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ミステリの祭典

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初老人さんの登録情報
平均点:6.80点 書評数:130件

プロフィール| 書評

No.30 6点 陰摩羅鬼の瑕
京極夏彦
(2014/05/07 21:46登録)
世間的には評価が低い(中には酷評と言ってもいい意見も散見される) ようだが、個人的には結構気に入っている一冊。
とはいえ犯人像や犯行の動機があまりにも察しやすいので、本格的な謎解きを求めているファンの中には物足りない、と感じる方もいるかもしれない。


No.29 7点 黒いモスクワ
今野敏
(2014/05/06 20:51登録)
(多少ネタバレ)
STシリーズ第3弾。今回は情報交換のため赴いたモスクワでロシアマフィアのボスが爆死した奇妙な事件を捜査する事になる。
爆発の原因となった事象は今ではテレビドラマでも使われているぐらいありふれたものだが、今回は犯人を一人に断定するのに百合根が一役買っているのが良かった。シリーズの中では比較的クオリティーの高い一冊。


No.28 5点 ST警視庁科学特捜班
今野敏
(2014/05/04 16:16登録)
(ネタバレ注意)
この作品に出てくるメイントリックに関しては、某有名作家の長編小説に同じものがあるので、オリジナリティといった点では評価が下がる。
やはり純粋にキャラクター小説として楽しむべき一篇なのだろう。


No.27 6点 プラスティック
井上夢人
(2014/05/03 16:17登録)
(ネタバレあり)途中様々な人物の視点が入り乱れ、混乱を極めていく中、この事態にどう収拾をつけるつもりなのかと期待しながら読み進めたが、設定自体はありがちなもので多少がっかりした。ただ、まさか傍観者まで、とは想像出来なかったのでその点はプラス。最後のファイルの○○が何とも言えない余韻を感じさせる。


No.26 7点 そして扉が閉ざされた
岡嶋二人
(2014/05/02 13:19登録)
この作品の価値は何といっても発表当時としては画期的な新たな犯人像の提示、といったところにあるのだと思う。文庫で三〇〇ぺージ強の長さでしかも文章が読みやすいので、万人にオススメ出来る作品。


No.25 6点 追撃の森
ジェフリー・ディーヴァー
(2014/04/30 23:04登録)
(多少ネタバレ)女性保安官補ブリンと被害者であるフェルドマン夫妻の友人という女性、ハートとルイスの殺し屋二人組の追いつ追われつの命懸けの鬼ごっこを描いた作品。犯人については序盤に不自然な点に気付き中盤から終盤にかけて確信へと変わったが、時間がかかった。それと五月の章では犯行の動機が明かされるが、少々退屈で冗長な感じは否めない。


No.24 5点 プラチナデータ
東野圭吾
(2014/04/30 00:35登録)
(ネタバレあります)全国民のDNAデータをデータベース化して冤罪を0の社会にしていく、実際は不可能でもその未来像を描き出している点は評価する。しかし肝心のプラチナデータとそれを抽出するモーグルの謎に全く魅力を感じる事が出来ず、後は蓼科兄妹を殺害したのは誰なのか、という興味のみで読み進めた。その黒幕にしても犯行のカモフラージュの仕方がとても科学者のものとは思えない稚拙さで落胆した。しかし値段分は楽しめたのでこの点数。


No.23 6点 メドゥサ、鏡をごらん
井上夢人
(2014/04/29 00:51登録)
(ネタバレあります)作家・藤井陽造が奇怪な死を遂げた。藤井の娘とその婚約者は藤井の死の謎を解こうとするが、彼らの周りでも奇妙な出来事が頻発し…やがてメドゥサと呼ばれた一人の少女の凄絶な死にたどり着く…といった内容。ラストで婚約者が藤井陽造と同化していき、全てにけりをつける為、瓶の中に入れるメッセージは違ったものの藤井陽造と全く同じ死に方を選んだというのは、破綻しかかった物語を閉じる苦肉の策だったように思える。


No.22 8点 乱れからくり
泡坂妻夫
(2014/04/27 20:08登録)
(ネタバレあります) 本書には殺人トリックが四つ出てくるが、その中でも透一殺害と鉄馬殺害のトリックは流石の出来。からくりが本人がいなくても成立する性質のものである事から○○による殺人である事の見当はついたものの、それなら作蔵や作蔵の子にも可能ではないかと考えてしまい、犯人特定に時間がかかったのは良い思い出。


