| kanamoriさんの登録情報 | |
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| 平均点:5.88点 | 書評数:2501件 |
| No.481 | 6点 | 泥棒は哲学で解決する ローレンス・ブロック |
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(2010/06/15 21:20登録) 泥棒バーニイ・ローデンバーが探偵役を務めるシリーズ第4弾。 泥棒に入った先で死体に遭遇したり、関係者が殺されバーニイが容疑者になるという同じパターンで巻き込まれ型探偵を演じます。一人称形式で語られるバーニイの軽妙なアメリカン・ユーモアも楽しみの一つですが、毎度きっちりフーダニットものの本格ミステリになっていて、今回も大団円では関係者を集めての謎解きが見られます。 本作は特に犯人特定のロジックがきれいに決まっているように思いました。 |
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| No.480 | 6点 | 嘘は刻む エリザベス・フェラーズ |
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(2010/06/15 20:58登録) 射殺死体が発見された家の100個以上の時計が全て誤った時間を刻んでいたという謎に素人探偵が挑むというストーリー。タイトル通り「嘘」がテーマで、時計だけでなく事件関係者たちの供述も嘘で固められています。 時計の謎はあまり感心できませんでしたが、プロット上の仕掛けはなかなか意表をつきました。 トビー&ジョージシリーズのような軽妙な語り口は影をひそめていますが、まずまずの本格ミステリでした。 |
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| No.479 | 7点 | 事件当夜は雨 ヒラリー・ウォー |
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(2010/06/15 20:31登録) 警察小説の大家ヒラリー・ウォーの看板シリーズ、フェローズ署長ものの第3作。 著者の代表作といわれる「失踪当時の服装は」は、捜査状況をリアルに描いていて確かに読み応えが充分ですが、ミステリとしての趣向が弱い印象でした。 本書は遅々として進まない捜査状況や捜査官の人物造形の書き込みが弱いという欠点もありますが、フーダニットとして優れていると思います。真犯人像も発表年次を考慮すれば非常に現代的で、今読んでも違和感がない点が評価できます。 |
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| No.478 | 6点 | 魔王の足跡 ノーマン・ベロウ |
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(2010/06/15 18:58登録) 魔女が縛り首になった樹の伝説とか雪野原途中で消えた足跡など、怪奇趣味と不可能興味溢れるプロットはまさにディクソン・カーを彷彿とさせます。 不可解な事象に対して、色々と推論を重ねていくスタイルをとっているのもいいです。探偵役のスミス警部の印象はいまいち薄いですが、怪奇現象研究家の女性が面白いキャラクターで補っている感じです。 傑作とは言えないかもしれませんが、他の作品もこのような作風ならもっと読んでみたい作家です。 |
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| No.477 | 6点 | 証拠は眠る R・オースティン・フリーマン |
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(2010/06/15 18:36登録) ソーンダイク博士ものの長編ミステリ。 倒叙形式ではなくフーダニットですが、犯人はある程度見えやすくなっています。ミステリとしての一番のキモは砒素による毒殺方法がなかなか分からない点で、(実際に実行可能か判然としませんが)この真相はなかなか意外でした。 作者に対しては古臭くて退屈というイメージでしたが、本書に関してはいい意味で予想を裏切ってくれています。 |
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| No.476 | 5点 | フレンチ警部の多忙な休暇 F・W・クロフツ |
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(2010/06/15 18:16登録) 旅行会社社員モリソンがイギリス列島巡行の豪華船事業計画に協力するうちに船長の殺人事件に巻き込まれるというストーリー(「フレンチ警部と賭博船」という別題があったようです)。 前半のモリソン視点の物語は例によって少々退屈で、初期の重厚さはありませんが、フレンチ登場後のアリバイ崩しはまずまず面白かった。写真の工作によるアリバイトリックとしては、この作品が先駆かもしれません。 |
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| No.475 | 4点 | 虚空から現れた死 クレイトン・ロースン |
