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ミステリの祭典

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天国からの銃弾

作家 島田荘司
出版日1992年12月
平均点6.67点
書評数9人

No.9 5点 たかだい
(2025/03/20 21:53登録)
ノンシリーズ物の(ちょい長めの)短編を3話収録した短編集
スターになる事が確定している完璧な女性が幸せの「Xの扉」を探し回る『ドアX』は、独特の読み心地を味わえる妙作で、(最初の方の女性の1人語りは辟易した所があれど)徐々に不穏な空気が流れて事実というか現実が見え始め、締めに多少なり報われるラストへと繋がる塩梅の良さはある
次いで、とある事情で死んだ男の死体処理に奔走する者達を描いた『首都高速の亡霊』はサスペンスとして出来は良く、前述のように死体の始末をしたい者達が右往左往する様が生々しく、そのオチもご都合主義ではあるものの因果応報、皮肉が効いていて結構好きです
最後は、あるビルの屋上に設置された自由の女神の赤く光る目の謎を追う表題作『天国からの銃弾』であるが、個人的に3話の中では抜きん出てこの話が面白かった。謎解きの過程はちょい唐突ながら真相はなかなか面白い上に、主役となる老人がかっこいい。この話に関しては、特にこれといっ不満点も無かったです
とまあ好意的に書きながらも点数が振るわない理由としては、(3話目はともかくとして)話の中に読んでてダレてくる箇所があり、完璧な女の1人語り然り、2話目の談合に関するやりとり然り、ちょっと読むのがしんどく感じる所があるのでその辺が大分足を引っ張ったかなと感じてます

No.8 5点 ボナンザ
(2019/07/31 23:20登録)
中々奇抜なストーリーがそろっている。
本格としてみると今一つか。

No.7 7点 メルカトル
(2017/12/30 22:17登録)
再読です。 
約二十年ぶりに読みましたが、内容は表題作のほんの一部以外はまるで忘れていました。そのせいで、予想以上に楽しめました。島荘、さすがの安定感で安心して読めました。

『ドアX』 まさかと思ったら、そのまさかでした。滅多に使わないと思っていた島荘にとっての禁じ手が見られます。希少価値ありではないでしょうかね。面白いです。
序盤から、そんな完璧な女いないだろうと思いながら読み進めました、怪しい雰囲気は十分感じられるんですけど。意外な展開にやられます。

『首都高速の亡霊』 冒頭からいきなり手に汗握るような緊迫した場面です。その後、中盤はやや冗長ですが、お得意の社会派の側面をちらりと見せます。結局、偶然に次ぐ偶然に唖然とさせられますが、まあリアリティより小説としての面白さを優先させた形になっているわけですね。

『天国からの銃弾』 やはりこれが一番の出来です。無駄な描写が一切ないのはこの作者にしては意外と珍しいのではないでしょうか。ただ、真相に到達するまでの過程が端折って(思い浮かばなかったのか)あり、そこがやや不満ではありました。
しかし、ある条件下で風俗店の屋上にそびえ立つ自由の女神像の目が光る謎は、とても魅力的で、ストーリーを引っ張る牽引力となっていますね。ラストの畳み掛けるような展開もスピード感があり、主人公の老人がクールでカッコいいです。

No.6 7点 斎藤警部
(2017/10/15 12:04登録)
中篇力作x3

ドアX
冒頭は森村誠一風演説がセックス領域に入り込み過ぎたかの様な上等パロディの様相。その部分含み、等比級数でも放物線でもなく優しい比例直線でむずむず増殖してくれるイヤミス濃度。この、加速を抑えつけようとするかの島荘の優しさ表出には泣ける。こんだけごってり激烈粘着心理劇の末にまさかの大物理現象で〆る気なんじゃ、、と怖れていたら。。 7.2点

首都高速の亡霊
“それでは殺意を悟られる。。。””なんと敏感な奴だ。。””どちらかと言えば善人。。。” バカかこぃつわ バカか、こぃっ,, ちっともイヤにならなぃイヤミス+ドタバタ+豪快物理+偶然+複数視点+ちょィとした怪談風味。しかし最後の「誰も損をしなかった」は大嘘もいいとこ、というか、本作のプチ社会派サイド主題への当てこすりか。 6.8点

表題作
数学的興味が最強の悲しみを削ぎ溶かし続けるかのような、解決シーン滑り出しには何とも本格ミステリ独特の感動があり、泣けた。 謎も熱く、持続する。 日常の謎然としたオープニングからまさかの●●展開、更には盲点を衝く人物背景の暴露、と意外性に満ち満ちた本格興味炸裂の中篇大作。アクションシーンもあるぞ(笑)! 8.3点

通しテーマは「老人の逞しさ」かも知れん。

No.5 7点 yoneppi
(2010/10/30 21:38登録)
3編とも良作。あまり期待していなかった分、かなり満足。

No.4 7点 E-BANKER
(2010/09/12 21:19登録)
吉敷や御手洗といった御馴染みのキャラクターが全く登場しない短編集。
「謎解き」度は薄めですが、作者らしい独特の世界観、イズムが味わえる佳作でしょう。
①「ドアX」=途中までは訳が分からない展開ですが、ある登場人物の言葉で世界が一変。あと、女性のセックス観の話が妙に身に染みました・・・
②「首都高速の亡霊」=真相は島田流「偶然の連続」によるもの。高速道路と官僚の話は非常に腹立たしい限りです。
③「天国からの銃弾」=真相はあまりパッとしませんが・・・やっぱり発想が斬新。
全3編。
3編とも「東京」を舞台とし、それがストーリー上のスパイスとして効いてる感じ。(それも島田作品らしいところでしょう・・・)

No.3 5点 spam-musubi
(2010/06/09 13:33登録)
短編が3編。
さすがの筆力で引き込まれたが、いわゆる本格ミステリではないので、
このHPではこの点数。

表題作は、被害者やその家族も真っ当な人間とは言い難く、
感情移入がしづらかった。

No.2 7点 Tetchy
(2007/12/13 18:37登録)
『眩暈』の変調のような「ドアX」始め、佳作ぞろいの中編集。
「首都高速の亡霊」はタランティーノ映画を見ているかのように1つの事件について色んな関係者の立場から叙述するユニークな物語。
「天国からの銃弾」は最後に明かされる家族の秘密の暗さ(ちょっと納得いかない部分もあるが)。
読んで損はないよ。

No.1 10点 みゅう
(2002/02/15 02:14登録)
短編が3作収録されていますが、どれも面白くて
話に引き込まれます。
そして、読んだあとしみじみと感動する
あるいは、恐怖する
他にはあまり無い名作揃いの短編集だと思います。

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