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ミステリの祭典

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作家 乾くるみ
出版日2010年07月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 蟷螂の斧
(2015/09/20 15:50登録)
高評価のSFミステリー「星を継ぐもの」もそうでしたが、”なんでもあり”のSFにおけるミステリーとしての評価は下げざるを得ない(苦笑)。本作の読みどころはミスリード?。

No.2 6点 E-BANKER
(2013/02/11 20:00登録)
作者らしい企みに満ちたミステリー作品がコレ。
ジャンルで言えばやっぱりSFってことになるのかな・・・。

~テレビ番組の人気レポーター・羽鳥亜里沙は、中学校卒業を間近に控えた二月、冷凍睡眠装置の研究をする『未来科学研究所』を取材するために、つくば市に向かうことになった。撮影の休憩中にふとした悪戯心から立ち入り禁止の地下五階に迷い込んだ亜里沙は、見てはいけないものを見てしまうのだが・・・。どんでん返しの魔術師が放つ傑作ミステリー~

プロットとしてはかなり魅力的。
主人公の少女が、研究所職員の奸計に嵌って冷凍催眠状態にされ、目覚めれば30年後の世界・・・さて、これからどのような危機に巻き込まれるのか、というところまでは最初から読者にも予想できるのだが・・・
ここまで「ふんふん」と読み進めてきた読者は、第九章(「胡蝶の夢」)で「えっ!」と思わされることになる。
これが一つ目のどんでん返し。

そこから、まるでパラレルワールドのような作品世界が二重構造のように仕掛けられていたと分かるのだ。
これが単なるSFではなく、ミステリー的仕掛けを十分に意識した作者の真骨頂と言えるだろう。
終章ではもう一度「裏の裏か?」と思わせつつ、後を引くようなラストを迎える。
この辺りの手練手管は、「魅力的」プロットと評するだけのことはあるのだ。

ただ、例えば「リピート」などと比べると、サプライズ感は小さいかなぁ・・・
「リピート」は、リピートの仕組みと殺人事件の動機の謎が最後に一気に収束されるというカタルシスが味わえたのだが、本作ではサプライズ感はありつつも、ある程度「予想の範囲内」のまま終了したという印象になってしまう。

ということで、あまり高評価はできないのだが、決して「つまらない」作品ではない。
本作はSFの大家・ハインラインの名作「夏への扉」のオマージュということだが、ネタ元も読みたくなってきた。
(これって、かなり映像向きな作品のような気が・・・。特に美少女フリークなら・・・)

No.1 5点 kanamori
(2010/08/10 18:18登録)
「リピート」は過去への時間移動でしたが、今回は、天才的女子中学生が冷凍催眠によって30年後の未来で覚醒するというSF設定の「物語」。「夏への扉」風のプロットでソッチ系のSFを思わせますが、実はアッチ系のSFだったという仕掛けのミステリでした。
時間移動のシステムなど理系方面の説明が難解で読み飛ばしましたが、一応伏線でもあったとわかります。

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