| みりんさんの登録情報 | |
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| 平均点:6.66点 | 書評数:530件 |
| No.530 | 7点 | グレイラットの殺人 M・W・クレイヴン |
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(2026/02/14 17:35登録) シリーズ4作目。安定して面白いし、700ページの長さだが無駄な描写があまりない。 今回は「MI5」という英国の暗躍組織が登場。日本の公安警察みたいなもの? 毎度犯人当て・動機の解明で終わらずに、犯人が判明してからの1対1での対決という劇的な展開に定評のある本シリーズだが、今回はそれに加えてMI5との諜報戦要素もあり。イギリス政府が隠蔽したかった秘め事がまるまる動機に繋がっており、スケールの大きい作品に仕上がっている。政治色もあり、英国民ならさらに評価は上がっただろう。 「ワシントン・ポーの出生の謎」というサイドストーリーがシリーズを通して着々と進んでいくのもシリーズ読者としては気になるところ。実はMI5はこのためだけに登場させたのでは? |
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| No.529 | 7点 | キュレーターの殺人 M・W・クレイヴン |
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(2026/02/10 19:36登録) 個人的にミステリーのオチで使われると萎える要素「上位者による操り」。しかし本作は実行犯を操るキュレーターの存在が物語中盤で手法まで明かされていたので逆に良かった。1作目『ストーンサークルの殺人』で描いた警察を手玉に取る狡猾な犯人像はここで一歩進化している。文生さん指摘の「この動機でこんな回りくどい手法を取るか?」とnukkamさん指摘の「途方もない偶然」については確かに自分も気になったが、このシリーズは映画のような迫力あるサスペンスと劇的な犯人との対決を描いてくれるので飽きない。 ポーとティリーの微笑ましさも相変わらず。くっついてもいいし、ずっとこのままの関係でもええですな(^^) |
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| No.528 | 6点 | ブラックサマーの殺人 M・W・クレイヴン |
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(2026/02/04 21:20登録) 早速シリーズ2作目に。書評被りはたまたまですよ(笑) 6年前に死んだと思われていた少女が生還したことで、ワシントン・ポーの捜査ミスによる誤認逮捕が発覚するというあらすじ。前作に負けず劣らずのヒキを用意できているが、確かにサスペンス要素は前作より弱いし、やや反則気味のトリックが用いられているという点でもイマイチだった。 キャラクター小説としては上々なので続きも読みます。 エドガーにポーにドイルまで登場したら…さすがに? |
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| No.527 | 7点 | ストーンサークルの殺人 M・W・クレイヴン |
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(2026/01/28 19:09登録) 英国推理協会のゴールド・ダガー賞なんざどうせ俺のお口には合わないぜと斜に構えて読んだところ、これが期待以上に面白かった。今まで英国の警察ミステリーをほとんど読んでいなかったので、色々な要素が新鮮に感じた。動機は特に日本ではあまり描けないでしょうね。個人的には両方頭脳担当のポーとティリーのコンビが至高。ミステリーというジャンルは結局キャラクターが大事なのかもしれない。 主人公の名前がポー、愛犬はエドガーって流石に狙ってるよね…? 【ネタバレ】 犯人の死が不確定ということは、続編で登場したりするのだろうか。本当に良いところで終わりやがった。結論として、自分もシリーズの続きが早く読みたい。 |
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| No.526 | 4点 | ポー傑作選3 ブラックユーモア編 Xだらけの社説 エドガー・アラン・ポー |
