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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1728件

プロフィール| 書評

No.448 6点 開かせていただき光栄です
皆川博子
(2013/07/02 22:13登録)
題名からして皆川ワールド全開か?と思いきや、意外とあっさりしていたという印象です。時代は1770年、場所はロンドン、主人公は医師ということで、服部まゆみ氏の作品(1888年、ロンドン、主人公医師)と、どうしてもダブってしまいました。内容は全く違っていますが・・・。物語の展開は楽しめましたが、読後感がイマイチすっきりしないのは、やはり犯人の処遇に?マークがつくからですね・・・。


No.447 8点 死者との結婚
ウィリアム・アイリッシュ
(2013/06/28 19:40登録)
①朝になって、窓から見る世界は、甘美なものだった。②朝になって、窓から見る世界は、苦しくて甘美なものだった。③朝になって、窓から見る世界は、苦いものだった・・・美しい文章で、主人公の心理が伝わってきます。ラストの善意(愛情)が、仇(悪意?)になってしまう様は、お見事としか言いようがない。余韻が残りますね。こういう終わり方は好きです。


No.446 5点 密室の鍵貸します
東川篤哉
(2013/06/27 20:10登録)
烏賊川市の位置が<千葉の東・神奈川の西>が伏線?と頭にこびりついてしまい集中できませんでした(笑)。まあ、地球を一周すれば間違いではないのですが・・・(ほんとに、いかがわし)。密室をメインにしなくても良かったような気がします。つまり、密室作りのため(こじつけ)の殺人で、それが唐突過ぎますね。アリバイ・トリックだけで押し通し、犯人逮捕、そして動機(今までにない?)の判明の方が、インパクトがあったように感じます。本作では、砂川警部は切れ者だったのですね。


No.445 6点 赤毛の男の妻
ビル・S・バリンジャー
(2013/06/26 11:55登録)
逃避行(犯人と妻の心理状態)と、追う刑事(推理・心理)の場面が、交互に語られ、緊迫したサスペンスとなっています。妻の愛情表現方法(物語の中ではある計画となっています)については、やや腑に落ちない点もありますが、こういう方法もありかな?といったところです。ラストの反転は、アメリカ社会をよく知らないと分かりずらいかも・・・。日本人の単純な知識の範囲内でも、伏線はかなり張ってあり、反転は生きていると思います。


No.444 6点 亡き妻へのレクイエム
リチャード・ニーリィ
(2013/06/24 16:14登録)
フーダニットの本格風でもあり、ハードボイルドタッチ風でもあり、広告代理店業界での競争・確執もかなり描かれるといった作品でした。サプライズだけを期待すると、裏切られる感じがするかも・・・。物語・事件の構図は良くできているのですが、それがラストのサプライズへ繋がらない(生きていない)ような気がします。要因は、主人公の1人称形式なので、容疑者側(当然複数)の心理描写があまり描かれていなかったからかもしれません。


No.443 7点 キス・キス
ロアルド・ダール
(2013/06/22 11:58登録)
このところ、サスペンス中心だったので、少し毛色の変わったものをと思い、書棚より本書を取り出し、20数年ぶりの再読。11編の短編集です。「奇妙な味」(ブラック・ユーモア)の世界で、おもわずニヤリとさせられます。簡潔な文章で読みやすいです。著者は、映画「007は二度死ぬ」(日本が舞台、ショーン・コネリー、丹波哲郎、浜美枝の各氏)の脚本を手がけていますが、「外人から見た日本」が諸出しで、あまり良くなかった思い出があります。なお、著者の児童文学書「チョコレート工場の秘密」は映画化<邦題「チャーリーとチョコレート工場」(ジョニー・デップ氏)>されていますね。


No.442 6点 コモリと子守り
歌野晶午
(2013/06/20 17:31登録)
舞田ひとみシリーズは、そのキャラクターを想像してしまい、食指が動かず未読でした。やはり、予想通りのキャラクターで、会話のテンポ、思考回路にはついてゆけませんでした。次回作?20歳のひとみなら読みたいかな(笑)。ということは、さておき本体の誘拐事件は、十分楽しめましたね。


