| 蟷螂の斧さんの登録情報 | |
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| 平均点:6.10点 | 書評数:1728件 |
| No.848 | 5点 | 弓の部屋 陳舜臣 |
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(2016/01/14 08:56登録) (再読)裏表紙より~『夏の夜の神戸を彩る生田神社の花火。それを異人館のボウ・ルーム(弓の部屋)から眺める男女の間で突如殺人が。被害者はメード光子の夫の中山。彼は電灯を消した一瞬にすり替えられたコップを口にして、毒殺された。捜査の進展につれ、居合わせた人々の過去が次々にあばかれる。神戸情緒あふれる本格長篇。』~ 一言でいえば、昭和ミステリーらしい一冊。昭和ミステリーって何といわれても困りますが。まあ、風俗や、当時の女性心理といったところですか・・・。ミステリー的なところでは、毒殺トリックはかなり危ういところがあるので高評価とはなりませんでした。3人が犯行を自白するというプロット(庇いあい)は他にもあると思いますが、本編のプロットは思わずニヤッとしてしまいます。全体的には、ほのぼの感を得られる作品であると思います。 |
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| No.847 | 6点 | 悪女は自殺しない ネレ・ノイハウス |
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(2016/01/12 17:29登録) デビュー作ということで、力が入っていることが分かります。ただ、幅を広げ過ぎた感もあります。つまり容疑者が多すぎるということです。そこが魅力と捉えるか、複雑すぎると感じるか・・・ということでしょう。男女の刑事コンビは初々しさがあって良かった。また初恋の人の登場や乗馬クラブの娘がいいアクセントになっていました。シリーズ7作中、まだ3冊の翻訳であり、残りの翻訳が望まれます。 |
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| No.846 | 5点 | 大いなる救い エリザベス・ジョージ |
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(2016/01/10 20:51登録) 裏表紙より~「ヨークシャーの片田舎で、首を斧で切り落とされた農夫の死体が発見された。そばには自分がやったと呟く娘の姿が…だが、彼女は心を堅く閉ざしてしまう。捜査にスコットランド・ヤードからリンリー警部とハヴァーズ巡査部長が派遺された。二人が人間関係の闇の奥に見た戦慄の真相とは?アガサ賞、アンソニー賞、フランス推理小説大賞を受賞したミステリ界の新女王の話題作。『そしてボビーは死んだ』改題」~ 爽快感が全く感じられない作品でしたね。捜査する男女のコンビに感情移入ができなかった。コンビのいろいろな背景を描くことが、作者の言う人間を描くということなのかもしれませんが、逆に邪魔になっている気がします。解説者はそこが魅力といっていますが・・・。本作(1988)より後発ですがシドニー・シェルダン氏の作品(1998)で本テーマの免疫?ができていたので衝撃度はそれほどでもというより予想内でありました。 |
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| No.845 | 6点 | 悪霊の群 山田風太郎 |
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(2016/01/07 16:43登録) 紹介文より~『神津恭介と荊木歓喜の二大名探偵が夢の競演長編!両目をくり抜かれた死体が次々と。犯人の美女はそれぞれ自殺を遂げる。疑惑に満ちた恋人の言動に苦悩する新聞記者。事件を追うのは、あの荊木歓喜先生と、ご存じ神津恭介名探偵。山田風太郎と高木彬光。昭和26年、すでに探偵文壇に確固たる地歩を築きつつあった二人が、日本で初めて本格的合作探偵小説に挑戦した。神津恭介と荊木歓喜の二大名探偵が夢の競演長編』~ 名探偵共演といっても、主役は荊木歓喜先生で、神津恭介はラストに登場するだけでした(苦笑)。雑誌に連載されたものなので、中盤は通俗的なストーリー展開でしたね。ラストのどんでん返しのプロットは高評価(8点以上)ですが、○○の名人登場などで減点要因となってしまいました。残念。 |
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| No.844 | 6点 | 猫間地獄のわらべ歌 幡大介 |
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(2016/01/05 06:48登録) 裏表紙より~『江戸の下屋敷におわす藩主の愛妾和泉ノ方。閉ざされた書物蔵で御広敷番が絶命した。不祥事をおそれ和泉ノ方は“密室破り”を我らに命じる。一方、利権を握る銀山奉行の横暴に手を焼く国許では、ぶきみなわらべ歌どおりに殺しが続くと囁かれ!?大胆不敵なミステリ時代小説。』~ 冒頭から「今、密室と仰せになられましたか?」「密室という言葉は、この時代になかったのではないかと推察いたしまするが。」「そういうことにうるさい読者が結構いるんですけど・・・」とメタ指向で進行します。時代劇ファンにとっては「ミステリー小説」、ミステリーファンにとっては「時代劇小説」となってしまう?という怪作か。 |
