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ミステリの祭典

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六死人
ウェンズ氏

作家 S=A・ステーマン
出版日1984年08月
平均点5.50点
書評数4人

No.4 5点 nukkam
(2016/08/09 16:29登録)
(ネタバレなしです) 1931年発表のウェンズシリーズ第1作の本格派推理小説である本書はフランスの権威ある「フランス冒険小説大賞」を受賞したステーマンの出世作です。主要登場人物は6人の青年、1人の女性そして探偵役のウェンズの計8人ですが、連続殺人で最終的にかなり人数が絞られるので犯人当てとしては容易過ぎるぐらいです。とはいえ某有名作家の古典的名作(創元推理文庫版の粗筋紹介でばらされていますが)を先取りしたようなプロットはサスペンスたっぷりで、ボリュームもかなり短めの長編なので一気に読み終えました。

No.3 5点 斎藤警部
(2015/07/27 15:31登録)
時代に先んじた企画性は感心ですが、滑り出しの雰囲気も悪くありませんが、
中盤からのサスペンス薄く、何より結末の意外性が欠けている。。。のではないかな。
旧い作品を読んだ感慨はあり、さほど酷い点数付ける程でもありません。

No.2 7点 蟷螂の斧
(2013/06/07 09:44登録)
(ネタバレあり)1931年の作品。創元推理文庫版の裏表紙、訳者あとがきは、完全にネタバレしています。「○○の○○より8年早い本格ミステリの傑作!」とあります。それを承知の上、読んでもそれほど影響はありません。連続殺人、犯人の隠匿方法のアイデアが、本作の方が早いということなのでしょう。相違点は、クローズドサークルではない、探偵が登場する、動機・目的が予想できる等です。コンパクトにまとまっている良作だと思います。(良く言えば、余分なものが削ぎ落としてある。悪く言えば、厚みがない?。)評価する点は、動機の隠し方が秀逸であったことです。(当時の法的問題は不明なのですが・・・)

No.1 5点 こう
(2008/08/28 00:07登録)
 非常に古い作品(1931年作)ですがクリスティのそして誰もいなくなったに先駆けて、登場人物が(ほぼ)全員殺されてゆく作品です。メインキャストはタイトル通り6人のグループに加え一人の女性、探偵役の警部の8人です。
 5年前に別れ5年後再会したときにそれぞれの財産を6等分しようと決めた6人が再び集まるとき一人ずつ殺されてゆく、というストーリーです。
 解説の「そして誰もいなくなった」と同程度の出来栄え、というのは残念ながら評価しすぎです。まず空間として孤島ものでもC.C.ものでもないのでサスペンスが物足りない気がします。
 また犯行の目的を考えるといわゆる「法的拘束力」がないと目的達成ができないためせっかく殺人をおかしても目的達成できるかどうか疑問です。(その点「そして誰もいなくなった」は犯人がいわば狂人なので殺人自体が目的ですから問題ないですが)
 先駆的作品の意義はありますがまあまあな出来だと思いました。 

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