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ミステリの祭典

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文生さんの登録情報
平均点:5.87点 書評数:510件

プロフィール| 書評

No.190 5点 人間動物園
連城三紀彦
(2020/09/04 21:10登録)
連城三紀彦ならではの仕掛けは見事だと思うものの、誘拐サスペンスならではの緊迫感がほとんど感じられなかったので読んでいる間はかなり退屈でした。そのため、最後のどんでん返しもあまり驚けなかったのが残念です。

『このミステリーがすごい!2003』では7位にランクインしていますが、個人的には同じ年に発売されてランク外だった『白光』の方が遥かに面白かったです。


No.189 9点 半七捕物帳
岡本綺堂
(2020/09/02 17:41登録)
江戸の風俗描写を交えながら不可解な謎を提示し、その謎を半七が小気味よく解いていくスタイルに痺れます。とにかくテンポがよく、謎解きのレベルもかなりのものです。個人的にはシャーロックホームズよりも楽しめました。このような謎解きミステリーの傑作が江戸川乱歩がデビューする以前から存在していたことに驚かされます。


No.188 6点 二銭銅貨
江戸川乱歩
(2020/08/31 07:14登録)
探偵小説の巨人、江戸川乱歩のデビュー作品
ポーの『黄金虫』やドイルの『踊る人形』のような暗号ものと
思わせておいてそこからひとひねり加えているのがユニークです。
あくまでも小品ではあるものの、近代ミステリーの草分け的存在として
評価すべき作品だといえるでしょう。


No.187 4点 皮膚の下の頭蓋骨
P・D・ジェイムズ
(2020/08/30 18:54登録)
『女には向かない職業』に続く女探偵コーデリアシリーズ第2弾。
人々が集められた孤島で殺人事件が起きるという展開で、クローズドサークルを現代風に料理するという趣向には大いに興味がそそられました。しかし、心理描写や風景描写が過剰に多く、やたらと冗長なのが気になるところです。その割に真相が特に驚くべきものでもないためにどうしても肩透かしを覚えてしまいます。試みとしては買いますが、全体的には『そして誰もいなくなった』を3倍に水増しした印象で、作品としてはイマイチという感が拭えません。


No.186 5点 女には向かない職業
P・D・ジェイムズ
(2020/08/30 15:53登録)
22歳のヒロインが奮闘する女探偵ものの先駆的な存在として評価されている作品です。しかし、ミステリーとしての面白さはさほど感じず、けなげなヒロインの魅力込みでも可もなく不可もなくといったところではないでしょうか。


No.185 6点 八百万の死にざま
ローレンス・ブロック
(2020/08/30 15:14登録)
悪くはないが少々長すぎで、記憶に残っているのはアルコール依存症のエピソードだけ。事件の方はちっとも印象に残らないのが難。
それでもラストは感動的でよかったです。


No.184 7点 Iの悲劇
米澤穂信
(2020/08/30 10:02登録)
古典部シリーズや小市民シリーズといった著者得意の連作学園ミステリーを公務員に置き換えたような作品です。
限界集落の問題をミステリーの謎に絡めいる点がよくできており、興味深く読むことができます。また、一つ一つの推理には粗を感じる部分があるものの、実はその粗が伏線となっていて最後にすべてがつながるところが見事です。著者ならではのビターな結末も印象深く、なかなかの佳品だといえるのではないでしょうか。


No.183 4点 三つ首塔
横溝正史
(2020/08/16 17:08登録)
八つ墓村同様、冒険譚メインのミステリー
中学生の時に読んでそこそこ退屈せずには読めたものの
エロチックなシーン以外は印象に残らない作品でした


No.182 6点 人間の証明
森村誠一
(2020/08/16 05:49登録)
本作を本格ミステリとしてみた場合、解くべき謎が「ストイハ」「キスミー」などといった一種のダイイングメッセージぐらいしかなく、極めて薄味です。
しかし、その一方で、西條八十の詩に絡めた悲劇とそれに伴う人間ドラマは非常に読み応えがあります。
森村誠一による社会派ミステリーのひとつの到達点です。


No.181 4点 奇岩城
モーリス・ルブラン
(2020/08/15 21:01登録)
子どもの頃に結構ワクワクしながら読んだ記憶はあるのですが、やはり問題はホームズの扱い
江戸乱歩の「黄金仮面」におけるルパンの扱いもひどかったが、この作品のホームズの扱いも同じぐらいひどい


