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[ サスペンス ]
殺人者の湿地
アンドリュウ・ガーヴ 出版月: 2013年09月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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論創社
2013年09月

No.1 7点 kanamori 2013/12/20 18:43
富豪の娘との資産めあての結婚を目前にしたアラン・ハントだったが、ノルウェー旅行中に遊びで情事を楽しんだ純真な娘グウェンダが目の前に現れ妊娠を告げられる。窮地のアランは家の周辺に広がる湿地帯に目をつけ、ある計画を実行するが-------。

比較的翻訳状況に恵まれ60年代にポケミスから次々と邦訳作品が出ていたガーヴの、なんと42年ぶりの翻訳作品。なぜこれがいままで未訳だったのか不思議に思えるレベルの秀作だった。
冒頭は倒叙形式で語られるが、犯行場面の描写の直前で第1部が終わる。第2部に入り、捜査側の視点で語られるグウェンダ失踪に対するアランのアリバイなど、事件が雲をつかむような展開になるところが最大の読みどころ。二人の刑事による推理のディスカッションはコリン・デクスターの初期作を思わせる。またメインの仕掛けの部分が単純ながら意表を突くトリックで(解説の”国内の超有名作を想起させる”は慧眼)これは本格派志向の読者にも受け入れられるのではと思う。


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アンドリュウ・ガーヴ
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