No.441 5点 死だけが私の贈り物
小泉喜美子
(2013/06/17 13:49登録)
著者最後の長編で、コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)へのオマージュ作品。章建ても①幻(幻の女)②花嫁(黒衣の花嫁)③喪服(喪服のランデヴ-)④天使(黒い天使)⑤死者(死者との結婚)⑥暁(暁の死線)となっています。物語が淡々と進み過ぎたことや、登場人物に感情移入できなかったことが残念な点です。


No.440 6点 黒い天使
コーネル・ウールリッチ
(2013/06/16 14:42登録)
(ネタバレありです。)「黒衣の花嫁」の逆バージョンです。「黒い天使」の意味を自分勝手に解釈をしてみました。1人目のM(失業者)を実質的な死に至らしめたこと?。2人目のM(医者)では、犯罪に手を染めたこと?。3人目のM(資産家の青年)ではMを愛してしまったこと?。4人目のM(クラブオーナー)には「天使の顔」から「黒い天使」と言わしめている・・・。1人目のMの物語が、ブラックな味わいで好きですね。女性心理を描くのはうまいと思いますが、夫が浮気したにも拘わらず、愛しているということが、どうしてもピンときませんでした・・・。


No.439 7点 喪服のランデヴー
コーネル・ウールリッチ
(2013/06/15 20:36登録)
黒衣の花嫁(1940年)から、8年後の作品。前作は、いまひとつ感情移入できなかったのですが、本作は、かなりのめり込むことができました。最初は犯人側、後半は被害者側へと(笑)。ラストでは、オチも用意されていましたし、サスペンス+1で楽しめました。また、文章もいいですね。解説は、小泉喜美子氏で、氏の最後の長編「死だけが私の贈り物」<コーネル・ウールリッチに捧ぐ~もう、あなたのようなミステリーを書く人はいなくなったので。>を近々読みたいと思います。


No.438 5点 脱サラリーマン殺人事件
藤村正太
(2013/06/15 11:04登録)
松本清張氏の作品・作風を彷彿させるような展開でした。2つのアリバイ崩しがメインとなっています。本書をもっと前に読んでいれば、評価はアップしていたと思います。同様なネタを扱っている場合、後発の作品であっても、先に読んだ方がどうしても印象に残ってしまいますね。そこが評価の難しいところです。まあ、本作が、先駆的な作品であれば、もっと高評価を付けたいという感じを持ちました。


No.437 6点 鷲尾三郎名作選 文珠の罠
鷲尾三郎
(2013/06/14 16:24登録)
10編の短編集。①鬼胎(1950年)②生きている屍(1952年)は、医師の犯罪で、医学の進歩を予見している内容、かつブラックもので好きなタイプの小説でした。当時の性意識(現在とは相違)が、犯罪のきっかけとなっていることなどは、時代の変遷を感じさせられました。③文殊の罠(副題なので代表作?)のアイデアは、某作の先駆けとなっている点で評価したいと思います。解説によると、某作の著者は本作を読んでいなかったということで、「40年のときを隔てて同じ着想を得たということは、単なる偶然ではなく、むしろ推理小説の神が操った必然の結果だったといえよう。」としています。本作を読むきっかけを作っていただいた御三方にあらためてお礼を申し上げます。(詳細は本サイト掲示板「雑談/足跡」13.5.27)


No.436 6点 黒衣の花嫁
コーネル・ウールリッチ
(2013/06/11 10:07登録)
ハヤカワミステリーの裏表紙「彼女は、つぎつぎと、五人の男の花嫁になったのだ-結婚式もあげぬうちに喪服に身を包む冷酷な殺人鬼-黒衣の花嫁に。」→物語の内容との不一致(拡大解釈を遥かに越える?)が、はなはだしいですね。五人の男性の物語は、それぞれ独立していて楽しめました。文章は、読みやすいし独特の雰囲気があります。最後の一捻り(結構好きなタイプの一捻り)があったのですが、その時の花嫁の心情がいま一つ伝わってこなかったのが残念な点です・・・。


No.435 5点 ソフィー
ガイ・バート
(2013/06/09 20:07登録)
マシュー(弟)が姉のソフィーを監禁している場面からスタートします。現在(監禁中)がソフィーの一人称、過去がマシューの一人称で語られ、子供時代の回想(当初はノスタルジックな雰囲気)が、徐々に暗部へと変化してゆくという展開です。ラストでは、意外な展開が用意されているのですが、何故?という理由が明らかにされないので、モヤモヤ感が残ってしまいます。一つはソフィーの行為(ある事情で致し方ないのですが・・・~完全なネタバレになるので書けない)、もう一つはマシューの行為です。○○であるからで片づけられても・・・といった感じですね。訳者のあとがきには「ダーク・ファンタジー」としたとあります。


