ウォッチメイカー リンカーン・ライムシリーズ |
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作家 | ジェフリー・ディーヴァー |
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出版日 | 2007年10月 |
平均点 | 7.55点 |
書評数 | 11人 |
No.11 | 10点 | 初老人 | |
(2019/12/02 10:28登録) いやぁ…ディーヴァー読みとして、この作品にはこの点数以外、考えられない。 |
No.10 | 7点 | レッドキング | |
(2018/11/02 17:24登録) ライムシリーズ第七弾。「痩身丸顔ドラキュラ」と「巨漢肥満モンスター」の猟奇殺人コンビ。対するは、「四肢麻痺のホームズ」に「モデル上がり女刑事」さらに「透視力女」を加えた探偵軍団。 メンタル動機の連続残虐殺人をめぐる虚々実々の攻防・・と読者を誘導しておいて、アッと驚く操り及びドンデン返し(ここまでは「コフィンダンサー」「エンプティチェア」の踏襲)・・と思わせておいて、エッと驚く更なる「二重返し」。 ここまで捻るとそれまでの作品のハラハラドキドキ感は薄れるが、限りなく「本格の様なもの」に近づく。今のところ そしておそらく今後もジェフリー・ディーヴァーの最高作ではないかと。(ライムおよびダンスシリーズしか読んでないが) |
No.9 | 7点 | E-BANKER | |
(2017/04/24 21:10登録) 大好評(!)リンカーン・ライムシリーズも七作目となる本作。 今回は新キャラクターも登場! 2006年の発表。 ~“ウォッチメイカー”と名乗る殺人者あらわる! 手口は残忍でいずれの現場にもアンティークの時計が残されていた。やがて犯人が同じ時計を十個買っていることが判明、被害者候補はあと八人いる(?)・・・。尋問の天才・キャサリン・ダンスとともにライムはウォッチメイカー阻止に奔走する。2007年度のミステリー各賞を総なめにしたシリーズ第七弾~ 実にサスペンスフルで、実によくできた一級のエンターテイメント作品! と言って差し支えないだろう。 文庫版ではいつものように上下分冊なのだが、これまでのシリーズ作品と比べて、割と静かに流れた上巻から一変! 下巻に入るやいなや、怒涛のように押し寄せるドンデン返しの連続! 事件の様相がつぎつぎに入れ替わり、裏の裏ではなく、裏の裏の裏までひっくり返されることになる。 まさに「ジェットコースター・サスペンス」という言葉がピッタリ! 文庫版解説で、今は亡き児玉清氏も書かれているけど、今回犯人役を務める“ウォッチメーカー”はこれまで登場したなかでも最強クラスの敵となる。 ライム&アメリア、そして新登場のキャサリン・ダンスの超強力トリオをもってしても、ついに捕らえることができなかったわけで、それだけでもいかに狡智に長けていたか分かるというもの。 ここ二作(「魔術師」と「十二番目のカード」)がやや低調気味だったので、尚更本作の原点回帰ぶりが好ましくは映る。 ただ・・・ここまで褒めてきたけど、他の方も触れているとおり、「策士、策に溺れる」感が拭えないのも事実。 シリーズも七作目となると、もはや「ドンデン返し」は予定調和になっているわけで、それを超越したプロットが求められる。 今回は「ドンデン返しの連続技」で読者の期待に応えようとしたように思えるけど、それが余りにも無理筋に見える(または作り物めいて見える)ということなのだろう。 その辺りは難しいよなぁ・・・ でもまぁ、この安定感はやはり大したもの! キャサリン・ダンスもスピンオフに十分耐えうるキャラなのは本作で十二分に分かった。 ということで、次作以降も必ずや手に取るだろうな。 |
No.8 | 6点 | パメル | |
(2016/09/26 01:17登録) 犯行現場に置時計を残すウォッチメイカーと名乗る連続殺人者 また会計士自殺偽装事件 この二つの事件がどこかで繋がっていると思いながら読み進めていく どんでん返しが連続する終盤は前半部分に後半に繋がる多くの伏線が あったことが分かるにしても無理がある展開 どんでん返しが多すぎて焦点がぼやけてしまった感がある エンターテイメントとしては楽しめます |
No.7 | 7点 | itokin | |
(2015/08/08 16:53登録) 全編ハラハラドキドキで逆転、逆転はシリーズでもトップクラスだが数件の事件が同時進行するので混乱する。ダイスの登場、父親の事件等マンネリを防ぐ試みを感じるが少し長すぎるのと犯人が時計になぜこれほどこだわるかが理解しづらい。面白さとさくさく読めるのは相変わらずである。 |
No.6 | 7点 | 蟷螂の斧 | |
