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ミステリの祭典

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秘密機関
トミー&タペンス/別題『秘密組織』

作家 アガサ・クリスティー
出版日1960年01月
平均点4.12点
書評数8人

No.8 5点 人並由真
(2021/11/29 15:47登録)
(ネタバレなし)
 HM文庫版で読了。
 トミー&タペンスの長編は、若い頃に『親指のうずき』『運命の裏木戸』『NかMか』の順で読んでおり、これが初読作品の最後になった(連作短編集は途中まで読んで中断し、そのままである)。

 保守派志向の内容に関しては、50年代のマイク・ハマーに今の視点で文句を言うようなものだろうし、あえてノーコメント。
 セミプロかアマチュアかの主人公コンビのスパイスリラーとしては、まさに本質は当時のクリスティーが書いたラノベである。というか全体的に赤川次郎みたいだ。良くも悪くも。
 政府の要人側がトミー&タペンスを使う理由も、要は固定観念のないフレッシュな発想と行動力に期待したいということで、そんな国家機密に関わる案件を出会いがしらのアマチュアに任せるゆるい流れも、赤川次郎でラノベ。
 いやたぶん、21世紀の今のラノベの大半の方が、この辺の細部のイクスキューズに気を使うような……。

 ただまあ、そういう大昔の冒険スリラーと思って割り切って読むならば、そこそこ面白かった。
 中盤の、某案件に際して金力にものを言わせてぶっとんだ作戦を提案するアメリカの富豪青年ジュリアスのくだりは、ほとんど『怪船マジック・クリスチャン号』のノリだ(笑)。

 途中で不可能犯罪の密室っぽい? のが出てきて、おお!? と一瞬思ったが、結局は、あまり掘り下げられなかった。残念。
 あと、黒幕の正体についてはこの頃からクリスティーの手癖が感じられて、早々に見え見え。それでもちょっとミスディレクションめいたものを用意してあるのは、評価の対象か。

「ジャップ警部」の名前が登場で、ポアロ世界とリンク……には拍手喝采だったが、さすがに本サイトではすでに弾十六さんが指摘していた(苦笑)。
 しばらく読み返していないけれど、たぶんパシフィカの「名探偵読本・ポアロ&マープル」のクリスティー世界の人物相関図にも、この情報は触れられているんだろうね?
(ちなみにWikipediaの本作の独立記事項目にも、このジャップ警部の話題は書かれている。みんなこういう趣向がスキなようで。)

 それとHM文庫版250ページでの「すごいなあ! まるでポケット・ミステリを読んでいるみたいだ」には爆笑しました。
 弾十六さんのメモチェックにはないけれど、コレは日本語版のお遊びですよね? (田村隆一の訳文の初出は、もちろんそのポケミスだったワケだし。)
 なんか『オバケのQ太郎』の原作コミックで、伸一兄さんが漫画雑誌を買ってきて「少年サンデーが出たぞ」というメタギャグを思い出した(この部分は、初めて新書版コミックスになったオバQの虫コミックス版では「COMが出たぞ」に改訂されている。言うまでもなく「COM」は『火の鳥』などが掲載された漫画雑誌で、虫コミックスと同様、旧・虫プロ(虫プロ商事)の出版部の刊行物)。小学館のコロコロでの再録やてんとう虫コミック版、FFランドや藤子全集版ではどうなってたか。全部チェックしてるハズだが、失念している。
 ……いや、長々とスンマセン(汗・笑)。

No.7 3点 レッドキング
(2020/12/26 19:16登録)
デビュー作「スタイルズ荘の怪事件」に続くアガサ・クリスティ第二弾。もう出版から百年近く経つのか。国家揺るがす機密文書を持った行方の分からない女。女の行方を追う若き探偵男女が、謎の指導者「ブラウン」率いる秘密結社相手に虚々実々のスパイサスペンスを展開。「どんな機密か知らないが、たかが文書一つが国家揺るがすはずないだろ」て突っ込み置いといて、少年向け冒険小説の面白さはあった。ミステリとしては・・ブラウン・フー?ってとこかな。※アガサ・クリスティーって、ナチよりも「左翼」のことが嫌いだったのかな。

