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ミステリの祭典

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狐の密室
神津恭介&大前田英策

作家 高木彬光
出版日1977年07月
平均点3.80点
書評数5人

No.5 2点 文生
(2017/11/08 09:08登録)
神津恭介と大前田英策の2大探偵が夢の競演を果たして密室殺人に挑むという割に事件そのものがかなりこじんまりとしている。密室殺人も初歩の初歩といったトリックが使われており、これならわざわざ神津恭介が登場するまでもなかったよなあといった感じ。著者晩年の作品であり、創作力の衰えを企画でカバーしようという意図が見てとれる凡作である。

No.4 5点 メルカトル
(2017/02/23 21:42登録)
高木彬光の持ちキャラ二人の探偵が、宗教絡みの雪密室の謎に挑戦する晩年の作品です。法医学者神津恭介と私立探偵大前田英策の二大探偵が共演するわけですが、これは筆力の衰えが見え始めた高木氏のファンに対するせめてものサービスと私には感じられます。
ストーリー、密室トリック、プロットなど見るべきものはほとんどなく、まさに平凡を絵に描いたような作品に出来上がってしまって、残念な限りです。また、二人の探偵は対決するわけではなく、あくまで共演ですので、その意味でもあまり萌える要素はありませんね。燃えているのは大前田のみで、神津は相変わらず冷静そのもの。それぞれの個性が相殺し合っての最初で最後の共演は、淋しいものになりました。
甘目の採点で5点でしょうか。

No.3 5点 nukkam
(2011/01/25 16:25登録)
(ネタバレなしです) 1977年発表の本書は神津恭介と大前田英策の共演作品(前者にとってはシリーズ第13作、後者にとってはシリーズ第4作で最終作)で、雪密室が登場するなどネタ的にはかなり面白そうですが思ったよりも淡白な本格派推理小説でした。もともと派手な言動とは縁遠い神津恭介の天才ぶりを際立たせるのは簡単ではないのですが、本書の合理的だけど小粒なトリックでは謎解きのカタルシスを得るのは難しいです。他の作品感想で駄目ワトソン役の松下研三の大袈裟な驚きぶりを私はあまりにも不自然だと何度か批判していましけど、彼が登場しないとそれはそれで何か物足りないですね(笑)。

No.2 4点 江守森江
(2010/05/30 00:28登録)
高木彬光ファンには自前のシリーズ探偵・神津恭介と大前田英策の共演は嬉しい筈だった。
しかし(元々、落差は激しいが)作品レベルの低下をキャラの共演では誤魔化しきれずに多数の高木彬光(特に神津恭介限定)ファンはガッカリした事だろう。
当時かくゆう私も、本を手にした時の喜びと、読後のガッカリ感との落差が大きかった。
この作品のせいで初期・神津シリーズの再読以外は長期的(約十年)に作者の作品から離れたほどだった。
さほどのファンでなく今から高木彬光を読み進むならば、初期の神津シリーズのみ、社会派も許容範囲なら「誘拐」あたりまで読んで打ち止めでよいと思う。
※採点は神津恭介に対する愛で1点加点している(いちいち記載していなかったが個人的には黒歴史な作品も含め神津恭介登場作品は全て思い入れで1点加点してある)

No.1 3点 kanamori
(2010/05/29 22:13登録)
ともにシリーズ探偵である神津恭介と大前田英策の共演作。
新興宗教の教祖の雪の密室殺人を描いていますが、密室トリックが情けないほどしょぼい上に、物語自体に斬新さがなく、まったく面白くありませんでした。
如実に筆力の衰えが表れている作品です。

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