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(2010/06/15 18:00登録) 奇術師探偵ディアボロが登場するミステリ中編2本収録。 探偵の職業やデビュー長編に似たタイトルから、グレート・マーリニもののようなガチガチの本格編を期待しました。たしかに2編とも密室殺人を扱っていますが、テイストはバットマンなどの米国漫画を彷彿とさせるヒーローものの通俗ミステリでした。 不可能興味満点の発端に対して解決が腰砕けなぶん落胆は大きかったです。 |
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| No.474 | 5点 | さかしま砂絵 都筑道夫 |
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(2010/06/14 22:26登録) なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ第11弾。 まとまったシリーズ本としては最終巻となる本書も、本格ミステリとしてはあまり読みどころのない作品集でした。「退職刑事」もそうですが、シリーズものは作者自身が飽きてしまって目先を変えるため、本来のコンセプトを捨ててしまうパターンが多いですね。 |
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| No.473 | 4点 | いなずま砂絵 都筑道夫 |
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(2010/06/14 22:13登録) なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ第10弾。 人間消失などの不可能興味でハウダニットもののミステリとして構築できる話もありますが、アイデア枯渇の感じが明確に覗われて残念な出来です。 前作に続いて、長屋のアウトロー仲間が容疑者となるパターンが続くのも気になるところ。 |
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| No.472 | 4点 | ときめき砂絵 都筑道夫 |
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(2010/06/14 22:01登録) なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ第9弾。 マンネリを感じさせる作品が多いのですが、クリステイ某作を彷彿させる設定の「待乳山怪談」とか、下駄常視点で砂絵のセンセーの安楽椅子探偵もどきの「水見舞」などはまあまあかなと思います。 |
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| No.471 | 6点 | 林の中の家 仁木悦子 |
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(2010/06/14 18:50登録) 沈着冷静な安楽椅子型の兄・仁木雄太郎とあわて者で行動型の妹・悦子が探偵役を務めるシリーズ第2弾。 電話で呼び出された兄妹が、ある家で死体を発見するという発端で、オーソドックスなフーダニットですが、今作も何気ない描写に隠された伏線が最後にきれいに回収されます。 現在、乱歩賞のデビュー作以外は比較的手に入り難いシリーズ作ですが、いずれも端正な本格編で読みやすいのがいい。 |
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| No.470 | 5点 | デパートへ行こう! 真保裕一 |
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(2010/06/14 18:21登録) 自殺志願の中年男や家出した若いカップルなど、いずれも訳ありの男女4組が閉店後の深夜の老舗百貨店に忍び込んで引き起す騒動を描いた群像劇。 作者の生真面目な性格の表れなのか、期待したドタバタ・コメデイではなく、デパートを巡る陰謀話からステロタイプな人情話に終わっています。しかし、このあらかさまなデパート賛歌、業界からいくらか貰っているのか? |
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| No.469 | 5点 | 震えない男 ジョン・ディクスン・カー |
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(2010/06/13 16:39登録) フェル博士が古い屋敷に招かれた客人の密室殺人に挑むという著者定番のストーリー。創元推理文庫からは「幽霊屋敷」の邦題で出ていますが、ともに絶版のようです。 機械的密室トリックはちょっと推理するのは難しそうで、証言者の嘘が関与している点もマイナス要素です。 面白いのは、フーダニットに関してプロット上のある仕掛けをしているところ。これは、バークリーの某作を思い浮かべました。 |
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| No.468 | 6点 | 不自然な死 ドロシー・L・セイヤーズ |