No.6 5点 弾十六
(2020/02/26 02:57登録)
1922年出版。初出The Times Weekly Edition 1921-8-12〜12-2 (17回) 早川クリスティー文庫の電子版で読了。
アガサさんの単行本第2冊目はトミー&タペンスもの。お気楽な若者たちの冒険です。ほとんど連想のおもむくままに書いたような作品で、映画や小説に出てくる典型的な登場人物(謎の上官とかドイツ人に率いられる悪の組織とか悪いロシア人とか大富豪の米国人とか)や状況(後ろから殴られて気絶とか拉致監禁とか囚われの美女とか)が次々と現れます。社会や政治への言及は当時の英国中産階級女性の平均水準なのでしょう。(社会主義・共産主義への恐怖感はソヴィエトが成立したばかりなので当たり前なのかも。セイヤーズさんみたいにソヴィエト・クラブに出入りしてた人とは違います) 冒頭の貧乏描写だけが切実でリアル、残りは白昼夢の世界。でも、明るさと楽しさが詰まってる。こーゆーのは、作っても作れません。若い時の勢いだけが生み出せる貴重なもの。
以下トリビア。Bill Peschalの注釈本The Complete, Annotated The Secret Adversaryからのネタは[CASA]で表示。この本には約600項目の注釈が付いていて、大半は言葉遣いに関するもの。アガサさんは当時としてはやや古い用語を使っている感じ。(これが物語に一種の懐かしさや安心感をもたらしてるのかも) そして米国人の喋りには小説で覚えたようなスラングを結構使っているみたい。
作中時間は「五年前(p636)」が1915年で、牡蠣料理を食べてる(p809)ので9月から4月の間、p4462の記述から29日は日曜日。ということは、該当は1920年だと2月だけ。ハリエニシダ(gorse p3424)も2月下旬なら咲いてるはず。(なお、29日をLabour Dayと呼んでいるが、メーデーとは全く関係ないようだ)
現在価値は英国消費者物価指数基準1920/2020(44.99倍)の£1=6383円、及び米国消費者物価指数基準1920/2020(12.90倍)の$1=1830円で換算。
献辞は「冒険の喜びと危険を少しだけ感じてみたい、退屈な生活をおくっているすべての人たちに」TO ALL THOSE WHO LEAD MONOTONOUS LIVES IN THE HOPE THAT THEY MAY EXPERIENCE AT SECOND HAND THE DELIGHTS AND DANGERS OF ADVENTURE: 貧乏生活の苦しさをちょっと忘れて… というような意味も込められているように感じます。[CASA] 不特定多数への献辞はアガサさんの著作では『親指のうずき』と本書だけ。
p61/4723 ルシタニア号の沈没: 場所はアイルランドのすぐ南沖です… (私はLusitaniaを米国船だと勘違いしてました。英国郵便船RMS Lusitaniaの犠牲者1198人には米国人128人が含まれていたのですね)
p76 女性と子ども優先(women and children first): [CASA] 一般的になったのは1852年、南アフリカ、ケープタウン沖で起こったHMS Birkenhead沈没事件から。海の公式ルールとして明文化されているわけではない、という。
p94 久しぶり(”Tommy, old thing!” / “Tuppence, old bean!“): [CASA] 親しみを込めた呼びかけ。この言い方は当時の有閑青年たちの流行。ピーター卿も結構使っています。
p109 退職金(Gratuity): [CASA]当時の軍隊の規定により計算するとトミーの退職金は全部で£243 3s 6d(=155万円)
p110 リヨン(Lyons‘) [CASA] 1909年創業のレストラン・チェーン。二人が入ったのはピカデリー近くの一号店。
p116 そんな名前を聞いたことがあるかい?(Did you ever hear such a name?): ジェーン ・フィン(Jane Finn)ってどこが珍しいの?と思ったら『クリスティー自伝』によると、作者が実生活で漏れ聞いて、小説の始まりにぴったり、と思った名前はJane Fish。確かにこれなら変テコな感じ。(Robert L. Fishごめん) 初稿ではFishのままだったのかも。Jane Finnも何か変なのかな?
p116 お茶はべつべつのポットに入れて(And mind the tea comes in separate teapots): ウエイトレスへの注文。この意味がわからない。美味しい飲み方のコツなのか?