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(2026/01/27 19:35登録) 傑作選3も出ていたようです。 今回はブラックユーモア編。ポー小説全集でわけわからんつまらんとなっていた作品も、翻訳者の解題を読むと「ああ、そういう皮肉だったのか」とおおよそ理解できる良書です。これは100ページに及ぶ作品解題が本体と言っても過言ではありません。例によって2読目のはずなのにほぼ全て初読の読後感(メッツェンガーシュタイン除く)でした。200年前の捻くれ者のユーモアや皮肉を理解できたところでなんなんだという気持ちもあり、こんなのはポー心酔者しか読まなくていいでしょう。私は信者ではないのでこの評価。 ちなみにブラックユーモアの要素が微塵もないと思っていたミステリー仕立ての傑作『長方形の箱』が載っているが、解題を読むと確かにユーモアの範疇なのかと。 まあネタ切れっぽいので傑作選4は出ないでしょう恐らく。 |
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| No.525 | 8点 | 禁忌の子 山口未桜 |
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(2026/01/25 12:27登録) 自分と瓜二つの溺死体を検死するという冒頭から求心力はそこそこあるが、これを引っ張られるとシラけるところ、勿体ぶらずに中盤で明かしてしまうところに作者の余裕を感じた。 むしろこれは囮だ。この物語の着地点はそれを数段飛び越えた遥か先にあるのだと。密室ですらロジックのための駒として使い捨ててしまう余裕ぶり。 数学の背理法と条件分けを巧みに駆使した推理のあとに、明かされる真相は一見突飛のように見えてその実ロジカルで、衝撃成分が最大化された。 傑作。さすが、鮎川哲也賞はレベルが違うと感じた |
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| No.524 | 6点 | 地獄の奇術師 二階堂黎人 |
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(2026/01/24 22:17登録) 仰々しい文章に芝居がかったセリフ、衒学的な巻末注釈で読んでて恥ずかしくなる部分が定期的にくるけど、雰囲気はすこぶる好ましい。流石、加賀美雅之の師匠さんだな。『地獄の道化師』についてはあえて(?)注釈つけないのね。犯人が露骨に分かりやすいのも乱歩の通俗長編のオマージュだと推察される(笑) 『カナリヤ殺人事件』とかが許せるならぜひ スロースターターとのことでシリーズの続きが楽しみ(^^) |
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| No.523 | 7点 | 犯罪者 クリミナル 太田愛 |
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(2026/01/22 00:07登録) 上巻が今までに読んだことのない切り口で面白かった。 たまたま駅前の噴水にいたはずの4人の人間がなぜ殺されたのか?生き延びた繁藤を含めて被害者の5人に隠された共通点、いわゆるミッシングリンクを探すミステリーとしては極上の出来。suzukaさんのおっしゃる通り、中盤で明かされてしまいますが… 「あと十日。生き延びれば助かる」 タイムリミットサスペンスの逆?プロの殺し屋から十日間逃亡する生活はピンチの連続で読み応え抜群。 最後はなんであんなビターな終わり方にしたんだろう。勧善懲悪以外許せない!というわけではないが、これでは今までの苦難や彼らの犠牲は一体なんだったんだろうと思ってしまいます。ここまで丁寧に描写してくれただけに… 私は「サスペンス」に1票! |
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| No.522 | 8点 | もつれ星は最果ての夢を見る 市川憂人 |
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(2026/01/18 18:26登録) いつもの特殊設定ではない立派な"SF"ミステリー 毒舌AIと中小企業エンジニアのコンビはマリア&蓮から年齢いじりを取り払った程度の既視感のある造形(笑) 亜光速航行、量子テレポーテーション、もつれ粒子対、惑星探索等々…ノーランが映画化したらさぞ面白そうなガジェットを下敷きに五十光年離れた惑星で銃殺遺体が見つかるというもの。基礎的な量子力学の内容はイチからレクチャーしてくれるのでかなり親切です。 こういうのを読むたびに、宇宙空間や宇宙船などのディティールをどうやって調べ上げるのだろうと感心するばかりです。 途中からもう殺人なんてどうでもいいじゃんと思うくらい話が壮大になり、SF要素が面白くなっていくのでジャンルはSFに投票しておきます。 好き度では『揺籠のアディポクル』、凄い度では『もつれ星』に軍配かな 【ネタバレのような何か】 ドラえもんのコミックス17巻に登場する「バイバイン」みたいな展開ですね。本作はここまで壮大にしたのに、とても綺麗に話を収束させたなあと、風呂敷の畳み方にも感心しました。 |