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| No.843 | 7点 | 悲しみのイレーヌ ピエール・ルメートル |
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(2015/12/30 19:34登録) 今年ラストの書評は、2014週刊文春ミステリーベスト10・海外部門第1位「その女アレックス」に引き続き、2015も同第1位を獲得したピエール・ルメートル氏の「悲しみのイレーヌ」です。著者のデビュー作とのこと。原題(邦訳)は「丁寧な仕事」となるらしいのですが、編集者の思惑で???・・・。「その女アレックス」を読んでいる者には酷な題名でした(苦笑)。内容は壮絶としかいいようがない。ある仕掛けがあるのですが、もっと判り易いものであれば印象も違っていたかも。 |
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| No.842 | 5点 | 蝶々殺人事件 横溝正史 |
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(2015/12/28 10:05登録) 時刻表と「物」の移動はどうも苦手です。「樽」「黒いトランク」の良さも良くわかりませんでしたので(苦笑)・・・。計画的な犯罪には、納得できる「動機」が必要では?と思っていますので、本作はその点弱かったですね。というより著者は動機不要論者?。最後の殺人事件は、トリックを見せたいがためだけのようで余計な気がしました。全体的な印象は、クロフツ氏よりもクリスティ氏を意識しているように感じました。 |
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| No.841 | 7点 | 踊り子の死 ジル・マゴーン |
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(2015/12/26 17:28登録) 裏表紙より~『寄宿学校での舞踏会の夜、副校長の妻が殺された。暴行された形跡があったと聞いた教師たちは、一様に驚きを見せた。男と見れば誰彼構わぬ彼女の色情狂ぶりは、学校の悩みの種だったのだ。では、レイプ目的の犯行ではありえないのか? ならば、動機は?すべてが見せかけにすぎないとしたら、その夜、本当は何が起きたのか?』~ シリーズ3作目になるらしい。主役のロイド警部とジュディ刑事は不倫関係にあります。その描写にページを割いているのですが、気にならず逆に楽しめました。奇人・変人?という登場人物の造詣もいいですね。誰が犯人であってもおかしくない状況で、本格ミステリーらしいどんでん返しも織り込まれています。日本での翻訳は2000年(1987発表の「騙し絵の檻」)と遅く、まだ4冊のみです。気になる作家の1人となりました。 |
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| No.840 | 4点 | アリス殺し 小林泰三 |
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(2015/12/23 15:32登録) 裏表紙に本格ミステリとあるので、SF的要素はないものと期待したのですが・・・・・。結末は予想通りで感心するものではありませんでした。評価できる点は、人物に係る叙述部分のみ。 |
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| No.839 | 7点 | 帝国の死角 高木彬光 |
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(2015/12/21 22:50登録) 解説によると、当初上下巻別々の題名で発売されたとのこと。かつ、上巻の物語は完結しているため、下巻は上巻ほど売れなかったようです。感想としては、上巻はスパイ小説もどき風、歴史教科書風で、はっきり言ってミステリー読者向けとは言い難いのでは?と思います。従って、下巻で判明する先駆的な試みも話題にならなかったのかもしれません。トリックは、読みなれた読者に対しては微妙かも。評価は先駆的な試みに対してです。 |
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| No.838 | 6点 | 百万ドルをとり返せ! ジェフリー・アーチャー |
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(2015/12/13 20:42登録) (東西ベスト95位)デビュー作でありながら、二段落ちまで用意したことに敬意を!。貴族・ジェイムズの役どころがいい。他の3人が真面目に奪回作戦を検討するのだが、ジェイムズは、モデルのアンに”うつつ”を抜かしてしまう。案が出てこないところに、アンが登場するというわけです。一つのオチは予想できたのですが、ラストのオチは考えつかなかった・・・。敵役・ハーヴェイをもう少し悪人に描いて欲しい気もしたのですが、結果、「死体のない楽しいミステリー」の1冊となった。・・・で良しとするでいいのかな?。 |
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| No.837 | 6点 | シャドー81 ルシアン・ネイハム |
