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ミステリの祭典

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髑髏島の惨劇
カナダ連邦騎馬警察・スペシャルX

作家 マイケル・スレイド
出版日2002年10月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 6点 アイス・コーヒー
(2014/06/06 19:07登録)
英題の「Ripper」にもある通り、本作のテーマは切り裂きジャックと悪魔信仰。謎の連続殺人鬼〈スカル&クロスボーン〉を追うカナダ騎馬警察の特別対外課「スペシャルX」はこの二つに翻弄されていく…。
ホラー・サスペンスを中心に本格ミステリと警察小説、ペダンチズムなどを織り交ぜた構造になっている。700ページを超える分量はかなりの重みがあった。特にかなりの量の薀蓄は興味深いもので、作中で提示される「切り裂きジャック」の真相も面白かった。
ただ、スケールの大きさに対して作品の完成度が低く、極めてアンバランスだ。ラストには中々面白いトリックも明かされるが、不発気味。あくまで、メインはホラーであり本格としては薄め。(あそこまで何人も殺されると、結果的にそれぞれの殺人は詳しく扱われなくなってしまう。)
肝心の髑髏島が登場するのも遅く(これは邦題の付け方の問題)、読後感も良いとはいえなかったが著者のミステリに対する意欲を感じたことは確かだ。

No.2 7点 初老人
(2014/04/22 23:22登録)
よくスレイド作品は殺人の方法がエグい、と言われるが数多くのミステリを読んで耐性がついてしまったのか、この作品に関してそれほどの気色悪さといったものは感じなかった(とはいえ雪隠殺の章を読む前にはそれなりの心の準備が必要かもしれない)。犯人も想定外の人物であり、かなりのサプライズ感があった。

No.1 6点 kanamori
(2010/06/20 15:23登録)
カナダ騎馬警察”スペシャルX”シリーズの第4弾。
警察小説+スプラッタ・ホラーに、今回は孤島での推理ゲームがらみの館ミステリの要素が加わった怒涛の展開になっています。
密室講義や殺人機械などの本格ミステリ趣向はチープ感漂い、真犯人もバレバレなのでフーダニットとしてはイマイチですが、ごった煮のB級サイコミステリとして面白く読めました。

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