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| No.521 | 9点 | Ank: a mirroring ape 佐藤究 |
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(2026/01/12 19:38登録) なにこれ。書評数1件で埋もれていい作品ではないと俺の中で話題に。 人間だけがなぜここまで高度な言語を習得できたのか?本書では「自己鏡像認識」という人間と類人猿(チンパンジー・ボノボ・ゴリラ)にしか持ち得ない能力が鍵であると主張します。そして、なぜ古人類は死に絶えているのか?という謎にも、大胆で斬新な発想を披露します。 数多のミステリーのように、人工的に神秘性のある謎を構築しなくても、人間という神秘を探究するだけでここまで面白くできるのだと示してくれました。未曾有の読後感というのは言い過ぎか。「平成のドグラ・マグラ」と称されるべきだったのはデビュー作『QJKJQ』ではなく、この作品だったのではないでしょうか。『ドグラ・マグラ』よりも論説は幾分かわかりやすくエンタメ性も高いです。テーマとストーリーの連動具合では『幽玄F』の方が良かったが、発想力や斬新性で遥かに上回り9点。もう少しミステリー仕立てであれば満点献上でした。 私は今までにSFを3作ほどしか読んでいないのだが、本作がそこまで話題になっていないのを鑑みると、これが平均的な水準なのだろうか。だとしたら凄いジャンルだ。 |
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| No.520 | 6点 | ウッドストック行最終バス コリン・デクスター |
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(2026/01/09 19:57登録) 結構尖っていた『キドリントンから消えた娘』を先に読んでしまったせいで、幾分か丸みを帯びた本作品の面白みが薄れてしまった。そして2作目のせいで犯人がメタ読みできてしまった…それを加味しても、かなり凡庸な真相かな。逆フェルミ推定(?)みたいな絞り込みを真剣にやっているルイスとモースコンビの茶目っ気が気に入っているのでこのシリーズは今後も少しずつ読み進めていこう。 にしてもここの書評で知ったが、本国イギリスでホームズと匹敵する大人気キャラクターとは…絶対日本の本格ファンにしか読まれていない超絶マイナー作家だと思っていたのに ※おお!コリン・デクスターの書評100件目! |
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| No.519 | 7点 | 正体 染井為人 |
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(2026/01/06 22:02登録) 脱獄した死刑囚の逃避行。警察とドンパチしたりというわけではなく、社会に密かに溶け込んでいく。序盤から中盤までがお仕事体験ツアーみたいな感じで特に面白かった。ただ、終盤はあまり納得いかない。強引に真犯人を登場させなかったのは素晴らしいが、裁判の過程まで丁寧に描写して、彼の悲痛な叫びが報われるまで見届けたかった。冤罪というテーマから逃げずに、鏑木慶一という人間の心の奥底まで全てを余すことなく曝け出して欲しかった。だが、あとがきで本作はあくまでエンターテイメントだと言っているので、それなら仕方ないかとも思う。 心理描写を省き、行動だけでキャラクターを浮かび上がらせる感じがどことなく『白夜行』。こちらは犯罪ではなく仕事や人助けであるが。 |
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| No.518 | 6点 | 赤い死の舞踏会 エドガー・アラン・ポー |
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(2025/12/28 19:22登録) 北山猛邦『神の光』で久しぶりにポオが読みたくなった。収録作は『ベレニイス』『影』『メッツェンガアシュタイン』『リジイア』『沈黙』『アッシャア家の没落』『群衆の人』「赤い死の舞踏会』『アモンティラドの樽』と評論2つ。あえてか?一般に流布されているタイトルと違うものが多い。やはり模倣した文体より原文の方が数段晦渋で、地の文は常に論考を読まされているみたいだ。 某ポオオマージュ作品で『アッシャー家の崩壊』を犯罪小説としても読めるぞという評論を読んでから、注意深く再読したけど少し無理筋では…?ポオがそこまで見越して描いているとは思えない。 『アモンティラドの樽』は地の分がほとんどを占めるポーにしては珍しく会話文が多く、比較的小説チックだ。2人の確執を描かないことに意味があるのだろうか。拘束した男の前で石材を一つ一つ設置していく過程がスリリングというかシュール。『黒猫』や『告げ口心臓』と違ってお咎めなしなのが今でも偏愛される理由か。 小品の多い全集1に載っている中でも数少ない良作の『メッツェンガアシュタイン』もあるし、病死・美女の死と埋葬、蘇生、憑依などよくあるネタも満遍なく揃っているが、何かメインディッシュに欠けるようなラインナップだなあと。評論はわけわかめ。 |
