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ミステリの祭典

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MS1960さんの登録情報
平均点:6.68点 書評数:37件

プロフィール| 書評

No.17 7点 奇面館の殺人
綾辻行人
(2017/03/04 19:10登録)
さすがだなあ、というのが感想です。着想、ストーリ、雰囲気、伏線、トリックなど、高い水準の作品です。「人の入れ替えと見せかけて・・」ということなのですが、「人の入れ替え」という流れで凝った作品を作って頂きたくもあったかなあというのも感想です。


No.16 6点 仮面舞踏会 伊集院大介の帰還
栗本薫
(2017/02/10 19:10登録)
小説としてはとても面白かった。但し、本格新本格というジャンルではないのかなと思った。


No.15 5点 白馬山荘殺人事件
東野圭吾
(2016/12/19 18:32登録)
凝った作品で舞台設定もまあまあなんだけど、暗号のトリックも密室のトリックも「へー」という感じで驚きがなかった。最後の英国人婦人との関わりの部分も良く分からなかった。ですけど、楽しめなかったかというと、まあ楽しめた、といった印象です。


No.14 4点 冤罪者
折原一
(2016/12/06 12:12登録)
結末の意外性はあったものの、うーーん。いまいちかな。まず、登場人物が多過ぎ。これだと誰が犯人でもあり得た訳であり論理性不足。それから中盤の中だるみ・・など。


No.13 6点 回廊亭の殺人
東野圭吾
(2016/11/16 10:25登録)
≪ネタバレあり≫事件の構図を根底から覆す結末部分はなかなかのもの。復讐の対象が●●ではなく実は正反対?の▲▲であったという事実。▲▲に対する文中の叙述表現の巧みさ(例:「綺麗な人・・」)。但し、冒頭の出火事件の部分は主人公と▲▲との絡みがなく不自然さはぬぐえない。読んでいて状況がイメージできなかったのはマイナスポイント。しかし、総合的にみるとこの点数はあって良いと思う。


No.12 10点 白夜行
東野圭吾
(2016/08/06 17:36登録)
途中でほぼ事件の全体構造や主要人物二人の関係性が見え、結末的にも、いわゆるどんでん返し(意外な犯人、意外なトリック)といったものはない。にもかかわらず、中盤以降、読み進めれば読み進めるほど「更に読み進めたい」と思わせる魅力を持つ作品。ラストで少女がサンタクロースから切りえのトナカイをもらったことを話す部分では鳥肌がたってしまった。間違いなく、傑作。ササヅカ元刑事がいい味を出している。


No.11 8点 卍の殺人
今邑彩
(2016/07/16 23:04登録)
謎めいた館を舞台とした本格としての雰囲気作り、坂口安吾のあの小説に倣った人間模様、位置・方向を錯誤させるトリック、様々な制約条件がある本格としてのフレームワークの中で、ここまで小説としての完成度を高めたことは、この点数に値するのではないでしょうか。


No.10 4点 ピタゴラスの時刻表
吉村達也
(2016/07/06 08:31登録)
前半で大いに期待させる謎を提示しているのですが、結末はその期待に適っていない作品かな。そもそもこんな方法で殺人を犯すかな?


No.9 9点 星降り山荘の殺人
倉知淳
(2016/06/30 09:34登録)
純粋に面白かったし、騙されました。犯人を特定する論理的考察(犯人から、及び探偵から)の部分は正直弱い。必然性が薄い感じがしました。しかし、遠い昔味わった「私=犯人」「探偵=犯人」の衝撃を更に一ひねりした騙しのテクニックは秀逸。テレビ局の廊下でぶつかった、ってことがそういう意味だったのね・・と感心してしまいました。


No.8 7点 トリック狂殺人事件
吉村達也
(2016/06/23 09:54登録)
【ネタバレアリ】なぜ刑事が呼ばれたのか、という理由はなるほど、と思いました。犯人の意外性や緊迫感のある雰囲気、ストーリー展開を考えるとこの点数はつけて良いのでは・・。ただ、トリック卿が協力者含めて実質3人だったというのは、どうかなあ・・。


No.7 9点 黒い白鳥
鮎川哲也
(2016/06/08 21:08登録)
【ネタばれあり】小説として奥の深い作品。時刻表のトリックや血痕の流れの意味するところ、替え玉と見せかけて・・・という部分も秀逸ではあるが、やはり、最大の見せ場は、一枚の写真に写っていた顔のない写真から、犯人の生い立ちや経歴を追及していくところでしょうか。それがあるから、最後のデパートの屋上でのエンディングがこの上ない余韻を残すのでしょう。他の鮎川作品と少し趣が違う傑作です。


No.6 8点 風の証言
鮎川哲也
(2016/06/05 11:57登録)
地味な作風ですが、凝りに凝った作品。頭の中を整理しないと訳が分からなくなる。一枚の写真でこれだけの論点がつくれるというのは驚き。


No.5 9点 放浪探偵と七つの殺人
歌野晶午
(2016/06/04 22:26登録)
同時代を下宿生活した身としては、「ドア⇔ドア」が一番面白かった。途中で「もしかしたら・・」と思ったことが、最後に「・・やっぱりそうだった」というのが、本格推理を読む上で一番わくわくしますね。本作の場合、「●●のお知らせ」・・ですが。


No.4 9点 仮面山荘殺人事件
東野圭吾
(2016/05/28 22:13登録)
途中で先の展開がある程度予想できますが(その点で-1点)、それでも、オリジナリティの髙い完成した作品といえます。「何も足さない、何も引かない」という昔のウイスキーの宣伝をほうふつとさせる作品です。類似の「ある閉ざされた・・」よりこちらの方が上かな。


No.3 8点 倒錯の帰結
折原一
(2016/05/28 21:58登録)
辻褄とか論理性はさておいて、面白かった。首吊り島は本格推理小説として十分魅力的。この作者ならではの世界だなあ。文章が平易で物語の展開で軽快でGOOD!


No.2 7点 生首に聞いてみろ
法月綸太郎
(2016/05/28 21:49登録)
中身が詰まった重量感のある作品といったイメージです。ただ、各章の表題に意味不明にキングクリムゾンの曲名がつけられていたり、本文中で例えば腕時計といえば良いところをリストウォッチと表現するなど、よく言えば凝った、悪く言えばナルシスティックな印象を読者に与えます。中身が良いだけに、もっと誰でもわかる平易な表現をすればよいのに。その点が惜しい。


No.1 8点 容疑者Xの献身
東野圭吾
(2016/05/28 19:09登録)
「◎◎違い」「▲▲違い」という2つのミスリードは恥ずかしながら最後まで気づきませんでした・・。難点をあげれば石神が女性を一目見ただけで好きになったという部分が人物の特性上恋愛の動機としてはやや弱いこと、中盤部分で登場人物の誰が事件に関する情報で何を知っていて、何を知っていないの、という部分の整理が煩雑なこと、石神が●●を犯すということへの違和感、でしょうか。でも、推理小説として十分に楽しめる作品です。

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