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ミステリの祭典

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ブルー・ベル
私立探偵バーク

作家 アンドリュー・ヴァクス
出版日1990年05月
平均点6.75点
書評数4人

No.4 7点 ROM大臣
(2022/06/16 14:41登録)
ベルは近親相姦で生まれた子供だが、バークと知り合い彼に自分と近い匂いを感じ取って親近感を抱く。やがてなくてはならない存在になった二人に悲劇的な別れが。
アウトローの世界に生きて死ぬと思い定め、バークにすべてを投げ打つ覚悟で愛を傾けるベルのキャラクターが出色。クライマックスは万感胸に迫り、落涙を禁じ得ない。

No.3 5点 レッドキング
(2019/02/23 17:10登録)
ローレンス・ブロックの痛いアル中探偵よりは、グッと楽しい生活を持った主人公にホッとする。彼の仲間達と巨大雌犬ペットがまた実によい。これシリーズ物のアニメかドラマにできるんじゃないか。
ところでこの作家、妙に「小児性愛」への憎悪にこだわっているね。なんかあったのかな。

No.2 7点
(2012/08/18 12:11登録)
ヴァクスの代表作と言われる作品なので、期待して読み始め、確かにアウトロー世界の迫力は充分なのですが、うーん。
第1作のフラッド(本作でも回想されています)はバークの依頼人であったわけですが、本作のベルは、バークに事件依頼の連絡はしてくるものの、本来の依頼人に頼まれて電話をかけただけです。それがきっかけでバークと知り合い、関係を深めていくことになります。一方にバークとベルのラブ・ストーリーがあり、もう一方に「幽霊ヴァン」と呼ばれる娼婦連続殺人事件がある、という並行構造になっているわけで、そこが今ひとつのめり込めなかった理由でしょう。
ベルや、バークの仲間たちについての描写が多く、事件そのものはごく単純というところは『フラッド』と同じです。訳者あとがきでも書かれている少年少女に対する虐待のテーマは、本作では中心となる事件よりもベルの過去に強く表れています。

No.1 8点 kanamori
(2010/04/11 22:02登録)
「このミス」91年度版の海外部門ベスト3には三つの花が咲いた。
「薔薇の名前」「ブラック・ダリア」に挟まれて第2位に入ったこの作品は、無免許の私立探偵バークとそのファミリーを主人公としたバイオレンス・ハードボイルドの第3作で、著者の代表作です。
シリーズいずれの作品も印象に残る女性が登場しますが、今回の依頼人はストリッパーのブルー・ベル。
少女売春婦を狙う幽霊ヴァンを追って壮絶な戦いが繰り広げられ、それも読みどころに間違いありませんが、悲惨な過去と無垢で純情なブルー・ベルの造形がすばらしく、それゆえにあまりにも哀切なラストシーンが感涙ものでした。まさに名作です。

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