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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1696件

プロフィール| 書評

No.376 8点 ビッグ・ボウの殺人
イズレイル・ザングウィル
(2013/02/16 22:32登録)
密室(心理的トリック)の元祖とのことで拝読。単純明快さという点で「黄色い部屋の謎」よりも上位に位置付けたいですね。密室の評価よりも、動機と犯人の独白に至る経緯が秀逸であると思いました。犯人にとって、喜劇でもあり悲劇でもあったというところです・・・。


No.375 5点 高山殺人行1/2の女
島田荘司
(2013/02/16 12:07登録)
(タイトル・女⑯)スピード感もあり、一気読みできました。著者の車に対する愛着が感じられる一冊でした。サスペンスものなので、真相云々はさておき、エピローグと題名がミソなのでしょう。


No.374 4点 奇跡の男
泡坂妻夫
(2013/02/15 22:01登録)
(タイトル・男⑦)短編5編です。表題作の発想は面白いと思いますが、全体に感心するものはありませんでした。


No.373 6点 死ぬほどいい女
ジム・トンプスン
(2013/02/15 10:38登録)
(タイトル・女⑮)幽閉された、ちょっといい女・モナに出会った訪問販売員のドリー。彼の独白で物語は進み、登場人物は6人です。犯罪に手を染めていく様子や精神が崩れていく過程ががノンストップで描かれていて、一気読みできました。


No.372 4点 死化粧の女
福田洋
(2013/02/14 17:57登録)
(タイトル・女⑬)裏表紙より「独り暮らしの老婆が扼殺され、金が盗まれた。資産家の老人が自殺し、その死の直前に銀行預金が引き出されていた。女探偵・夏川和香は、事件に挑む。共通項は、姿を消したお手伝いの女。追跡の果て、女はかつて岡山で起きた一家5人殺しの犯人の妻に酷似していた」背景にあるのは冤罪なのですが、あまり心に響いてきませんでした。犯人はわかりきっているので、犯人側からの視点で物語を構成した方が、インパクトがあったような気がします。


No.371 6点 101号室の女
折原一
(2013/02/08 14:44登録)
(タイトル・女⑭)氏の作品には「叙述トリック」があることが前提となっていると思います。従って、叙述の善し悪しで「どんでん返し度」が決まる場合もあると思いますが、やはり、いかにサスペンスフルな物語であるかで評価したいと思います。お気に入りは「101号室の女」「網走まで・・・」そして「殺人計画」(叙述というよりブラックユーモアです)の3作品。


No.370 7点 孤島の鬼
江戸川乱歩
(2013/02/07 12:36登録)
東西ミステリーベスト100の27位(1985年版37位)著者のランクイン4作品のうち、本作のみランクアップ。密室殺人、暗号の謎、同性愛、○○男の登場、宝探し、そして強烈な狂気をもった真犯人と盛り沢山の小説。ミステリー部分は前半だけで、やや物足りなさを感じますが・・・。後半は、乱歩独自の世界が描かれている通俗小説的な趣となっていました。もう現在ではこのような作品(真犯人の意図等)は、なかなか書けない時代となっているのではないでしょうか。その意味で、価値ある作品であると思います。


No.369 8点 陰獣
江戸川乱歩
(2013/02/05 15:30登録)
東西ミステリーベスト100の35位(1985年版14位)。私(探偵小説家~探偵形)と大江春泥(同~犯罪形)の対立構造をうまく料理していると思います。この時代では、かなり凝ったトリックとなるのでしょう。陰鬱で艶めかしい雰囲気も良く出ているし、ラストの余韻もよいと思います。


No.368 6点 パノラマ島奇談
江戸川乱歩
(2013/02/05 15:29登録)
東西ミステリーベスト100の87位(1985年版37位)倒叙ものですが、ミステリーというより幻想小説になるのでしょう。パノラマ島の描写が長いのですが、シュールな感じで、結構楽しめました。海中トンネルなどは、八景島シーパラダイスなどの先駆けになっていると思います。


No.367 6点 心理試験
江戸川乱歩
(2013/02/05 15:28登録)
東西ミステリーベスト(1985年版25位)、2012版ではランク外となる。短編の宿命でしょうか?内容的には好みのものでしたが。


No.366 5点 D坂の殺人事件
江戸川乱歩
(2013/02/05 15:27登録)
動機については、当時としては秀逸だと思います。タブー?、衝撃的な内容?だったのかもしれません。ただ残念なのは、殺害に至る状況(自白)が省略されていることです。物音は立っていない、、着物の乱れもない、そして絞殺体がある。果たしてどのような状況でこうなったのでしょう?