p238 広告料は五シリングぐらい… これはわたしの負担額(about five shillings. Here’s half a crown for my share): 5シリング=1596円。新聞の個人広告費用。半クラウン貨幣(Half crown=2.5シリング)は当時ジョージ五世の肖像、1911-1920だと純銀、重さ14.1g、直径32mm。1920以降は.500シルバーに減、重さと直径は同じ。
p278 九ペンスの電報代: 239円。
p278 焼きたての菓子パンを三ペンス分(three pennyworth of new buns): 80円。
p305 即金で百ポンド払います(What should you say now to £100 down): 64万円。
p404 五ポンド札: 31916円。当時の5ポンド紙幣はBank of England発行のWhite Note(白地に黒文字、絵なし。裏は白紙)、サイズは195x120mm。 ちょっと後に出てくる1ポンド紙幣(Fishers)はHM Treasury発行、茶色の印刷、表に竜を刺し殺す聖ジョージとジョージ5世の横顔、裏は国会議事堂、サイズは151x84mmと現在の紙幣っぽい大きさ。10ポンド紙幣の方は5ポンド同様White Note、サイズは大きめの211x133mm。
p429 食事はグリルで: [CASA] The Grill RoomはPiccadilly Hotelの地下のレストラン。ランチ・メニューは3シリング6ペンス(=1117円)、タペンスの言う「もっと高級なレストラン」はルイ14世レストランを指すのだろう。こちらだとランチ・メニューは5シリング(=1596円) 値段は1915年版ベデカーから。
p446 肌は浅黒かった(and dark):「黒髪だった」
p532 牧師の娘さんとして(as a clergyman’s daughter)—舞台にでも立つべきね(I ought to be on the stage): [CASA] ここら辺は“She Was a Clergyman’s Daughter”という1890年代ミュージック・ホールのヒット曲からの連想か。作曲Austin Rudd、歌はAda Reeve。何故か歌詞がWebで見当たらない…
p742 年に三百ポンド(at the rate of three hundred a year): 年192万円。
p809 スコットランド・ヤード犯罪捜査課のジャップ警部(Inspector Japp, C.I.D.): 顔は出さないが、ちゃんと登場。トミタペ世界とポアロ世界は繋がっている。
p1021 三、四百ドルぐらいしか持っていない(I haven't more than three or four hundred dollars): $400=73万円。金持ちなので「しか」
p1186 強盗の指紋がついた手袋(gloves fitted with the finger-prints of a notorious housebreaker): どうやら映画や小説ではお馴染みのブツだったようだ。もちろん当時、現実には存在しない。現代なら技術的に可能かな?
p1229 最近の流行歌を口笛で(whistling the latest air): [CASA] 当時なら流行歌はミュージック・ホール経由か。英国のラジオ放送は1922年5月開始。
p1309 バーナビー・ウィリアムズの『少年探偵』 (Barnaby Williams, the Boy Detective): 正しくは『少年探偵バーナビー・ウィリアムズ』、もちろん架空の本。
p1384 お給料は五十ポンド、いえ六十ポンド出すわ(I will give you £50—£60—whatever you want): 60ポンド=41万円、月額3万4千円。メイドの年給。[CASA] 熟練労働者の給与は週2〜3ポンド(=12776〜19150円、月額5万5千円〜8万3千円)、女性はその半分だった。ハウスメイドの相場は年£20〜£40(月額1万1千円〜2万1千円)
p1693 ロールス・ロイス(Rolls-Royces)... 先導車みたいなもの(some pace-maker)… 相場20000ドル: [CASA] 当時のロード・レースはコースが舗装が未整備で、自動車レースのpace maker carは馬力があって信頼性の高さが必要だった。このロールスは40/50HP Silver Ghost(1906-1925)。$20000=3661万円。