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| No.517 | 7点 | キドリントンから消えた娘 コリン・デクスター |
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(2025/12/27 21:04登録) 法月綸太郎がどっかでおすすめしてた作家なので読んだ。シリーズ2作目と気づかずに… 【ネタバレ】 多重解決がというより、真面目な探偵小説読者をおちょくるような作風がアントニイ・バークリーみたいだと思った。確かに我々読者はすぐに複雑で突飛な真相に結びつけてしまう。ここまで読者に擬態したお茶目な探偵役ははじめてだ。迷探偵ぶりもロジャー・シェリンガムといい勝負。 ロジカルでかつアクロバティックな推理を多重に披露するミステリーを読んでいるので、「現代本格の最高峰」というのは誇大広告かな。といっても、真相は作者の匙加減というのが狙いなのかもしれないが。 しょぼい失踪事件でこれだけワクワクさせるのは凄いし、真相に関わる「容姿の変貌」についての説得力は他に類を見ないもので驚いた。 |
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| No.516 | 5点 | 鼓動 葉真中顕 |
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(2025/12/13 17:05登録) 『ロスト・ケア』が良かったのでこちらも 心に傷を抱えた女性刑事視点の話はイマイチだったが、引きこもりの半生の方は読み応えがあった。事件自体に魅力はないのに、ここまで読ませてしまう力は流石。日本の絶頂期から失われた30年に移行するこの時代の雰囲気を仮想体験できた。調べると著者は草鹿と同い年なんですね。しばしば耳にする就職氷河期世代の恐ろしさもよく理解できた。時代に恵まれ、売り手市場の生温い就活を経験した自分が、草鹿のことを「甘え」だとは口が裂けても言えない。 ありそうでなかった(?)草鹿の動機に、ロストケア同様読者サービスのどんでん返し。この話の着地点は?自分らしく生きるにはまず自分を承認するということか?あまりメッセージを汲み取ることはできなかった。 沈みゆく日本はいつ浮上するんでしょうねえ。失われた40年にならないといいのですが。 |
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| No.515 | 7点 | 体育館の殺人 青崎有吾 |
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(2025/12/11 21:21登録) 「殺人を彩るにふさわしい異様も、狂気も、怪奇も、猟奇もここにはない」 上の通り。なんだか気の抜けるタイトルだな〜と思いながら読み進めていると影の薄い登場人物がわんさか出てきて『月光ゲーム』を思い出した。著者もあきらめ気味の「読者への挑戦状」を読んでも、ページを戻るようなことはせず、解決編に進んでしまった(苦笑) 解決編では著者のロジックに対する情熱がヒシヒシと伝わってきて火傷しそうだった。傘を起点にしたあまりにも鮮やかなロジックを披露した本作に対して、人間が描けていないというのは褒め言葉だろう。江戸川乱歩賞だったらおそらく選ばれない。これを受賞させた鮎川哲也賞はやはり素晴らしい賞だと再認識した。 読んでいてフーダニットの楽しさを思い出したが、何気に密室の出来もいいと思う。 人間の行動が必ずしも論理的でなく、偶然性を内包する限り、一点の曇りもない完璧なロジックを構築するなんて不可能なのではないか?その気になればいくらでもイチャモンがつけられるのでは?と本格推理の限界も感じた一作。折りたたみ傘はケアして欲しかったけどね。 |
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| No.514 | 6点 | 杉の柩 アガサ・クリスティー |
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(2025/12/09 19:39登録) 金持ちの遺産相続に男女の三角関係、出自の謎。お話はいつものクリスティー。 珍しく犯人にはかなり確信を持って読めた。遺産に関するとある行動があまりにも怪しすぎたのだ。いつものクリスティーならこれを囮にして私をハメてくるのだが、今回は"表"がそのまま正解だった。 話の中心に居座るラブストーリーがミステリーの核として機能していないのが惜しい。 【ネタバレのようなもの】 このトリック結構好きだ。ただ、エリノアが紅茶を飲んでいたらどうするつもりだったのだろう。 |
