home

ミステリの祭典

login
HORNETさんの登録情報
平均点:6.34点 書評数:1211件

プロフィール| 書評

No.111 5点 白い家の殺人
歌野晶午
(2011/01/16 09:14登録)
 初期の氏の作品を読むと,本格ミステリへの強い熱情が感じられ,本作品もその一つといえます。仕掛けやトリックは,緻密さこそ欠けますが,創意工夫されたものであり,妙に科学的であったり複雑なロジックであったりするものより,分かりやすくてよいと感じるところもあります。
 本格ミステリらしい密閉的な雰囲気は好きです。ただ,密室のからくりについては「結局,そんなことか」。猪狩家の背景にある人間関係が最後に一気に解明されるのもちょっと・・・。
 でしたが,まぁ楽しく読めました。


No.110 7点 警官の紋章
佐々木譲
(2011/01/16 09:04登録)
 道警S第3弾。洞爺湖サミット前,郡司事件で自殺した警官の息子警官が失踪。大臣警護に就いた小池巡査,当時の密輸事件を探る佐伯,警官捜索に就いた津久井,三者それぞれの動きが最後に一つにながっていきます。スピード感もあり,構成のうまさもあり,一気に読み進めてしまう魅力がありました。
 佐々木譲は,「笑う警官」以降の道警Sが一番面白いと思います。


No.109 4点 妃は船を沈める
有栖川有栖
(2011/01/16 09:01登録)
 三松妃沙子という女が通して出てくる二つの中編の連作。トリックとしては一作目のほうが好きです。
 ただ,個人的には,読むほどにこの三松妃沙子という女への嫌悪感が強くなり,なんというか・・・気持ち悪くなります。読後感はあまりよいものではありませんでした。


No.108 5点 ら抜き言葉殺人事件
島田荘司
(2011/01/16 08:56登録)
 作家・因幡沼の「ら抜き言葉」にクレームを付けていた女性笹森が自殺と見られる状況で死に,因幡沼の刺殺体も発見。吉敷竹史が地道な捜査によりその真相を解明するフーダニットミステリです。
 吉敷竹史シリーズは初めて読みましたが,天才肌の御手洗潔とはまた違った泥臭い魅力があっていいですね。


No.107 7点 御手洗潔の挨拶
島田荘司
(2011/01/16 08:52登録)
 一つ一つの短編がよく練られており,御手洗潔シリーズのショートストーリーを楽しむには最適です。「疾走する死者」は「読者への挑戦状」もあり,しかもそれが解けたので楽しめました。隅田川での捕り物を描いた「ギリシャの犬」も暗号解読を主体にしていて面白かったです。


No.106 6点 トーキョー・プリズン
柳広司
(2011/01/16 08:48登録)
 戦後の刑務所を舞台として,探偵が囚人の協力を得て事件の解決に取り組むという作品。
 作者の文章力もあって読み応えがあり,楽しんで読めました。真相に迫るくだりはちょっと偶然もあり,畳み掛ける感もありで,ミステリとしての評価はイマイチかもしれません。
 戦争絡みの話に魅力を感じない人(純然たるミステリを楽しみたい人)には合わないかもしれませんが,展開はテンポよく読みやすいと思います。


No.105 8点 ダブル・ジョーカー
柳広司
(2011/01/16 08:30登録)
 自分の中で評価の高かった「ジョーカー・ゲーム」の続編として,期待を裏切らない面白さでした。
 今回結城中佐はほとんど表には出てきませんが,作品の要所で影をちらつかせています。そういうところが,前作の焼き増しではなく,続編として深みをもたせています。
 裏の裏をかいてくるD機関の緻密な作戦に舌を巻きます。


No.104 7点 ジョーカー・ゲーム
柳広司
(2011/01/16 08:26登録)
 スパイ小説(?)というジャンルがあるのか分かりませんが,こういう類のものは初めて読みました。スパイ養成機関「D機関」のボス・結城中佐の徹底した教育ぶりと,選ばれた者たちの暗躍が,緻密さと凄みをもって描かれており,思わず読み入ってしまいます。冗舌でなく力のある,作者の文体も好きになりました。横山秀夫などが好きな人にはきっと受け入れられるのではと思います。


No.103 4点 流星の絆
東野圭吾
(2011/01/16 08:16登録)
 親の敵をとることを誓った兄妹,その敵を好きになってしまった妹,そのことに気付く兄たち。そういったドラマが主体で,ミステリとしての要素は薄い。
 いかにも大衆受けしそうな作品で,ハードカバーで買ってしまったが,おそらく読み返すことはないと思います。ただこういう新しい設定を考える作者のアイデアはすごいなと思います。


No.102 6点 白夜行
東野圭吾
(2011/01/16 08:03登録)
 いわゆるノワールといわれる作品ですね。主人公が「悪」なので,好みによって評価が分かれる作品だとは思います。ちなみに私は全く気になりません。共感はできませんが。
 それにしてもこのサイトでのあまりの評価の高さに驚きました。確かに面白いと思いますが,私は厚さを「感じ」ました。読み進めるのに苦はないですが,読み終えてみると細部についてはあまり思い出せません。
 やはり私はフーダニットやハウダニットを主体とした,推理小説よりの東野作品のほうが好きです。


