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ミステリの祭典

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初陣
隠蔽捜査シリーズ

作家 今野敏
出版日2010年05月
平均点5.83点
書評数12人

No.12 6点 take5
(2019/06/20 23:32登録)
隠蔽捜査シリーズ3*5スピンオフ作品です。
伊丹側の葛藤がすっきり大岡さばきされるところが気持ちがよいです。
相変わらず読みやすい、二時間はかからないです。

No.11 6点 haruka
(2016/01/11 12:33登録)
伊丹を主人公に据えた短編集。過去作の裏話含め、隠蔽捜査シリーズと整合性を保っているのが、ファンには嬉しいところ。

No.10 7点 E-BANKER
(2014/05/20 21:53登録)
地上波でドラマ化され、今や大人気となった『隠蔽捜査』シリーズ。
「隠蔽捜査3.5」というサブタイトルが付された本作は、竜崎のライバルであり同級生の伊丹(警視庁刑事部長)を主役に据えた作品集。いわゆるスピン・オフっていうやつね。

①「指揮」=伊丹が警視庁へ赴任する前、福島県警配属時代について書かれた本編。警視庁へ異動が決まり、後任者への引き継ぎを行おうとした矢先、殺人事件が管轄内で発生する。常々「現場主義」を謳っている伊丹の行動は?
②「初陣」=捜査費用に関する不正事件が明るみに出た警察。不正事件に対する答弁を用意する竜崎は伊丹に連絡をとる。その内容に伊丹は苦悩することになるのだが・・・。伊丹の(よく言えば)“人間臭さ”が明かされる一編。
③「休暇」=長年の夢(?)を叶え、休暇で伊香保への温泉旅行を企てる伊丹。しかし、こういう時に限って、管内で殺人事件が発生する。竜崎のスゴさが分かる一編。(ここから竜崎は大森署長へ異動になっている)
④「懲戒」=以前の部下が事件に巻き込まれ、人事処分の対象になっている矢先、渦中の国会議員に食事に誘われることになった伊丹。人事的判断を委ねられ、苦悩する伊丹は今回も竜崎の助言を頼ることに・・・
⑤「病欠」=インフルエンザに罹ってしまった伊丹。刑事部長として指揮を取ることに拘る伊丹は病身をおして、所轄に詰めるこっとになったが、なにぶん体が・・・。冷え切っていた伊丹夫婦のやり取りがなかなか良い。(病気の時って家族のありがたさがよく分かるよね)
⑥「冤罪」=怪しい容疑者が二人。捜査陣は片方の男を犯人として逮捕するが、ある古参の刑事はもうひとりの男を真犯人と指摘し続ける。竜崎のことばは今回も原理原則を貫き、清々しいほど。
⑦「試練」=これは「疑心(隠蔽捜査3)」につながる前日譚という位置付け。「疑心」で竜崎を虜にする女性警官・畠山美奈子は伊丹の心も捉えていた! こんな女性近くにいないものかねぇ・・・
⑧「静観」=竜崎がある事件の捜査不備を指摘されていることを知った伊丹。心配して(?)竜崎を訪ねる伊丹だが、結局は竜崎のスゴさを思い知ることになる・・・

以上8編。
これまでのシリーズ作品はすべて竜崎側の視点で書かれていて、そこでは竜崎が困ったときに助言(?)を与える役ドコロとして登場していた伊丹。しかし、本作で伊丹は困りっぱなしだ。そのたびに竜崎へ連絡し、竜崎の原理原則を貫いたことばを聞き、自身の取るべき行動を決断していく・・・
そう、本作では竜崎はまるで神のように、あらゆるものに対して一刀両断。すべて的確な判断を行っていくのだ。

視点を変えただけで、物語がこんなに面白くなるのかと痛感した本作。
プロットに特別拘ったものはないのだが、さすがの手腕と唸らされた。
単純にいえば「面白かった」ということに尽きる。

