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ミステリの祭典

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死のドレスを花婿に

作家 ピエール・ルメートル
出版日2009年07月
平均点7.25点
書評数4人

No.4 7点 Akeru
(2018/07/24 19:29登録)
この作者の作品の中でも、起承転結の出来なら随一だろう。
中盤やや中だるみがするので、そこは読み飛ばせば良い。 気分が悪くなるだけで得るものは少ない。
総じて、私見だが、この作品は「その女アレックス」は越えた。
だが訳がよくない。
原文を浚ったわけではないから、詳しいことは言及しない。ただ無生物主語構文と三人称視点の文章の繋ぎ目が不自然に思えるし、そもそも文章全体からいわゆる「文学み」が減じられているように見える。 勿論、個人の感想だ。
どうもカミーユヴェルーヴェンシリーズの訳者は三島由紀夫にかぶれたような文章を書いていた。 そこが好きだったのだが、こっちの訳者はそうではない。
残念だ。

No.3 8点 蟷螂の斧
(2015/10/23 11:32登録)
裏表紙より~『ソフィーの目の前に転がる男児の無残な死体。ああ、私はついに人を殺してしまった。幸福だった彼女の破滅が始まったのは数年前。記憶にない奇行を繰り返し、彼女はおぞましい汚名を着て、底辺に転落したのだ・・・。ベストセラー『その女アレックス』の原点。あなたの心を凍らせる衝撃と恐怖の傑作サスペンス。』~

解説(千街晶之氏)にもありましたが、「その女ソフィー」が相応しいか?。題名は本格物であると、やや問題がありそうですが、まあ、サスペンスものなので・・・(苦笑)。第2章に入り、「えっ、そんなのありなの?」と唖然としてします。サイコ系サスペンスがお好きな人にお薦めのフランスミステリーです。

No.2 8点 HORNET
(2015/08/30 19:47登録)
 第2章の冒頭を読んだ時に、仕掛けはわかる。このサイトの投稿者ならおそらくみなそうだろう。
 しかし真相解明が主のストーリーではないのでそこからがむしろ面白い。終わり方はちょっとあっけなかったが、痛快な締め方なので〇。
 「アレックス」と似たような、物語全体に仕掛けられているスタイルだが、その発想や構成は斬新な感じがして、こういうネタがいくつもあるのならこの作家はすごいと思う。
 とても楽しめた。

No.1 6点 kanamori
(2015/02/14 10:59登録)
ベビーシッターのソフィーは、1年前から記憶の欠落に悩み精神科医にかかっていた。ある日、雇われ先の家のベットで、ソフィーの靴紐で絞殺された6歳児レオの死体を発見したことから、ソフィーは逃亡者として過酷な生き方を選ばざるを得なくなる----------。

ピエール・ルメートルの邦訳第1作。ロマサスのようなチープ感のあるタイトルと、メジャーとは言えない版元ということもあってか、数年前に出版されたときは、ほとんど話題にもならなかった本書ですが、「その女アレックス」の大ヒットで俄然注目されるようになりました。
4部構成になっており、ソフィーの視点で逃避行が語られる第1部は、彼女の過去など状況設定が不詳なため、多少モヤモヤ感がありましたが、ある男の視点に切り替わる第2部から俄然面白くなった。このあたり章が変わる毎に、ヒロイン像や構図を反転させるサプライズ展開のテクニックは「その女アレックス」と共通するものを感じます。
タイトルが結末を示唆しており、また登場人物一覧表で一部ネタを割ってしまっているのがもったいないのですが、面白さは「アレックス」に勝るとも劣らないと思います。(ちょっと誉めすぎかなw)

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