No.434 5点 体験のあと
ガイ・バート
(2013/06/09 09:42登録)
著者は12歳でW・H・スミス・ヤングライターズの大賞を受賞。本書は18歳の時書いたものということです。地下室に閉じ込められた高校生5人の状況が、3人称での文章、閉じ込められたリズの手記、外部にいるリサの告白で交互に語られます。稚拙な文章(理由はあるのですが)で、サスペンス感はあまり感じられません。エピローグである事実らしい?ことが判明します。小説の中身より、構成の方がが光っているとという感じですね。途中の緊迫感があれば、もっとラストが生きてきたと思います。


No.433 5点 愛する者に死を
リチャード・ニーリィ
(2013/06/07 19:09登録)
著者のデビュー作(1969年)。本格風味の漂うサイコ・サスペンス。どんでん返し度は、「心ひき裂かれて」が強烈だったこともあり、それほど感じませんでした。デビュー作なので、その後に続く作品(叙述)の片鱗は感じることはできました。作品評価とは別のことですが、翻訳がイマイチとの感を持ちました。


No.432 7点 六死人
S=A・ステーマン
(2013/06/07 09:44登録)
(ネタバレあり)1931年の作品。創元推理文庫版の裏表紙、訳者あとがきは、完全にネタバレしています。「○○の○○より8年早い本格ミステリの傑作!」とあります。それを承知の上、読んでもそれほど影響はありません。連続殺人、犯人の隠匿方法のアイデアが、本作の方が早いということなのでしょう。相違点は、クローズドサークルではない、探偵が登場する、動機・目的が予想できる等です。コンパクトにまとまっている良作だと思います。(良く言えば、余分なものが削ぎ落としてある。悪く言えば、厚みがない?。)評価する点は、動機の隠し方が秀逸であったことです。(当時の法的問題は不明なのですが・・・)


No.431 5点 奇面館の殺人
綾辻行人
(2013/06/06 11:10登録)
舞台設定(全員仮面での登場、クローズド・サークル、首なし・指なし死体)の割には、緊迫感が感じられなかったですね。理由は、登場人物間に、次ぎに事件が起こるのでは?という疑心暗鬼がなかったこととや、著者の狙いがホワイダニットに重点が置かれていた?ということでしょうか。人物隠匿方法としての、仮面・首なしに新しいトリックを期待してしまったので、辛めの評価となってしまいました。館ものは8冊目、暗黒館は長いので途中でお休み中です(笑)。ラストの館ものに期待したいです。


No.430 7点 殺人症候群
リチャード・ニーリィ
(2013/06/02 08:22登録)
1970年発表、どんでん返しのあるサスペンスとして先駆的な作品に該当するのかもしれません。解説には「二ーリィの作風への親近感を見せている作家は、ニーリィのファンを公言して憚らない折原一で、直木賞候補にもなった彼の最高傑作「冤罪者」では、作中人物に「殺人症候群」を読んだという台詞を言わせているほどであり・・・(略)・・・意外そのものの真相まで用意したトリッキーなものである。・・・」とあります。私のこのサイトへの書評数の一位は、折原一氏の20作品で、やはりこの手の作風が好みなのですね。二ーリィ氏の翻訳は少ない(7冊ぐらい?)らしいので、読破したいと思います。


No.429 9点 殺人交叉点
フレッド・カサック
(2013/05/28 17:23登録)
①殺人交叉点は、1957年の発表(1972年改訂)で、まさに「最後の一撃」に値する作品でした。現在では、同様のモチーフの作品は数多く、かなり高評価を得ているのでは?と思います。従って、本作は、先駆的な価値が非常にあると思います。(このような先駆的作品に出会うことも読書の楽しみの一つですね。日本では、小泉喜美子氏の作品あたりか?・・・)②連鎖反応も、ブラックユーモアにあふれた良作です。特に語り部の雰囲気がなんとも飄々としていて楽しめました。

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