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ミステリの祭典

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グリーン車の子供(創元推理文庫版)
中村雅楽探偵全集2

作家 戸板康二
出版日2007年04月
平均点6.67点
書評数3人

No.3 7点 まさむね
(2016/11/20 12:58登録)
 老優「中村雅楽」シリーズの短編18作品を収録。小泉喜美子氏・佐野洋氏・巽昌章氏・日下三蔵氏のそれぞれの解説も楽しい。
 ベストは、やはり名短編の誉れ高い表題作でしょう。日本推理作家協会賞に短編部門が誕生し、初の受賞作がこの「グリーン車の子供」だったのですね。勉強不足で知りませんでした…。いったい何が謎なのか、何が事件なのか、そのこと自体が不透明な中、しっとりとした語り口で物語は進行し、綺麗に着地します。まさに、短編のお手本といった見事な作品であります。
 ただし、個人的には、作品の本質とは直接関係しないものの、「新幹線こだま号」に結構な違和感を持ちつつ読了したのも事実。佐野氏の解説でコトの顛末を知ったわけですが、このことも含めて、記憶に残る作品となりそうです。

No.2 7点 ボナンザ
(2014/04/08 01:14登録)
一作目と比べると圧倒的に日常の謎だが、発想の豊かさに圧倒される。

No.1 6点 kanamori
(2010/06/01 18:52登録)
歌舞伎役者・中村雅楽シリーズ全集の第2弾。
「密室の鎧」とか「ラスト・シーン」という本格編もありますが、多くは日常の謎を扱った作品がそろっています。
その代表作が「グリーン車の子供」だと思いますが、真相は何か?以前の、謎は何か?を問う構成がユニークです。
この作品集は続けて読むとちょっとシンドイ面もあり、まったりと空いた時間に少しづづ読むのがいいように思います。

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