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(2010/06/13 16:17登録) ピーター・ウィムジイ卿シリーズ第3作。 料理屋で知り合った医師の話から、ピーター卿がある老譲の不審死を追求していくストーリー。 真犯人は序盤からほぼ明らかになっていますが、自然死に見せかけた殺人方法の謎と第2の殺人のアリバイが壁になって遅々として物語が進展しない。例によってシェークスピアなどの古典からの引用癖にはもどかしく感じましたが、終盤ある偶然から、次々と謎が明らかになる展開はなかなかスリリングです。 殺人者の肖像はある意味現代的で古さを全く感じさせないのはさすがです。最後の日蝕のエピソードはピーター卿の心情を表現したものでしょうか。 |
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| No.467 | 6点 | 殺人者は21番地に住む S=A・ステーマン |
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(2010/06/13 15:49登録) 何らかの秘密を抱えた住民たちを中心に下宿屋(もしくはアパート)を舞台にしたサスペンスというのは、ミステリの一つのジャンルといえるでしょう。本書は、連続殺人鬼は下宿人のうち誰か?を問うシンプルながらサスペンスに溢れた本格編で、読者への挑戦を挿入するという稚気が楽しい。 この意外な真犯人の設定には、フランス語圏の本格ミステリ特有のむちゃがありますが、ひょっとしてこの作品はクリステイのアレを意識しているのではないかとも思います。 |
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| No.466 | 5点 | 証拠の問題 ニコラス・ブレイク |
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(2010/06/13 15:21登録) 著者の処女作で、シリーズ探偵・ナイジェル・ストレンジウェイズの初登場作品。 学園ものミステリで、予備校教師で友人の殺人容疑を晴らすべくナイジェルが乗り出すというストーリーです。 古い訳文のせいもあると思いますが、探偵役をはじめとする登場人物像があまり伝わってこないので、少々読むのに苦労しました。要は証拠重視の警察捜査を皮肉ったということでしょうか。 凶器の隠し場所トリックは、以前に推理クイズで読んだ気がして、この作品が元ネタかと思った。 |
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| No.465 | 7点 | 家蝿とカナリア ヘレン・マクロイ |
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(2010/06/13 15:03登録) ベイジル・ウィリング博士が探偵役を務めるシリーズ第5作。 原題は"Cue for Murder"で直訳すれば「殺人の手掛かり」ですが、そのものズバリの手掛かりを意訳して邦題としているのが何とも挑戦的です。 プロローグのカナリアを鳥籠から解放する謎の行動が、劇場の殺人事件にどう結びつくのか最後まで読者の興味をつなぐ構成が優れていて、派手な展開がなくても正統派の古典本格を読んだという満足感を得られました。 |
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| No.464 | 6点 | オリンピックの身代金 三好徹 |
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(2010/06/12 21:19登録) 犯罪サスペンス、身代金シリーズの第3弾。 今回、泉の標的はロス五輪で、競技運営そのものではなく、オリンピックの衛星放送の妨害です。身代金がシリーズを重ねる毎に増えて30億円で、トラック1台分の札束をどのように奪うのかも面白い点です。 最後は完結編らしく爽快感を味わうことができます。 |
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| No.463 | 6点 | モナ・リザの身代金 三好徹 |
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(2010/06/12 21:06登録) 犯罪サスペンス、身代金シリーズの第2作。 今回、泉の標的は政府主催の「モナ・リザ展」ですが、名画の強奪はあっけないので、知的ゲーム小説としては物足りない感じを受けます。 対峙する政府に政商フィクサーが絡んでくるプロットは面白いのですが、前作と比べると緊密度に欠ける気がします。 |
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| No.462 | 7点 | コンピュータの身代金 三好徹 |
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(2010/06/12 20:49登録) コンゲーム風の犯罪サスペンス、身代金シリーズ三部作の第1作。 銀行のコンピュータ室に忍び込んだ主人公の泉ら二人の身代金10億円奪取と脱出方法を推理し楽しむ知的ゲーム小説で、この少し後に登場した岡嶋二人の小説に似たテイストがあります。 当時、こういうタイプのミステリは海外では多数書かれていますが、国内だと他に山田正紀が思い浮かぶぐらいで、先駆性は評価できると思います。 |
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