No.21 6点 奇面館の殺人
綾辻行人
(2014/04/26 16:17登録)
(ネタバレあります) 首と指が切断された理由、全員に仮面を被らせた理由など至極 納得のいくものだった。普通仮面を被った登場人物が出てくると仮面の下には別の顔が、と想像してしまいがちだが、 もっと身近なところにミステリ的な仕掛けがしてあった事に素直に驚かされた。ただ他の方も言っておられるように、犯人を特定するロジックが脆弱に過ぎるように思う。


No.20 7点 早春の少年 伊集院大介の誕生
栗本薫
(2014/04/25 01:06登録)
伊集院大介の探偵としての覚醒に立ち会える。これは伊集院ファンにしてみれば垂涎の一冊と言えるのではないだろうか この作品内での伊集院はまだ14歳だが、既に大人をも凌駕する洞察力を持ち合わせている。
そんな伊集院が最初に手掛ける事件は、動物の虐待死、バラバラ死体、一家六人惨殺事件と 次第にエスカレートする同一犯による凶行。伊集院が親友の及川とともにたどり着いた事件の驚愕の真相とは。ぜひ実際に読んで確かめてみる事をオススメします。


No.19 3点 覇王の死
二階堂黎人
(2014/04/24 22:13登録)
副題に二階堂蘭子の帰還、とあり読む前から非常に期待が高まったのだが…残念ながらその期待に沿う出来では無かった。


No.18 3点 少女Aの殺人
今邑彩
(2014/04/23 20:41登録)
この作品の肝は、章の合間に挟まれる少女の物語で義理の父親を殺したのは一体誰か?という点に尽きる。その仕掛けが分かってしまうと後は文字を追って確認するだけの作業に終わる、という残念な作品。


No.17 7点 髑髏島の惨劇
マイケル・スレイド
(2014/04/22 23:22登録)
よくスレイド作品は殺人の方法がエグい、と言われるが数多くのミステリを読んで耐性がついてしまったのか、この作品に関してそれほどの気色悪さといったものは感じなかった(とはいえ雪隠殺の章を読む前にはそれなりの心の準備が必要かもしれない)。犯人も想定外の人物であり、かなりのサプライズ感があった。


No.16 4点 聖女の塔
篠田真由美
(2014/04/22 09:14登録)
これは何と言うか…ミステリとしては明後日の方向に向かっていると言わざるを得ない。過去作からの登場人物が多く再登場し、しかもかなり重要な役割を担っているので、初めての人であれば戸惑いを覚える事は間違いない。そしてラスト近くでの甘ったるい会話の応酬…読んでいて馬鹿らしくなった。さらに最後の黒幕の登場の仕方が金田一少年の高遠のそれとそっくり。


No.15 7点 人形村の殺人
篠田秀幸
(2014/04/21 01:08登録)
この作品の特徴としては、過去に起きた冤罪の可能性がある事件に違った角度から光を当て、再検証するといった所にあると思うのですが、どうも自分は余り出来の良い読者ではないらしく、二問ある作者からの犯人当ての挑戦と雪密室の解明にばかり目がいってしまい、そういう意味ではとても楽しめた作品でした。


No.14 4点 タイムカプセル
椙本孝思
(2014/04/19 19:12登録)
15年前に埋められたタイムカプセルを掘り返そうとすると、何者かによって開けられた跡があった。その後クラスメイト達が次々と謎の死を遂げていき…というストーリー。 犯人も15年前に起きた強盗殺人事件で盗まれたお金の隠し場 所もかなり分かり易い作品ですが、値段分の価値は十分にあります。


No.13 7点 幽霊花~『弟切草』異聞~
長坂秀佳
(2014/04/19 16:13登録)
弟切草と彼岸花の登場人物がコラボしたこれまでのシリーズの集大成的な作品だが、今までの作品を読んでいない人であっても充分楽しめる内容になっている。(ここから多少ネタバレ)冒頭に著者から読者へ犯人当ての挑戦状が付いているが、登場人物紹介の一覧に共犯者の名前が無いことが気になった。


No.12 5点 暗黒星
江戸川乱歩
(2014/04/18 16:33登録)
(ネタバレするかもしれません) この小説に出てくる犯人は、ありとあらゆる手を使って読者と探偵を煙に巻こうとするが、自身の行動の一つ一つがヒントとなり、最終的には探偵に敗れてしまう。探偵が駄目押しの一手として用意していた犯人の出自には惹き付けられるものがあった。


No.11 7点 グリーン家殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン
(2014/04/18 05:45登録)
僧正殺人事件と比べると、やはり数段落ちるといった印象。それでも当時は作品全体を覆う暗く陰鬱な雰囲気に浸る事が出来、意外な犯人に驚かされもした。只使われている足跡トリックやアリバイトリックが、借り物で二番煎じな感は否めない。

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