(2015/04/20 18:15登録) (東西ベスト73位)裏表紙より~『ウォッチメイカーと名乗る殺人者あらわる。その報がリンカーン・ライムのもとに届いた。手口は残忍で、いずれの現場にもアンティークの時計が残されていた。やがて犯人が同じ時計を十個、買っていることが判明した―被害者候補はあと八人いる!だが、いつ、どこで?尋問の天才キャサリン・ダンスとともに、ライムはウォッチメイカー阻止に奔走する。一方、刑事アメリア・サックスは別の事件を抱えていた。会計士が自殺を擬装して殺された―事件にはニューヨーク市警の腐敗警官が噛んでいるようだった。捜査を続けるアメリアの身に危険が迫る。二つの事件はどう交差するのか?史上最強の敵、登場!時計じかけのごとく緻密な犯罪計画をひっさげてライムとアメリアを翻弄するウォッチメイカー。熾烈な頭脳戦に勝利するのはライムか殺人者か?ドンデン返しに次ぐドンデン返し。あまりに緻密な犯罪計画で読者を驚愕の淵に叩き込む現代最高のミステリー・シリーズ最新作!』~(2006年シリーズ7作目) 途中で、話(事件)がちょっと出来過ぎではないの?との思いもしましたが、ラストでは強制的に納得させられてしまいました(笑)。このシリーズを読むのは4冊目ですが、全編長いようなので、あと1冊ぐらいで打ち止めにしようかな・・・(苦笑)。本作は、マンネリ化を避けるため、サックスの父親の事件を挟むなど憎い演出がありました。 |
No.5 | 8点 | Tetchy | |
(2012/03/12 00:16登録) いやはやウォッチメイカー事件とはこういう事件だったのか、というのが正直な感想。未読の方の興を削ぐので詳しくは書かないが、ライムシリーズといえばシリアルキラー物という定型を上手く利用した作品。 新登場のキャサリン・ダンスもすごくキャラが立ってるし、なるほどこれならばシリーズキャラとして独立するわけだと思った次第。 特に今回注目したいのはライムシリーズ1作目の『ボーン・コレクター』が内容に大いに関わっていることだ。 こういう趣向はシリーズ物を愉しむ読者にとっては縦軸だけでなく横軸への広がりを見せ、大きな絵を描くように世界観が楽しめる。逆に読者は記憶力をさらに試されることになるわけで、今まで他作品の主人公のカメオ出演だけでなく、事細かに設定されたリンカーン・ライムワールドを熟読しておくべきだろう。そうすればますますこのシリーズが楽しめるに違いない。 シリーズ最強の敵ウォッチメイカーはライムにとってのモリアーティとなるのか?シリーズの続きからますます目が離せなくなってきた。 |
No.4 | 7点 | take5 | |
(2011/08/11 09:19登録) まるでテレビを見ているような気分になります。 自分で考えなくてもどんどん頭に入ってくるので、 数時間で一気によめます。 社会背景の記述やトリックの正当性などに疑問をもつのは、おそらく読み終わってからだと思います。 ライムシリーズは読んでいる最中は、何も考えずに浸っていればいいと思います。 人気のある理由だと思います。 |
No.3 | 9点 | HORNET | |
(2011/01/10 16:41登録) 翻訳物は主に本格黄金期の古典的なものしか読まず,近年の海外ミステリはどんなものなのか,まったく知りませんでした。なんとなく勝手な思い込み・偏見で,雰囲気重視の,精密さに欠けるものだとイメージし,近寄らずにいましたが,こんなによく考えられた,精密なものだとは・・・。リンカーン・ライムの「微細証拠物件」の分析は少々化学的な色が濃すぎて疲れますが,彼のキャラクターを引き立たせる推理の仕方とも言えます。何より,もう終わったかと思った後にさらにどんでん返しをされた結末が非常に印象的でした。 |
No.2 | 8点 | あびびび | |
(2010/07/04 04:01登録) ボーンコレクターは映画で見ており、デンデル・ワシントンが凛凛しく演技をしていたのを思い出す。車いすのリンカーンライムが頭脳とニューヨーク市警の刑事スタッフの機動力を生かして事件を解決するのだが、ミステリと言うより、現代社会のひずみから生まれた病にメスを入れる医者のような役割。 その分このサイトでは疑問視される面もあるだろうが、時代の推移を考えれば威風堂々の作品だと思う。ハードカバー二段で 500ページ、文庫だと上下になりそうだが、それでも終わるまで迫力はあったと思う。 |
No.1 | 7点 | kanamori | |
(2010/04/18 21:26登録) このシリーズは、アルセーヌ・ルパンの時代から続く「怪人対名探偵」図式の古いタイプの通俗スリラーなんですが、科学捜査などの新しい装飾と過剰なほどのどんでん返しの連続が一般受けする理由だと思います。 読者が推理して楽しむような創りではないので、ロジックを重視する本格パズラー好きにとっては、あまり評価されないのではないでしょうか。 シリーズ第7作ともなるとマンネリ感は否めません。目先を変えるためライム・ファミリーに新しいキャラクターを次々と加えるため、無駄に物語が長大になっていく感じもします。「次作につづく」方式のエンディングも通俗スリラーそのものでしょう。 まあ、そうはいっても面白かったし、一級品のエンタテイメントには違いないですけど。 |