No.9 5点 simo10
(2013/06/15 00:24登録)
隠蔽捜査シリーズ第3.5弾。竜崎の同期で幼馴染みの伊丹の視点で語られる短編集です。
基本的にはどの作品も 伊丹が難しい判断に迫られる→竜崎に相談する→竜崎が「どうしてそんなことで悩んでいるのか理解できない」的なこと言う→伊丹は「言われてみれば悩むことなどないではないか」的なことを思う のパターンです。
ワンパターンではありますが竜崎、伊丹のキャラクターを楽しむことが目的の読者(私のような)にとって予定調和的な流れが心地良く、サクサク読めました。

No.8 6点
(2012/02/11 18:25登録)
短編集なのでスラスラ読めました。
シリーズを読んでいないと面白みが半減します。

No.7 6点 こう
(2012/01/21 00:30登録)
 伊丹と竜崎のやりとりは好きなのでこの作品集も楽しめました。メインの事件の真相が正直大したことはないので続けて読むとやたら竜崎の優秀さを持ちあげているように見えるのが少し気になります。
3のプロローグとなる「試練」も収録されていますが正直この話はこれ以上膨らませてほしくはないです。
「病欠」は読み始めたところから落ちまで予想がつきましたが実際の警察ではちゃんとした対応がとられているんだろうかとちょっと気になりました。

No.6 7点 HORNET
(2011/04/24 17:22登録)
「隠蔽捜査」シリーズの伊丹俊太郎を主役とした,スピンオフ短編集。もともと伊丹は好きだったので,とても面白く読めた。刑事部長として判断に迷うとき,竜崎にアドバイスを求め,問題を解決していく過程に,相変わらずの竜崎らしさを垣間見る。一方的に親友と思っている伊丹と,なんだかんだいってかかわりを断ち切れない竜崎との,微妙な関係も好感が持てる。

No.5 4点 3880403
(2011/04/08 18:24登録)
番外編(伊丹が主人公)で短編集。
前作までの主人公も出てくるのだが、パターンがだいたい同じ。

No.4 7点 VOLKS
(2011/01/04 17:38登録)
「裏・隠蔽捜査シリーズ」というか「隠蔽捜査シリーズ・スピンオフ」というか。
伊丹の視点から書かれてはいるが竜崎の影が常に見え隠れしており、結果的には竜崎の格好良さが描かれている、といった作品。
笑いどころも随所に散りばめてあり面白かった。

No.3 6点 ZAto
(2010/10/17 22:43登録)
伊丹にとって、竜崎は決してコンプレックスを抱くだけの相手ではない。
この本が巻末に近づく頃、伊丹は竜崎への友情を思い、それをひとり語りのように告白して本書は終る。
やや、情緒過多ではあるが読後感は決して悪くはなかった。

No.2 5点 江守森江
(2010/07/24 22:50登録)
隠蔽捜査シリーズのスピンオフ短編集(8話収録)と言うべきで、映画なら助演賞候補に該当する伊丹を主人公に本編の主人公である竜崎を描いている。
シリーズ本編の広告も兼ねた販売戦略で「小説新潮」に不定期掲載された作品を時系列に並べ直した物。
現在「小説新潮」連載中の「隠蔽捜査4」の前宣伝で書かれた「静観」を除いて「隠蔽捜査2.5」の方が相応しい内容になっている。
出来れば「疑心」を読む前にこれを読んでおきたい(特に「試練」)
竜崎の信念を笑いながら読むのが楽しいシリーズなので短編はオマケとしか思えない(私的な事情:収録中の5編を「小説新潮」掲載時に読んでしまったからそう感じるだけかもしれない)

No.1 5点 kanamori
(2010/05/30 21:45登録)
隠蔽捜査シリーズ初の短編集。
「隠蔽捜査3.5」というサブタイトルからして苦笑ものですが、主人公の大森署長・竜崎という特異なキャラクターを友人の刑事部長伊丹の視点で軽妙に掘り下げていて、お笑い警察小説として充分に楽しめました。
前作「疑心」の裏話である「試練」ほか、各編とも軽めの語り口のためスラスラ読めます。

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