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ミステリの祭典

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kanamoriさんの登録情報
平均点:5.89点 書評数:2431件

プロフィール| 書評

No.691 5点 銀河忍法帖
山田風太郎
(2010/07/10 23:17登録)
佐渡金山を舞台に大久保長安と謎の男・六文銭の鉄との暗闘を描いています。
長安の脇を固める5人の妾や伊賀忍者たちの繰りだす武器や忍法はちょっと初期作を彷彿させ面白い。主人公の末路も従来作に通じるものがあります。


No.690 5点 海鳴り忍法帖
山田風太郎
(2010/07/10 23:17登録)
室町末期の商業都市・堺を舞台にした後期の忍法帖。
多数の根来僧を率いる松永弾正に挑む、将軍配下の厨子丸という人物を主人公にしています。
本筋に入る前の物語がちょっと冗長で、忍法合戦ならぬ銃火器が出てくるなど、違和感のある忍法帖でした。


No.689 4点 自来也忍法帖
山田風太郎
(2010/07/10 23:16登録)
覆面の謎の忍者・自来也が、お家騒動に揺れる藤堂家を助けるというストーリー。
まさに、よくあるヒーローによる勧善懲悪もので、山風らしい突飛なアイデアが見当たらない凡作だと思います。


No.688 6点 信玄忍法帖
山田風太郎
(2010/07/10 23:16登録)
武田信玄死亡の情報を巡る忍法戦。
影武者とともに真田忍者・猿飛&霧隠らと、家康の命を受けた服部半蔵配下の伊賀忍者の諜報合戦が主体で、奇天烈な忍法は控えめになっている分、正統派の忍者小説といえます。
オーソドックス過ぎて物足りない感じを受けますが、忍法帖の入門書にはいいかもしれません。


No.687 5点 飛騨忍法帖
山田風太郎
(2010/07/10 23:16登録)
なんと勝海舟、坂本竜馬、近藤勇らが躍動する明治維新直前を時代背景にした忍法帖です。(別題は「飛騨忍法帖」)
飛騨忍者・丞馬の視点で幕末動乱を語りながら、不器用で時代にとり残される男の残酷な運命を描いています。
このテーマは明治ものなど他の作品でも書かれていて、作者の強い拘りを感じます。


No.686 8点 警視庁草紙
山田風太郎
(2010/07/10 18:09登録)
警視庁創設まもない明治初期を舞台に、新警察体制相手に挑戦する面々を描いたコンゲーム風連作時代小説。
元南町奉行所の面々が川路大警視をはじめとする新体制側をおちょくる数々の策略が痛快です。
当時の有名政治家や文豪が思わぬところに顔を出す読者サービスも満点で、時代の雰囲気が実によく出ていると思いました。
新体制VS旧体制という構図の行く末は予測がつくものの、非常に余韻の残る終り方です。


No.685 7点 妖説太閤記
山田風太郎
(2010/07/10 18:09登録)
アンチ・英雄譚の傑作です。
豊臣秀吉を扱った歴史小説は多々あり手垢のついた題材といえますが、異常な征服欲の源が、若い時に見染めた信長の妹・お市の方への恋慕だったという基本アイデアのみで、極悪人・秀吉の人物造形を書き変えています。
本能寺の変をはじめとする数々の裏エピソードは、おもわず惹き込まれる迫真性に満ちていました。


No.684 7点 叛旗兵
山田風太郎
(2010/07/10 18:09登録)
関ヶ原で敗れた上杉家の堅臣・直江兼続と前田慶次郎以下直江四天王の権謀術中を描いた謀略時代もの、大河ドラマ「天地人」より断然面白かった。
忍法帖ものの様なテイストの破天荒さに加えて、実在の有名人が多数登場し史実の隙間を突く歴史ものの楽しさを味わう事が出来ます。さらに、最後にある仕掛けを施すなど謀略ものとしても一級品だと思います。


No.683 8点 太陽黒点
山田風太郎
(2010/07/09 00:26登録)
現代(と言っても昭和40年前後)を時代背景にしたミステリとしては山田風太郎の最後期の作品です。
章題が、第1章「死刑執行1年前」から始まってカウントダウンしていきますが、語られていく内容は章題とは無関係と思われるような、清貧な勤労大学生の男女の”青春の蹉跌”といったような物語。
その文芸小説の様相が、最終章で一挙に崩れさる仕掛けは山風お得意の構図な訳ですが、なかなか衝撃的でした。まさか序盤に語られる日露戦争のビスマルク宰相の陰謀が、真相に直結するとは思いませんでした。
「真犯人」の動機が特異で現在ではピンとこないかもしれませんが、著者のエッセイなどを読んでいれば納得できるものです。
なお、廣済堂文庫の帯と裏表紙の紹介文は完全なネタバレをしているので注意が必要です。


No.682 6点 忍法八犬伝
山田風太郎
(2010/07/08 18:45登録)
馬琴の「南総里見八犬伝」を下敷きにした、その何代か後の里見家の同様のお家騒動。
家宝の八つの珠「忠・孝・悌・仁・義・礼・智・信」が、くノ一忍者によって偽物にすり替えられるが、偽珠の文字が「淫・戯・乱・盗・狂・惑・悦・弄」というのが笑える。
八犬伝の世界を巧く忍法帖にアレンジしているのはさすがです。