No.101 5点 手紙
東野圭吾
(2011/01/16 07:54登録)
 とてもよい作品で,東野作品の中でも好きなほうに入りますが,ミステリの書評ということで5点です。(というかミステリではありませんので)
 テレビドラマなどにある安っぽい感動もの,「家族とはこうあるべきだ」としたり顔できれいごとをアピールするものとは違い,当事者だけにしか分からない複雑な葛藤や本音,選んだ道が描かれていて,深く考えさせられます。
 はじめに書いたように,とてもよい作品です。


No.100 5点 ガリレオの苦悩
東野圭吾
(2011/01/16 07:48登録)
 湯川に対して一方的な恨みをもつ者の犯行を描いたラストの話が印象に残っています。一つ一つの短編が,しっかりした構想で書かれている感じがして流石東野氏だと感じます。大ハズレはまずありません。
 トリックは科学的なものが多く,ストーリー性のほうが重視された作品が多いとも感じました。


No.99 7点 私が彼を殺した
東野圭吾
(2011/01/16 07:44登録)
 「私が彼を・・・」を読んだ多くの人が次にこの作品を読むことを踏まえて,容疑者の範囲,謎解きの質をレベルアップいます。そのように,読者に向けてレベルを上手に調整している所がすごいなと思います。前作が「物足りない」と感じた人も,とりあえずは読んでしまうでしょうし,多くの人が「前作よりも面白い」と感じるでしょう。
 一人一人の容疑者主体で書かれている章があって,それぞれが「私が殺した」と言っている,その構成も面白かった。謎解きも前回以上に楽しめました。


No.98 6点 どちらかが彼女を殺した
東野圭吾
(2011/01/16 07:35登録)
 結末を描かずに読者に推理を委ねるというのが作品の趣旨でもあるので,容疑者や,犯人を特定する条件が絞られており,推理の筋道がある意味易しいのは致し方ないと思います。(そうでなければ「さっぱり分からない」という読者が増えてしまうでしょう)
 犯人を示す決め手は,確かに現実としてこれだけで特定するのは弱いとも思いますが,ある意味昔の海外本格に出てくる探偵のような推理だとも感じました。
 読後に,同じ作品を読んだ人とああだこうだと話せるのも,こういう作品の楽しさですね。


No.97 5点 聖女の救済
東野圭吾
(2011/01/15 21:03登録)
 トリック以上に,トリックをなし得た犯人の執念というか徹底振りに驚愕。言われてみれば,確かにそう描かれており,その描き方にわざとらしさを感じさせないのはさすが著者といったところ。しかし,長編にしてこの仕掛けは物足りなさも正直あった。
 むしろ,冒頭のシーンの意味が分かる所のほうがうまく騙された感じがする。


No.96 7点 新参者
東野圭吾
(2011/01/15 16:09登録)
 「面白い」というより,「上手だな」という思いのほうが強く感じられる作品でした。アパートで起きた女性の殺人事件解明がメインですが,人形町での聞き込みで加賀刑事が遭遇する様々な小事件(?)がサイドストーリーとなり,一つ一つの章となっています。その構成がとてもうまく,流石だな,と感じます。といって,ミステリとしても質が低いわけではありません。


No.95 5点 黒笑小説
東野圭吾
(2011/01/15 16:07登録)
 長い作品を読み続け,「ちょっと息抜きを・・・」というときに向いているでしょう。それぞれは面白いが,あとになってもどんな作品があったか思い出せない・・・ぐらいの軽い読み物集です。


No.94 7点 殺人ライセンス
今野敏
(2011/01/15 16:03登録)
 会社をリストラされ,探偵になることを決意した中年男と,その娘のパソコン好きの同級生が協力して,ネットのゲーム上でターゲットにされた人が本当に殺されていく事件の解決に挑む。
 探偵になるという決意をなかなか家族に言い出せずにいる男と,娘の同級生とが意気投合していく様子が面白いです。素人なりにデータを集めるなどして推理し,事件の真相に迫っていく過程も読み応えがあってよかったです。


No.93 7点 同期
今野敏
(2011/01/15 15:57登録)
 宇田川が警察同期の蘇我を救うために,その思いに触発された植松や土岐らとともに,保身を捨て,正しい理念で生きようとする。その熱さと,同僚たちの絆に感動しました。
 なかなか姿を見せない曽我がどうなっているのか,内部事情はどうなっているのか,その謎が解明される筋道だけでなく,人間ドラマとしての要素も楽しめます。


No.92 5点 壁抜け男の謎
有栖川有栖
(2011/01/15 15:50登録)
純粋なミステリの短編集ではありませんね。肩に力を入れずに時間を費やすのにはよいと思います。作者自身も,思いに任せて気軽に書いたものではないでしょうか。ミステリとして期待はしないほうがいいでしょう。

1211中の書評を表示しています 1101 - 1120