No.365 5点 二銭銅貨
江戸川乱歩
(2013/02/05 15:27登録)
東西ミステリーベスト100の24位(1985年版13位)と高評価ですが、それは歴史的意義での評価も多分にあるような気がします。現在のミステリー諸作品と比べてしまうと、どうなんだろう?と、どうしても思ってしまい、高評価を付けづらい作品でした。


No.364 7点 黄色い部屋の謎
ガストン・ルルー
(2013/01/30 21:00登録)
物理的密室は、あまり好みではありませんが、この手の心理的密室は楽しめることができました。古典の名作という意味がわかるような気がします。先駆的な作品に高評価をつけていますので、それ以前の「ビッグ・ボウの殺人」も読んでみたいと思いました。


No.363 5点 ホッグ連続殺人
ウィリアム・L・デアンドリア
(2013/01/28 09:04登録)
読後感は、アイデアだけの作品?との印象。難点は、①事件の悲惨さが伝わってこない。②主人公が複数いる文章。結末(真相の理由)から①②はやむを得ない描き方(このように書かざるを得ない?)かもしれませんが・・・。犯人と思われる人物の行方不明も、HOGの仕業ではないかとのミスリードが弱すぎる。・・・と、結局アイデアは良いが、構成がよくない?ので、リーダビリティを感じることができませんでした。最後の1行で「あっ、これ読んだことがあった」と思い出しました(笑)。


No.362 6点 終章からの女
連城三紀彦
(2013/01/25 17:27登録)
(タイトル・女⑫)第一部では、罪を軽くしようと努力する弁護士と、重い罪を希望する犯人(女)との心理戦のような形で物語は進みます。第2部は刑期を終えた15年後に、まったく同じような事件が起こります。真相は、奇想に近いもので、アイデアとしては面白いのですが、やや納得できない気持ちもあり、微妙な感じですね。


No.361 7点 僕を殺した女
北川歩実
(2013/01/24 20:07登録)
(タイトル・女⑪)有一が、ある朝目覚めると、女性になっており、かつ5年後にタイムスリップしているというSF的設定です。これをSFではなく、論理的に解決するというもので、アイデアに+1点。なお、殺人事件も絡んでくるので、やや複雑になった感もありますが、楽しめました。


No.360 5点 見えない女
島田荘司
(2013/01/23 18:42登録)
(タイトル・女⑩)短編集(3作品)。本格ミステリー集ではありませんが、そのうちでは表題作がお気に入りです。カトリーヌ・ドヌーブが登場し、「シェルブールの雨傘」や「昼顔」を思い出しました。クールな美人というイメージが残っています。そのドヌーブの○○であったというお話。「一人で食事をする女」には、ノイシュヴァンシュタイン城のエピソードが挿入されています。ルートヴィヒが城を造るときの言葉「世界一美しいこの場所に建つ城は、世界一美しい姿をしていなくてはならぬ」・・・印象的な言葉です。


No.359 4点 泡の女
笹沢左保
(2013/01/22 20:42登録)
(タイトル・女⑨)主人公・夏子の夫は、父親殺しの容疑者として拘束されてしまう。夏子は、夫の無実を信じ、起訴処分までの3日間奔走する。無実を晴らすためには、父親の醜聞を世間にさらさなければならない・・・。想定内の結末で、本格色は薄く、女性心理を描いたサスペンスに分類されると思います。


No.358 9点 わらの女
カトリーヌ・アルレー
(2013/01/22 09:56登録)
(タイトル・女⑧)1956年の作品。映画(1964年・ショーンコネリー、ジーナロロブリジダ)は、原作とは違い、勧善懲悪の結末だったと思います。ゆえに、本作の結末にはかなりの衝撃を受けました。古い作品なので、死体の処理など疑問点はありますが、主要登場人物3人で、これだけの作品をサスペンスフルに仕上げている腕前に感心しました。結末も好みで満足です。


No.357 4点 花散る頃の殺人
乃南アサ
(2013/01/20 17:39登録)
「凍える牙」(直木賞)の女性刑事・音道貴子を主人公にした短編集(6編)。貴子がストーカーに狙われる「あなたの匂い」。ビジネスホテルで無理心中した老夫婦の、つらい過去を辿る「花散る頃の殺人」ほか。家族や自分の将来に不安を抱きながら、捜査(ひったくり、援助交際、家庭内暴力など)に追われる貴子の日常が描かれている。「あなたに不利な証拠として」(アメリカ版女性警官の日常)と比較してしまうと、評価は低くなってしまいます。

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