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ミステリの祭典

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覇王の死
二階堂蘭子の帰還

作家 二階堂黎人
出版日2012年02月
平均点4.50点
書評数4人

No.4 5点 レッドキング
(2022/09/27 20:02登録)
二階堂蘭子シリーズ第九弾。かつvs魔王ラビリンス最終編
    首くくり密室に、1点。(3点満点で採点) 
    少女射殺密室に、2.5点。(新機軸ありとの自賛付き)
    人間はやにえトリック(なんちゅう島荘)は、0点。
    村ごとホラー幻覚ネタ明かしに、1点。(狂犬病こええ)
で、4.5点だが、ラビリンス編決着で、0.5点オマケ付けちゃう。双面獣と女ラビリンス、もっと見たかったなあ・・

No.3 5点 E-BANKER
(2017/02/19 21:30登録)
「悪魔のラビリンス」⇒「魔術王事件」⇒「双面獣事件」と続いてきた“ラビリンス”サーガもついに最終章に突入。
稀代の名探偵・二階堂蘭子シリーズも佳境を迎えてきた!
2012年発表の大作。

~能登半島の最北部にある真塊谷(まかいだに)村を支配する邑知家(おうちけ)。「日本書紀」にも登場するほど古い豪族の末裔とも言われる名家の当主・邑知大輔は、戦時中は軍部に影響力を持っていた大富豪。この家を乗っ取ろうという謎の弁護士の悪巧みによって、ひ孫の花婿候補に仕立てられた青年・青木俊治は途轍もない惨劇に巻き込まれることに・・・。ラビリンスとの最後の戦いに二階堂蘭子が挑む!~

これは・・・「人狼城の恐怖」の劣化版だな、というのが読んでいる最中の感想。
あるクローズド・サークルを舞台に、人智を超え、この世のものと思えない大量殺戮が起こる。そして、命からがら逃げてきた青年から語られるとても信じられない経験の数々・・・。そして、ありえないような謎のすべてを快刀乱麻のごとく解き明かす二階堂蘭子・・・
というわけで、もう完全に「人狼城」(特にドイツ編)の焼き直し、という印象。

ただ、「人狼城」の場合には荒唐無稽で大技にしろ、納得出来るだけのロジック&トリックだった。
翻って本作はというと・・・これはもうファンタジーというか、もう「こじつけ」のオンパレード。
特に酷いのが、ニューホーリー村の怪異のくだり。
これを全て○○で片付けられたのには、さすがに「いい加減にしろよ!」って思うよなぁ。
密室トリックも相当苦しい。もう完全にネタ切れなのかと考えずにはいられない。
そして作者十八番の事件の二重構造(裏はこういうことでした、っていうヤツ)も、スケールダウンが甚だしい。

いやはや、「人狼城」のあのスケール感、驚天動地&怒涛のように押し寄せるトリック、作者のミステリーへの熱量はどうしたんだろうか?
文庫版解説の安萬氏も困っているぞ!(誉め方に)
ここまで辛口で書くのも、期待の大きさの表れなんだけどなぁー
「吸血の家」も「悪霊の館」も大好きな作品だし、島田荘司の後継者は二階堂しかいないとさえ思っていたのだが・・・
お願いだから覚醒してくれ、と言いたいけど、早熟だったのかな。
作家ってツライ職業だね。

No.2 5点 名探偵ジャパン
(2015/06/21 22:36登録)
名探偵二階堂蘭子と、魔王ラビリンス、ついに最終決戦!
本来なら否応なく盛り上がるべきところだが、「双面獣事件」でやらかしてしまっているため、「もう何でもありでしょ」と、読む方はちょっと冷ややか。
村で起こる数々の怪異の真相も、「まあ、そうだよね」と納得はするが驚きはしない。これだけ怪病、怪現象の存在を調べた作者の労力に頭が下がる。
うーん、色々と語ろうかと思っていたのに、全然言葉が出てこない。「双面獣事件」の爪痕は想像以上に深かったのかと再認識した。
あれをやられた後に、「名探偵と大犯罪者の最終決戦」と言われても、何をやってもハッタリにしかならない。竜頭蛇尾な終わり方だが、これ以外の落としどころはなくなってしまったのだろう。
もういっその事、蘭子もスーパーヒーローに変身して、双面獣やラビリンスと超能力バトルで決着をつけてくれたほうが楽しめたかも。

No.1 3点 初老人
(2014/04/24 22:13登録)
副題に二階堂蘭子の帰還、とあり読む前から非常に期待が高まったのだが…残念ながらその期待に沿う出来では無かった。

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