 ・黒猫(5点) 表題作なのに微妙という(笑)。これは主人公が糞野郎すぎて、不気味さとかよりも不快さがでてしまい、うーんという感じ。 ・盗まれた手紙(6点) 読者が推理に参加しようが無い点は不満だが、別段わかりにくくもないし、まあまあ。この短篇集の中での面白さは真ん中くらい。 |