| レッドキングさんの登録情報 | |
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| 平均点:5.31点 | 書評数:1112件 |
| No.352 | 7点 | 第三の銃弾<完全版> カーター・ディクスン |
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(2020/07/01 18:18登録) 「密室状態」の室内に射殺された被害者と銃弾を発射した容疑者の二人。だが、被害者を殺した弾丸は、容疑者が撃った銃Aの銃弾aでも、室内で発見された別の銃Bの銃弾bでもなく、第三の銃弾cであり、銃Cは室内のどこにも無かった。トリックテーマ以外の余剰部分を極力そぎ落とした無駄のない長編ミステリ。 おそろしく手の込んだ、無意味で非現実的な「密室のための密室」「トリックのためのトリック」・・・素晴らしい! |
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| No.351 | 4点 | 邪悪の家 アガサ・クリスティー |
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(2020/06/29 00:28登録) 探偵の現前で起きたヒロインの殺人未遂と人違い殺人。彼女には狙われるべき財産も、生じるべき感情的軋轢も乏しかった。探偵の丁寧な覚書付きフーダニットミステリ。容疑者はA~I、そこにJを加え、さらにKが・・ ※1932年頃の中産階級「淑女」にとって、コカインだの麻薬パーティーだのって、結構普通の「文化」だったのね。 |
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| No.350 | 3点 | 最後の女 エラリイ・クイーン |
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(2020/06/25 18:21登録) 撲殺された大富豪のダイイングメッセージは「ホーム」(あほらしいが個人的に大受けした。ホー〇!) 容疑者は三人の元妻・・歌手、女優、看護婦・・二人の美女と一人の地味女。莫大な遺産の遺書を巡る殺人と見せかけて、意外なフー・ホワイダニット真相の結末は・・。書かれたの1970年か。このテーマ、60年代以前のピューリタニズム米国では書けなかったろうな。 ※ところで、あのネタ、チャイコフスキーは有名だがベートーヴェンての初耳だぞ。 |
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| No.349 | 5点 | 帝王死す エラリイ・クイーン |
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(2020/06/23 18:54登録) なんと予告密室殺人。「密室」出すとポイント高いよ。二部屋の完璧な密室。一部屋には自称犯人と凶器の銃、別の部屋に撃たれた男と気絶した妻、いったい銃はどうやって移動し・・・でも種明かしには何の外連味もなく、「アメリカ銃の秘密」「孤島の鬼」の方がマシな位のレベルのトリックで・・・クイーンにカーを期待してもなあ。 |
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| No.348 | 6点 | 多々良島ふたたび ウルトラ怪獣アンソロジー アンソロジー(出版社編) |
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(2020/06/22 17:26登録) 「タタラじま!」「怪獣無法地帯!」 その二単語あるだけで満足 |
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| No.347 | 6点 | ホロー荘の殺人 アガサ・クリスティー |
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(2020/06/19 21:56登録) ハンサムで仕事もできる開業医。不器用で地味な妻と、魅力的な二人の・・才能ある美術家と有名女優の・・二人の「愛人」。読者の誰もが予想する通りに医者が射殺され、傍らには拳銃を手にして茫然自失の妻。人間関係トリックでなければ、キャラ一捻りトリック・・プロット上、一番疑わしい立場の人物を一旦裏に隠すアガサ・クリスティー常套のトリック・・だが、今回は他の容疑者達もそれぞれのキャラが奥深く反転される。 「絶望とは、冷たい孤独の中に自分を閉じ込めること・・」 「私、何処へ行けばいいんでしょう? 何をすればいいんでしょう?」「さあ、お帰りなさい。あなたは生きている人の所へ行くのです・・」 不覚にも「感動」してしまった。 |
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| No.346 | 4点 | 死が最後にやってくる アガサ・クリスティー |
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(2020/06/16 21:06登録) なんと四千年(400年でなく)昔の古代エジプトが舞台。そこまで昔むかし大昔なら、もうSFレベルの異次元コード設定もありだろうに、そこはアガサ・クリスティー、遺産相続も絡んだ家族連続殺人ミステリに仕上げてる。「被害者候補=憎まれ役」濃度の高い順に家族が殺されて行き、犯人は現代「古典」ミステリの極めて分かりやすい王道だった。 |
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| No.345 | 5点 | ロートケプシェン、こっちにおいで 相沢沙呼 |