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(2015/12/12 09:42登録) 「東西ミステリーベスト100」の32位にも拘わらず、ジャンルが「冒険」(あまり得意な分野でない)ということで今まで未読でした。ある解説で「死体のない楽しいミステリー」ベスト3に入るという評論や、本サイト・他サイトでの高評価により拝読。面白かったのは事実ですが、諸手をあげてとまでいかなかった。緊迫感・危機感にやや物足りなさを感じてしまったのが原因です。つまり、物事がスムースに運び過ぎといったところか・・・。後半、サプライズがあったのですが、それならついでにその動機もというのは、ないものねだりでしょうか?。金塊強奪については、007「ゴールド・フィンガー」(映画)をイメージしながら読んでいたら、主人公が、「ゴールド・フィンガー」を口笛で吹くシーンが出てきました。私的には一番受けたシーンでした。なお読後、判明したことですが、「東西ミステリーベスト」の解説は、サプライズの”完全ネタバレ”をしていますので要注意です。 |
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| No.836 | 6点 | 美の神たちの叛乱 連城三紀彦 |
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(2015/12/07 15:42登録) 謎を秘めた3つのバラバラな事件がやがて一つに纏まってゆきます。逆説的な言い回しが頻繁に出てくるので、途中かなり惑わされました(苦笑)。そしてルノワールの贋作を巡ってのコンゲームの開始となります。コンゲーム自体はあっけない幕切となるので、変形的な”愛”を描きたかったのか?・・・。それとも、30代の美貌を保つ83歳の怪物マダムの謎とモデル・マリー(23歳)にまつわる謎の対比なのか?・・・。 |
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| No.835 | 7点 | 押絵の奇蹟 夢野久作 |
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(2015/12/04 13:53登録) ①氷の涯 7点 大戦前の満州。一兵卒が軍資金の横領事件の真相に挑むが・・・ロシア娘との逃避行 ➁押絵の奇蹟 8点 歌舞伎役者が恋した女性からの手紙。そこには数奇な運命が綴られていた・・・ ③あやかしの鼓 6点 100年前に作られたいわくある鼓。翻弄される子孫・・・ 3作とも独白調で語られています。それが著者の特徴ともいえるのかも。直接的に読者に語られるので、結構頭に入ってきますね。「ドグラ・マグラ」が有名過ぎ、かつ、難解過ぎて、その他の作品が敬遠気味となってしまったのでしょうか?。まだ短編集2冊のみですけれど、難解でもなんでもなく、結構楽しめました。 |
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| No.834 | 5点 | まやかしの風景画 ピーター・ワトスン |
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(2015/12/01 10:26登録) 裏表紙より~「イザベルという美女が、画廊主マイケルの元に一幅の絵を持ち込んだ。冴えない風景画には昔、修道院廃絶の際に消えたとされる財宝の在りかが隠されているらしい。だが、寓意に満ちた絵の解読は容易でない。しかも、何者かが既に探索を始めているという。マイケルとイザベルは、秘宝目指して旅に出た!知恵と冒険とロマンスに彩られた、胸おどる宝探し小説。」~ 解説者によると、「死体のない楽しいミステリー3作」は①「シャドー81」➁「百万ドルをとり返せ!」と「本作」になるそうです。①②とも冒険?というジャンル的に未読な分野ですが、両作品とも東西ミステリーベスト100にランクインしているので、近々拝読予定。本作(1989)は、図像学に基づき、絵の謎を解いてゆくというもので、「ダ・ヴィンチ・コード」(2003)より先行しているものの、スピード感・展開力では劣っていましたね。残念。 |
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| No.833 | 7点 | 瓶詰の地獄 夢野久作 |
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(2015/11/28 19:52登録) ①瓶詰の地獄 9点 海難事故で孤島に流れ着いた幼い兄妹。初めは楽園かと思われたが。3本のビール瓶に入れられた二人の手紙が流れ着いたのだ・・・3通の手紙が書かれた順番を問題・謎とする書評が多いのですが、単に時系列を逆にしただけと思います。天国から地獄へをたった13ページで表現したところがすごい ➁人の顔 4点 幼い少女は、いろいろなところに人の顔が見えるという・・・無垢だけに大人にとっては恐ろしい ③死後の恋 6点 ロシアの青年は、これから語る数奇な物語を信じてくれたら、宝石をあげるという・・・果たして真実なのかという謎 ④支那米の袋 9点 ロシア娘はアメリカの青年に恋をした。青年には変な性癖があった。そのアメリカ青年の話によると、日本には男女間でもっと面白い遊びがあるという・・・本編が一番わかりやすいオチ ⑤鉄鎚 7点 主人公と叔父と従妹との三角関係。悪魔はいるのか?。従妹の死に顔を見て、主人公は彼女の真実を知ったで突然物語は終了する・・・彼女の真実とは何かと読者に問う。回答は4種くらい考えられるが、オーソドックスに「瓶詰の地獄」と同じ発想か? ⑥一足お先に 8点 片足を切断した主人公はその足が勝手に歩き回る夢を見る。そして殺人が。果たして現実の事なのか、夢なのか?・・・本編は「ドグラ・マグラ」に似ている ⑦冗談に殺す 6点 新聞記者の主人公は女優のサディスティックな趣味を見、完全犯罪で彼女を殺そうとする・・・完全犯罪をぶち壊したものは思いもよらない○であった。 著者の世界は、幻想と現実の境の曖昧さにあると思います。その世界を知らず、『ドグラ・マグラ』を読んだのが失敗だったと反省(苦笑)。これらの短編集を読んでからであれば、その評価は違っていたと思いました(よって評価変更)。 |