p1739 紳士録(the Red Book): 英国の貴族人名録Burke’s Peerage(1826初版)は大きな赤い装丁(26x18cm, 2800頁)なので別名The Red Book。
p1821 百万ドル(one million dollars)… ポンドに換算すると25万ポンドを上回る(At the present rate of exchange it amounts to considerably over two hundred and fifty thousand pounds): 100万ドル=18億3024万円、25万ポンド=15億9681万円。金基準1920の換算だと£1=$3.64で100万ドル=27.5万ポンド。当時の為替レートは概ね£1=$4弱なので単純に4で割って暗算したようだ。
p2687 おはよう…きみは高級石鹸を使っていないんだね(Good morning... You have not used Pear’s soap, I see): [CASA] Andrew Pears(c1770-1845)が1789年に創始したPears’ Soap。Eric Partridgeの本でGood morning, have you used Pears’ soapというキャッチ・フレーズを見つけたので、検索すると広告絵が沢山ありました。
p3023 五シリング: 1596円。ボーイへの情報料。
p3367 銃をいつも肌身はなさず持っているんです(I carry a gun. Little Willie here travels round with me everywhere): 後の方ではa murderous-looking automatic, the big automaticと表現。Little Willie又はLittle William(p3430)の愛称(翻訳ではいずれも省略)を持つ拳銃は存在しない。肌身離さずが可能な big 自動拳銃ならコルトM1911(全長216mm)か、Savage M1907の45口径版(全長約221mm、販売数はたったの118丁)が候補か。普通に考えれば前者だが、a murderous-lookingなら後者がふさわしい?製造者のColt, Savageや設計者のBrowning, Searleのいずれもファースト・ネームはWilliamではない。拳銃を愛称で呼ぶのは『トレント最後の事件』(Little Arthur、これも米国での呼び方という設定)の前例あり。当時の英国通俗小説では、米国人は拳銃を愛称で呼ぶのが通例だったのか。(Sexton Blake シリーズ1893-1978とかBulldog Drummond シリーズ1920-1969とかを読めばわかるのかも…)
p3402 フランス人は恋愛と結婚を分けて考える: ここの感じでは、当時の潔癖な英米人には、とんでもないことだったようだ。
p3770 僕は兵隊/陽気なイギリスの兵隊/ほら、ぼくの歩調を見てごらん(I am a Soldier/A jolly British Soldier;/You can see that I'm a Soldier by my feet): トミーが歌っているのだが調べつかず。[CASA]にも項目なし。
p3804 十シリング紙幣: 3192円。頼み事の駄賃。当時の10シリング紙幣はHM Treasury発行 、緑色の印刷、表に女神ブリタニアとジョージ5世の横顔、裏は2細胞胚みたいな図案に10シリングの文字、サイズは138x78mm。
p3880 精神状態が異常だったという医者の診断: [CASA] 人を殺しても金を積めば大丈夫、という自信は1906年のStanford White殺人事件が根拠か。大富豪の息子Harry Thawが犯人で、衆人環視のもとで撃ち殺したにも関わらず、陪審裁判の結果は精神異常により無罪。後に精神病院を脱し、精神は正常だ、との判定を得て自由放免になった。
p4073 運転手に五シリング: 1596円。頼み事の駄賃。
p4336 昨夜の脱出劇(the exciting events of the evening): 経過を考えると「今夜」28日の出来事。
p4353 官給の銃(a service revolver): Webley Revolver Mark VIか。
p4419 シーザー万歳!今、死にのぞんで汝に敬礼す(Ave, Caesar! te morituri salutant): [CASA] 剣闘士たちが闘う前に叫んだ、とスエトニウスが書いている。