No.681 5点 忍法忠臣蔵
山田風太郎
(2010/07/08 18:45登録)
忠臣蔵の討ち入りに実は忍者たちが関わっていた、というお話。
裏・忠臣蔵ともいうべきアンチテーゼ作品は、他の作家も何冊か書いていますが、忍者によるアプローチはユニーク。
ただ、忍法帖そのものの荒唐無稽さが発揮されていないのは残念です。


No.680 6点 忍びの卍
山田風太郎
(2010/07/08 18:45登録)
徳川家光の時代を背景に、公儀忍び組の統一問題が絡んだ陰謀劇。
甲賀、伊賀、根来の三派の代表に加え、大老の命を受けた柳生流剣法の使い手の4人がまさに卍状に絡み合っています。
ほとんど4人の争いに焦点が絞られていますので、人物造形も比較的ていねいに描かれていて読みやすい。
今作も、最後に忍者の宿命と悲哀が浮かび上がります。


No.679 6点 外道忍法帖
山田風太郎
(2010/07/08 18:44登録)
切支丹の隠し財宝を巡る三つ巴の忍法合戦。
あまりに多数の忍者が登場し名前を覚える前に死んでいきます。なにせ、伊賀忍者15名×甲賀忍者15名×切支丹童女15名が入り乱れています。
「甲賀忍法帖」などの使い回しの忍法であったり、戦いがあっけなく決着するケースが多々あり、合戦ゲームとしてはいまいちですが、財宝をめぐる伝奇ものとして楽しめました。


No.678 7点 くの一忍法帖
山田風太郎
(2010/07/08 18:44登録)
大阪城落城後の千姫を守る5人の女忍者と徳川家康傘下の伊賀忍者5人の忍法合戦。
もちろん女の武器を用いた忍法が読みどころ(笑)ですが、原作は映画ほどエロチックではありません。
秀頼の落し胤を宿した5人の女忍者たちの行く末は明白ですが、史実を覆す終盤のサプライズには、きっちり伏線が張られていたのはさすがです。


No.677 8点 風来忍法帖
山田風太郎
(2010/07/08 00:19登録)
風来坊の7人の香具師たちVS風魔忍者という構図で、忍法帖本来の楽しさを満喫させてくれる隠れた傑作です。
どうしようもない風来坊の男たちが、麻也姫というヒロインに出会って心機一転、困難なミッションに挑むというストーリーは、後の山田正紀に見られる素人VSプロのアクションものに影響を与えたに違いありません。
主役格の7人の男たちが個性豊かで、読むほどに魅力に満ちて来るのは不思議な感覚です。


No.676 6点 伊賀忍法帖
山田風太郎
(2010/07/07 23:57登録)
傑作「甲賀忍法帖」と対になるタイトルですが、内容に直接の関連はありません。
飛び抜けた能力がない一人の伊賀忍者VS松永弾正率いる根来忍者衆というのが対立の構図で、主人公の置かれた立場上感情移入しやすいかもしれません。


No.675 6点 柳生十兵衛死す
山田風太郎
(2010/07/07 23:30登録)
柳生十兵衛三部作の第3作。
十兵衛が室町時代にタイムスリップするという設定自体もはや忍法帖シリーズとは言えないでしょう。相当後期の作品で、作者も忍法帖に飽きていたことを如実に現しているプロットです。
主人公よりも、世阿弥などの能の世界の興味で書かれたような作品でした。


No.674 8点 魔界転生
山田風太郎
(2010/07/07 23:30登録)
柳生十兵衛三部作の第2作。
山風忍法帖の中で一般受けナンバーワンは本書でしょう。当初のタイトルは「おぼろ忍法帖」でしたが、映画化もありインパクトがある作中に出てくる忍法名に改題されたようです。
他の忍法帖と大きく異なるところは、設定自体が忍法魔界転生による剣豪たちの蘇生にありますが、物語中の活劇は忍法ではなく、剣劇が主体という本格的な剣豪小説の趣が強い点でしょうか。
天草四郎をはじめ宮本武蔵、荒木又右衛門など多彩な敵役の魅力も見逃せません。


No.673 8点 柳生忍法帖(上・下)
山田風太郎
(2010/07/07 23:30登録)
柳生十兵衛三部作の1作目。
山風忍法帖はページ分量が多い作品ほど面白いというのが定説のようです。本書も大作ですが、忍法帖と銘打たれるほど忍法が出てこない点では異色です。
千姫の命を受けた十兵衛が、7人の女性の敵討の助太刀をするというのがメインプロットで、伝奇時代小説を思わせる波乱万丈の謀略戦が読みどころ。奇想天外さがない分、往年の時代小説ファンにも抵抗なく受け入れられる内容です。


No.672 7点 妖異金瓶梅
山田風太郎
(2010/07/07 23:29登録)
中国宋代を時代背景にした艶笑譚を元ネタにした連作ミステリ。
連鎖式短編集を読んでいくうちに、いつの間にか長編ミステリに変貌していきます。豪商の妻と7人の妾の間で次々と殺人事件が発生する様は、だんだんマンネリ感が漂ってきて、ミステリ趣向よりも、ある女性の人物造形に引き込まれる創りになっています。

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