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| No.832 | 5点 | ラ・ロンド 服部まゆみ |
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(2015/11/26 09:21登録) 内容は、副題にあるとおり「恋愛小説」です。展開がミステリアスといえるのかも。よって、ミステリーとしてのサプライズを狙った作品ではないと思います。といっても、それなりのオチはありますが・・・。著者が最後に上梓した連作集。 ①「父のお気に入り」・・・劇団女優・妙子は33歳。学生の孝と愛し合うようになるが、舞台で裸を晒したことから二人の仲に溝が。そんな折、孝は中学の同級生と偶然出会い、彼女のうなじにセックスアピールを感じていたことを思い出し・・・。 ②「猫の宇宙」・・・売れない画家・克己は兄・哲学教授より人生の敗北者とレッテルを張られていた。そこへ姪の藍が転がり込んでくる。藍は克己に魅かれてゆくのだが・・・。 ③孝は藍から、妙子と克己が付き合い始めたと相談される。交差する愛情劇は・・・。 |
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| No.831 | 6点 | 時のかたち 服部まゆみ |
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(2015/11/25 07:51登録) 「BOOK」データベースより~『移ろいゆく時を画家の感性で捉えた珠玉の短編、密室・アリバイ・暗号・アナグラム・プロバビリティの犯罪…とさまざまなミステリ的アイディアに満ち満ちた服部まゆみのミステリ・ワールド。』 とありますが、ミステリ的アイデアより、心の機微、綾を中心に描いた作品のように思います。トリッキーさでは表題作「時のかたち」が印象的で、長編で読んでみたかった作品ですね。以下簡単な紹介 ①「怪奇クラブの殺人」・・・大学入学の下宿を祖父宅に求めた僕。祖父は資産を怪奇趣味に投じ、自宅に怪奇博物館まで設立しようとする。それを阻止しようとする人々が・・・ ②葡萄酒の色・・・軽井沢に住む私(翻訳家)の元に、転がり込んできた冴えない画家の友人。しかし、彼と私の兄の婚約者との間に何か秘密が?。私は彼に嫉妬しているのか? ③時のかたち・・・久ぶりの旧友からの手紙。彼の住む元ホテルを訪れた流行作家の私。14年前のホテルの火事以来である。その時は後始末の手伝いを断られ追い返させられたのだ・・・ ④桜・・・崖から脚を滑らせ転落死した叔母の葬式の日、夫である叔父は小さな男の子を「これはわしの息子だ」と愛人とともに親戚一同に引き合わせた。そして叔父の死。密室殺人のように見えるのだが・・・。 |
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| No.830 | 8点 | レーン最後の事件 エラリイ・クイーン |
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(2015/11/23 08:02登録) 倉知淳氏による「レーン四部作のオマージュ作品」が発売になったようです。原作を読んでいないとお話にならないとの思いで手に取りました。四部作の最終話として相応しい内容でしたね。ただ、単独作品としてみれば、まあ普通の作品といったところでしょうか?。謎の文字が専門家の鑑定でも不明とは、思わず苦笑してしまいました。やはり、四部作全体で、本作の価値が決定されるような気がします。シェークスピア俳優であったレーンにシェークスピアに関する謎を提示したことや、「Yの悲劇」を本作への大伏線としていることなど感心する点が多かったです。感動も添えてもらいました。 |
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| No.829 | 6点 | 悪魔パズル パトリック・クェンティン |
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(2015/11/20 13:15登録) 裏表紙より~『ふと目覚めると、見知らぬ部屋のベッドに寝ている。自分の名前も、ここがどこかも、目の前の美女が誰かもわからない。記憶喪失。あなたはゴーディよ、わたしの息子よ、と言う女。自分はゴーディという名らしい。だが、何かがおかしい。なぜ女たちは自分を監禁し、詩を暗唱させようとするのか…。幾重にも張りめぐらされた陰謀。ピーター・ダルース、絶体絶命の脱出劇。“パズル・シリーズ”第五作』~ あらすじからもわかるように、記憶喪失者は主人公ピーターであり、「私は誰?」的なサスペンスではありません。なぜ、ゴーディの身代わりをさせられるのかという謎で引っ張ってゆきます。その展開は楽しめました。ゴーディの妻セレナの造形がいい。手足をギブスで固められた本当の理由にはニヤッとさせられます(謎とはあまり関係ないのですが・・・)。 |
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