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| No.513 | 8点 | 神の光 北山猛邦 |
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(2025/12/04 17:50登録) ランキングを楽しむために新刊を漁っていますが、本作が間に合ってよかったです(ランキング予想、今日までですよ) 『一九四一年のモーゼル』はアイデアのみで評価すれば『占星術殺人事件』に匹敵するレベルかと思います。殺人のトリックではないのが玉に瑕ですが、心理の盲点を突いたようなエレガントな消失ものです。2004年初出ということで、20年も書籍にならずに埋もれていたのが信じられません。このアイデアだけで8点献上です。 ただ、この短編だけクイズの側面が強い。後半の『藤色の鶴』や『シンクロニティー・セレナーデ』あたりは消失をメインに添えるのではなく、ドラマ性で支えていただけになんか惜しい。 表題作『神の光』はギャンブルものとして開幕し、街が一つ消失する。「インセキジャネーノ?」と思ったが、さらにとんでもない真相だった。一応ロジックなるものがあり、世界史にそこそこ詳しい人間なら推理が可能ということで本格の範疇か? 私のお気に入りは『未完成月光 Unfinished moonshine』 幾度となく擦られた「エドガー・アラン・ポーの未発表原稿ネタ」で、恐らく唯一原稿の中身までしっかりと描かれた作品。「ポオにしてはなんか軽くね?」に対する言い訳もいい。大鴉に館の焼失、美女の死とポーネタ散りばめ、消失ものを演出。ポーならこんな種明かしはせず、『アッシャー家の崩壊』のようにぶん投げて終わりそう。語り手と小説家の2人のキャラはどことなく三津田信三作品っぽさもある。 『シンクロニティー・セレナーデ』は異質な雰囲気で、消失よりも館が消失する夢の共有という現象に惹かれて読んでしまう。夢と記憶の共有・集合的無意識を取り扱った幻想小説としても読める。荒唐無稽だが面白い。 |
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| No.512 | 7点 | ネズミとキリンの金字塔 門前典之 |
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(2025/11/30 19:09登録) 本サイトで始めて知りましたが、こんなにも新本格な作家がいたのですね。ここまで建築!建築ゥ!なミステリーを読んだのは周木律以来です。 ピラミッドを模した精神病棟で起こる奇怪な密室殺人と崩落事故。ネズミとキリンの童話から始まり、精神病院に流れる黒い噂とアンデッドの目撃情報。これが詩美性のある謎? 蜘蛛手さん、容疑者の1人かと思っていたらシリーズものの探偵だったのね。正直言うとなんか嫌なやつだったなあ… 「堅牢な建築学的不可能犯罪」は確かに魅力的ですが、それ以上に動機が秀逸です。蜘蛛手探偵の言うとおり、ホワイを推理するのは難しく、登場する図に真摯に向き合わないと不可能でしょう。そんなことでここまで大掛かりで時間のかかることをするだろうかという突っ込みは野暮ですね。こんなにも精緻な金字塔を竣工した作者にあっぱれです しかし肝心の見取り図の中の文字が不鮮明で読みにくいのは改訂しといてね |
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| No.511 | 7点 | 同志少女よ、敵を撃て 逢坂冬馬 |
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(2025/11/27 21:21登録) なんと大好きな漫画(×3)が引き合いに!私も読まねば! そんな経緯があり、セラフィマとイリーナのビジュアルはクレアとテレサで補完(笑) 戦争小説って歴史と道徳のお勉強を強いてくるから苦手だが、本作は史実で訴えかけてくるのではなく、物語で魅せているから素晴らしい。母親を射殺され、故郷を燃やされ、「敵」に復讐を誓った少女セラフィマが一流の狙撃兵になるまで…少女達はなぜ戦うのか?敵とは一体何か?国家間のスケールの話を違和感なく個対個にも持っていける。上手い。 「自由を得るため」「射撃の瞬間、自分は自由でいられる」 仲間は足枷だと言い放ち、それに見合うだけの実力がある傲慢なアヤが好きだった…(泣) 「コサックの誇りを取り戻す」「くたばれソヴィエト・ロシア」 使命を全うする回し者のオリガも格好良かった…(泣) アニメ化やドラマ化の話来てないのかな? 「なぜか毒にも薬にもならない作品ばかりを選出する」と俺の中で話題の本屋大賞、見直しました(非常に失礼)。今後もこういう作品選んでください。 |
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