1983年のTVドラマを見ました。概ね作品に忠実。時代は1930年前半の設定か。トミーとタペンスに愛嬌があって良い感じ。Little Willieは残念ながら自動拳銃じゃなくてWebley Revolverになってました。

No.5 3点 虫暮部
(2019/05/01 12:49登録)
 作品としてのポテンシャルが低いので本気で読むとアラが目立ってしまうような。トミーとタペンスは若気の至り全開で意外に軽佻浮薄なキャラクター。場当たり的に感じられるストーリー展開がメタ的に面白くはあった。

No.4 5点 蟷螂の斧
(2015/09/22 16:57登録)
初期(1922)の初々しさが感じられる作品。何しろ若い(笑)。著者の冒険・スパイものは概して評判はよろしくないみたいですね。単純なプロットに加え、スピード感、サスペンス感が不足しているのでしょうか。2009年、ガーディアン(イギリスの新聞)が必読小説1000冊を発表。その中に本作は選出されています。また「アガサ・クリスティ ベスト BY 折原一」にて氏は本作を第17位にランクしています。本作の解説をしている杉江松恋氏は本シリーズ「NかMか」をアガサクリスティの私的ベスト10に入れ、本作よりそちらの解説をしたかったとコメントしています(苦笑)。記念碑的作品ということで甘目の採点となりました。

No.3 2点 クリスティ再読
(2015/09/06 17:54登録)
トミー&タペンス強化週間その3。
さてトミー&タペンスの長編の評としては最後になるが、第1作..というかクリスティ自身でも第2作という初期作なんだが...
要するにナイーブ。
でしかも、そういうナイーブさが微笑ませる方に働いているか...というと、そこまでも至ってない感じ。似たような展開が続いてはっきりダレるし、「敵」も何かガチ保守的な人が妄想する「サヨク」なイメージだけを膨らませたようなヘンテコな敵で、リアリティは皆無(まあこういう妄想が爆発した晩年の迷作があるなぁ)。解説では「政治音痴」とまで書かれても当たってるから仕方がない。この手のファンタジー政治学を分かってやっている「木曜の男」とは雲泥の差がある。

評者クリスティ・スリラーへの耐性が付いたつもりでいたけど、本作ははっきりダメです。ミステリ的興味もほとんどなし。敵の首領は二人のうちどっちかで、どっちでも大差ないじゃん....という感覚だから、ホントどうでもいい。「茶色の服の男」がいかにナイーブを装った小説としての巧妙さを潜ませているかが今になって分かる...と思うくらい。ふう。

No.2 5点 seiryuu
(2010/11/07 14:34登録)
ストーリーは強引なところがありましたが
テンポのよい冒険ミステリーでとてもおもしろかったです。
タペンスの行動が大胆でヒヤヒヤしました。

No.1 5点 江守森江
(2010/10/23 12:04登録)
ドラマ視聴→原作おさらいに終始している今日この頃だが、今週からAXNミステリーで「おしどり探偵」シリーズのドラマ版が放送されている。
今週はトミー&タペンスの若かりし頃の再会を描いた長編でありシリーズのスタート作品でもある本作が放送されている(来週から本来の「おしどり探偵」である結婚後を描いた短編のドラマ化シリーズになる)
さっそく図書館に出向きおさらいした。
基本的にクリスティーのスパイ擬き冒険活劇な作品は好みからズレているので低めの評価だが、面白く読めるのは間違いない。
※ドラマ版の違和感についての余談
原作に関係なく、作者に罪は無い(ドラマ制作陣には問題ありかも?)のだが、ノン・シリーズで同様な青春冒険活劇「なぜエヴァンスに〜」で探偵役のカップルを演じた俳優&女優がそのまま「おしどり探偵」シリーズにスライドしていて何故トミー&タペンスじゃないの?との違和感が拭えない。
もっとも、そんな事を気にしたら浅見光彦や十津川警部シリーズなんか観ていられないのだが。
※余談をもう一つ
英国ミステリーで使われる貨幣単位(ポンドくらいは価値が認識できる)シリングやギニーに馴染めず、ミステリ本筋への没頭を妨げられる。

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