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(2020/06/14 01:04登録) 女子高生マジシャンシリーズ第二弾。前作同様に「日常の謎」短編集が、最終話で長編ミステリに収束する。今回は各短編の頭に別人物の一人称叙述が連なり、当然、叙述トリックに備えたが、主語トリックに見事引っ掛かった。 読むに耐えないセンチメンタリズムの過剰さは、前作を大きく上回っているが・・・ |
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| No.344 | 5点 | 午前零時のサンドリヨン 相沢沙呼 |
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(2020/06/14 01:04登録) 女子高生マジシャンが探偵役の「日常の謎」短編集。第二話で「ん?青春説教もの?」と若干危惧させるが、第三話で苦い味わいに盛り返し、最終話で一本の長編ミステリへ収束する。ただ、あのワトスン役男子高校生のキャラは・・ま、目をつぶろうかな・・いくら未熟な少年とは言え、あんな感傷垂れ流しはちと耐えがたいのだが。 |
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| No.343 | 6点 | 愛と悔恨のカーニバル 打海文三 |
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(2020/06/10 06:15登録) 「アーバンリサーチ社」シリーズ第五弾。ヒロインの少女探偵が11歳の時に出会った初恋の美少年。再会は二人が19歳の時だった。極度に凄惨な猟奇殺人のハードボイルドバイオレンスにして、13歳違いの美しい姉弟の秘密を巡るホワイダニットミステリ。 「女は不安にかられて女になる・・赤いランドセル、スカート、可愛らしい下着。男も不安から男になる・・会議室で居酒屋でフットボール場で、男達は「肛門性交やりまくってる」、だが男が本当に望んでいるのは、お袋とやること、イヤ、お袋に犯されること・・・」 姉弟相姦の果てにあった究極のエロチシズムは、破滅的にして美味なる死への陶酔だった。 |
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| No.342 | 6点 | ロビンソンの家 打海文三 |
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(2020/06/10 06:11登録) 17歳の若者が、幼少期に自分を捨て自殺した母親を追想する青春ロマンにして、母親:「順子さん」の謎を巡るホワットダニットミステリ。かつて、若者の祖母が己の夢を満たすために建てた不思議の家「ロビンソン」。そこで出会った脱俗的な叔父と従姉との奇妙なひと夏の甘い生活。そして、一年後に明らかになる「事件」の真相。 羨ましいぐらいに脱俗的なのは良いが、登場人物全員の話す言葉の悉くが「詩的」「哲学的」かつ「ロジカル」で、ここまで会話レベルの抽象性を首尾一貫させてしまうと、小説的リアリティが犠牲を被らざるを得ない。 |
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| No.341 | 6点 | 虐殺器官 伊藤計劃 |
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(2020/06/06 15:47登録) 近未来SFにして、世界各地に凄惨な虐殺戦争を巻き起こす謎の人物ジョン・ポールのホワイダニットミステリ。自分の手は汚すことなく、地域一帯に殺戮を生じさせる人物へのフーダニット興味は早々と解消してしまい、一番肝心なハウダニットは信じられないような「大言壮語」で終わる。ミステリとしては致命的、SFとしても大いに物足りない。※本来3点・・・ただ、ジョン・ポールの「WHY」、大いに身に染みたので、大いに点数おまけ加算。 |
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| No.340 | 5点 | ハンニバル トマス・ハリス |
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(2020/06/01 18:42登録) ドクターレクター・・・深夜の古城で、瞳に赤い妖光を光らせ、バッハ変奏曲を古楽器で演奏する、優雅で高貴で超俗の食人鬼。愛するものは高級酒と豪華な珍味、かぐわしき香りにFBI捜査官クラリス・スターリング・・・人間離れした悪魔レクターを主人公にしたサスペンスロマン。だが、その悪魔もまた、痛ましき幼少期トラウマを引きずった、文学=精神分析上の対象・・すなわちホワイダニットミステリの対象である「人間」だった。殴り殺したくなる位の憎まれ役のFBI幹部に対する、レクターとクラリスの「処刑」場面がすばら・・もとい、すさまじい。 |
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| No.339 | 7点 | しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 泡坂妻夫 |
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(2020/05/24 20:44登録) 「イニシエーションラブ」も、「え? おおお!」だったが、これも話が終わって・・それ自体では3~4点かな・・頁を戻して、「え?・・うわあ!」だった。 こんな驚嘆すべき作業にも、これぽっちのオマケ点数加算で済まされてしまう作家に心底敬意を捧げたい。 |
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| No.338 | 6点 | フロスト気質 R・D・ウィングフィールド |
