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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
メグストン計画
アンドリュウ・ガーヴ 出版月: 1958年04月 平均: 7.00点 書評数: 4件

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早川書房
1958年04月

No.4 7点 ことは 2019/08/29 00:54
きれいな3部構成。計画、実行、実行後。どこもよどみなく楽しく読める。
2部の冒険小説風の味がカーヴなんだろうなぁ。冒険小説はそんなに好きでない私でも楽しめた。
(ジャンル投票は冒険小説にしました)
ラストは、ささっと終わる。これもカーヴ印。
うん、楽しい。ガーヴの特徴がでているという意味で、確かに代表作。でも、これが代表作だとインパクトは薄いかなぁ。ガーヴがメジャーにならないのはその辺りにあるのかなぁ。

No.3 7点 クリスティ再読 2017/03/19 17:14
1950年代ってのは、パズラーは時代遅れだし、ハードボイルドも大衆化しちゃって拡散しているし、スパイ小説のビッグウェーブはまだ少し先..と谷間のちょっと難しい時期(その代わりSFが黄金期。本作の訳者は「SFの鬼」福島正美だ。ポケミスでのガーヴ紹介はどうやら福島正美が力を入れていたようだ)だったわけだけど、いろいろとジャンルミックスとかあって面白い作品は面白かったわけである。そういう50年代ならではの面白作品の定番として、挙げる人が多いのがガーヴの本作と「ギャラウェイ事件」という印象がある。
本作はガーヴお得意の悪女+海洋冒険小説+コンゲームというジャンルミックスで、鉄板の面白さを誇る。久々再読したけど、ツルツルと読めること読めること、あっという間に読了。ストーリーテリングのうまさは天性で、ノンストップで楽しめるタイプの作品。
ガーヴは面白いけど、今一つ出版に恵まれない(本作もポケミスで出たきり。再版はある)のは、やはり日本のミステリファンの過剰なジャンル意識によるもののような気がする(「ヒルダ」が文庫で何度も出てるのは「ミステリらしい」からね、あれは)。ジャンルミックスでジャンルを決めづらい作品ってどうも不利なんだね。

No.2 7点 斎藤警部 2016/09/20 09:56
“それは、私にとっても、空前絶後のモノローグだった。”

ちょいワルのクロフツみたいな。。海洋(近海)をマタにかけた、悪女に唆されての名誉毀損詐欺サスペンス。昔「ロス疑惑(三浦和義事件)」が世間を賑わせ始めた頃、この作品(粗筋だけ知ってた)が脳裏を掠めたものである。。。 読後振り返りゃ色んな所が随分甘いんだけど、読んでる間、特に主人公が無人島で過ごす一つのハイライトシーン(孤独な営為の描写はなかなか)の間は、読者にも見えない「対岸側」の経緯がふんだんに溢れている様に思えてしまうが故に、主人公を待ち受けるありとあらゆる陥穽の可能性が妄想花吹雪ファストクルージング状態、なわけで中盤のサスペンスは充分。だからこそ面白い。「ヒルダ」と違ってこれは好みだ。

エンディングは意外や意外ですね。。。ミステリ的にグッと来る類のとはちょっと違いますが、飽くまで小説として、なかなか。


【ちょいとネタバレ】
タイトル”THE MEGSTONE PLOT”は見え見えのダブル・ミーニング(それ以上の深い踏み込みはこの作家には無さそう)に違いない、とずっと思っていたら、、まさかそこすら行かないまんまのシングル・ミーニングだったとは!あらためてガーヴさんの心地よい甘さを実感。しかしサスペンスは充分だったから文句は無い。


関係ないけどMEGって歌手かなり好きだったなあ懐かしや、、 というか中田ヤスタカの楽曲が良かったんだけど。ガーヴの作風じゃないけど「甘い贅沢」なんてのが代表曲。

No.1 7点 こう 2008/09/10 23:45
 これも推理の余地のない展開、ストーリーを楽しむ類の作品ですが面白かったです。
 第二次大戦で勇名を馳せるも戦後は一介の役人で一攫千金をただ夢見ている男クライヴが主人公で彼は大金と金のかかる愛人を両方手に入れる方法を思い付く。
 「仕事上手に入る機密を置き忘れ、船で失踪する。新聞社にソ連に情報を売った、と書きたてられてから無事生還し名誉棄損の巨額の賠償請求をする」という奇策を思い付き実行に移すが、というストーリーです。流石に1956年の作品でテレビではなく新聞が主流であり東西冷戦が小道具に使われネタとして古すぎるのは難点でしょうが数あるスパイものとは違い現代でも通用するのでは、と個人的には考えています。
 スリラーといっても本当にのんびりしていますし恐怖感も感じず「甘い」展開などの難点はガーヴの他作品同様ですし本格的要素は全くなく推理の余地はありませんが、逆に全く推理せずに読むには十分面白いストーリーだと思います。
 悪女ものの一面もありますが典型的な悪女ものに比べれば大したことはありません。端的に褒める所が難しい作品、作家ですが昔のスリラーが合う方にはどれも合うのでは、と思います。


アンドリュウ・ガーヴ
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