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(2020/05/24 08:06登録) 勘と見込み捜査の警部フロストシリーズ第四弾。回を重ねるごとに頁数が増え、少年誘拐事件に連続幼児刺傷事件、少女誘拐強盗事件や連続窃盗事件も重なり、さらに余計な腐乱殺害死体まで出て来る多重エピソード並列が実に手際よく展開する。最後には冷静狡猾なボスキャラ・・小モリアーティの様な・・ボスキャラも出てきて、ただただ勘の人フロストとの虚々実々対決がサスペンスレベルに盛り上がる。憎まれ役の上司マレット・・責任は部下に押付け功績は自分で頂戴する・・署長マレットとの掛合い漫才はそろそろパターンが見えて来たかな、相変わらず面白いんだけどね。 |
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| No.337 | 5点 | 夜のフロスト R・D・ウィングフィールド |
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(2020/05/14 18:28登録) フロスト警部シリーズ第三弾。証拠など二の次、勘と見込み捜査の汚れ警部。単に風体言動が汚いだけでなく、容疑者への証拠偽造まで行う汚れよう。なのに的は大きく外さない。出世欲と見栄に凝り固まった上司や部下(シリーズ三代目相棒)とのやり取りが何より面白く・・もはや吉本新喜劇超えてドリフ大爆笑の世界・・メインストーリーの連続老婆切り裂き殺人事件や15歳少女殺害事件等の解決より魅力的なくらいだ。証拠を捏造して容疑者に口を割らせる公僕とか少女殺害犯人とか・・普通は完全に悪玉だろうに・・を奥行きある人物として描く手腕に脱帽。ミステリとしてのレベル考えると、おまけしてもこの点数だが、警察小説としてはディーヴァー、エルロイよりも面白い。 |
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| No.336 | 6点 | 宵待草夜情 連城三紀彦 |
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(2020/05/08 17:20登録) ・「能師の妻」 加被虐性愛とバラバラ殺人の斬新なホワイダニット。ハウ・フーの謎もほしかった。5点 ・「野辺の露」 哀しくも慎ましい慕情譚から陰惨で恐ろしい復讐譚への反転。4点 ・「宵待草夜情」 カフェ女給・病身画家・「宵待草」・・大正浪漫溢れる叙情画から犯罪暗黒画への反転か・・と思わせて、別の哀しい情景画への騙し絵的変換。7点 ・「花虐の賦」 支配被支配の倒錯愛絵巻が真逆の物語絵巻へ反転・・と見せかけてさらに別の陰画へ再反転。7点 ・「未完の盛装」 殺人の時効サスペンス劇がトリッキーな逆転劇へと収束・・と思わせて、全舞台の女の情念劇へのどんでん返し。8点 で、平均して、(5+4+7+7+8)÷5=6.2点 |
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| No.335 | 6点 | 夜よ鼠たちのために 連城三紀彦 |
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(2020/05/04 11:25登録) ・「二つの顔」 自宅で妻を殺して庭に埋めた男、警察から「奥さんがホテルで殺されている」と電話が・・5点 ・「過去からの声」 玉突き(ひき)二重誘拐事件。4点 ・「化石の鍵」 男女と娘のメルヘンのホワイダニットと、鍵のトリックを巡るハウ(ちとせせこましいが)フーダニットの錯綜。7点 ・「奇妙な依頼」 夫婦双方から浮気調査依頼を受ける羽目になる二重探偵の顛末。「赤毛連盟」発展型てとこか。7点 ・「夜よ鼠たちのために」 名作ハードボイルドの様な実にカッコいい標題。が、中身はイマイチ叙述トリック。4点 ・「二重生活」 妻と夫と愛人、愛人と男と妻、夫と妻と男、男と愛人と夫・・4人の男女の四重三角関係の叙述トリックかつ転倒犯罪。8点 で、平均とって、(5+4+7+7+4+8)÷6=5.83333・・・四捨五入して、6点 |
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| No.334 | 6点 | フロスト日和 R・D・ウィングフィールド |
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(2020/04/27 07:00登録) 小便排水溝を塞ぐヤク中浮浪者の死体、汚水の溜まった半地下の公衆便所。スラックスと靴で汚水に踏み込む我らがヒーロー、ジャック・フロスト。手を汚す仕事に相応しく、下品でうす汚いフロスト警部シリーズ第二弾。「証拠と科学分析」のジェフリー・ディーヴァーのライムとは対極にいる、「勘と見込み」の前近代的な探偵警部の物語。多重エピソード展開が前作以上に広がり、相変わらず爆笑を誘うが、物語が膨らんだ分、緊張感は薄れたかな。 |
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| No.333 | 7点 | クリスマスのフロスト R・D・ウィングフィールド |
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(2020/04/26 08:14登録) 薄汚くかつ下品・・それも署長秘書に浣腸くらわしたり、たん壺の中味を飲んだ奴のエピソードを食事中に披露する程の半端ないレベルの・・下品な中年警部が主人公。警察長の甥の青年巡査を引き連れて、若き娼婦の8歳になる娘の行方不明事件を追ううちに、数十年前の銀行強殺事件に行き当たり、森に棲む魔女の様な霊媒師や怪しげな聖公会司祭もからみ、ホワイトクリスマスに向かってドタバタと事件が収束して行く。シナリオライター上がりの作者による、巧みな多重エピソード展開で、数頁に一度の割合で爆笑させられ、たまにシンミリさせられ、それでいてわざとらしい偽善に陥ることなく、シビアな人間性現実から目をそむけない、実に見事なる「警察小説」。ミステリとしての要素はたいしたことないけれども、大いにオマケ付けちゃいたくなる。 |
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