No.180 6点 がん消滅の罠 完全寛解の謎
岩木一麻
(2020/08/13 18:28登録)
末期癌のはずの患者が次々と完治するという謎が強烈でぐいぐいと引き込まれていきます。物語の深みといったものには欠けますが、テンポよく読めるので暇つぶしには最適な作品だといえるでしょう。
ただ、肝心のトリックは専門知識を要するものであり、本格ミステリの面白さを期待した人はがっかりかもしれません。
その代わり、お勉強ミステリーとしてはなかなかの佳品です。


No.179 4点 僧正の積木唄
山田正紀
(2020/08/11 13:53登録)
― 僧正殺人事件は解決していなかった!アメリカに渡っていた金田一耕助けが真実を解き明かす!!
という非常にワクワクする内容なのに全然乗れなかったですね。
まず、山田正紀節と原典の雰囲気が水と油だし、本格ミステリとしてもこれといって魅力がない。
それに社会問題とかをこの題材に持ち込んでほしくなかったというのが正直なところ。
山田正紀自体は好きな作家なのだが、「桜花忍法帖」といい、パスティーシュ作品には向いていないと思う。
全部自分色に染めてしまうから。


No.178 5点 生首に聞いてみろ
法月綸太郎
(2020/08/09 13:49登録)
ミステリーとしては細部までよく考えられているものの、他の多くの人と同じで、ストーリーが起伏に乏しくて退屈に感じました。
また、ミステリーとしても丁寧ではあるのですが、今一つインパクトに欠ける点が残念です。
クオリティ自体は決して低くはないものの、結構長めの長編を支えるには魅力不足な気がします


No.177 4点 キドリントンから消えた娘
コリン・デクスター
(2020/08/07 19:19登録)
二転三転四転五転する多重解決ものでコリン・デクスターの代表作と目されている作品ですが、個人的にはイマイチでした。
まず、二転三転といっても一つ一つの仮説にさほどの根拠がなく、また、緻密なロジックによって導かれたものでもないので、それをひっくりかえされても特に驚きや衝撃を感じられなかったのが、楽しめなかった大きな理由として挙げられます。
それに、肝心の真相がぱっとしないうえに、すべての発端である手紙の送り主が不明のまま終わったのも大きなマイナス点です。
全体的な完成度はデビュー作である『ウッドストック行最終バス』のほうが遥かに上のような気がします。


No.176 6点 ウッドストック行最終バス
コリン・デクスター
(2020/08/04 19:56登録)
1万人の住人の中から容疑者を1人に絞り込むロジックには思わず笑ってしまいましたが、それ以外の仮説にはそれほど面白味を感じなかったのが残念です。二転三転する推理と聞いて『毒入りチョコレート事件』や『ギリシャ棺の謎』のように誤答の一つ一つに魅力のあるもの、あるいはもっとぶっとんだバカミスを想像していただけにその辺はちょっと期待外れでした。
ただ、唯一バカミスっぽかった1万人の絞り込みロジックや真相の意外性などを含め、全体的にはそこそこ楽しめた作品ではあります。


No.175 4点 ヒトクイマジカル
西尾維新
(2020/08/03 11:20登録)
初期の西尾維新ならではの萌えキャラ殺しはかなりのインパクト。
ただ、読みどころはそれだけ。
シリーズ最初の2作とは違ってもはやミステリーとはいえず、かといって、伝奇バトルとしてもスケール感に乏しい中二理論満載のよくわからない戦闘で面白くない。
この作者にバトルものは向いていないと思う。


No.174 5点 狂い壁 狂い窓
竹本健治
(2020/08/01 18:43登録)
じめっとした雰囲気の和風幻想ミステリーの味わいは評価できるものの、本格ミステリとしてはこれといって面白味を感じられなかったのが残念。


No.173 6点 シャム双子の秘密
エラリイ・クイーン
(2020/08/01 18:25登録)
山火事に囲まれて逃げ場のない山荘で殺人事件が起きるという設定はかなりスリリングですし、終盤になるとクイーンが名探偵の存在意義に疑問を持つなど、後期クイーン問題の萌芽も見られます。読み応えという点ではなかなかの作品だといえるでしょう。
ただ、肝心の殺人事件を巡る推理がダーイングメッセージの解釈に終始するだけでかなり地味。
そこそこ楽しめはしたものの、できれば舞台装置に見合ったインパクトのある謎を用意してほしかったところです。


No.172 4点 ミステリ・オペラ
山田正紀
(2020/07/31 07:36登録)
『神狩り』や『宝石泥棒』といった著者のSF小説が大好きで、しかも、日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞のダブル受賞ということで大いに期待して読んだわけですが、どうにも良さが理解できませんでした。
個々のエピソードはそれなりに読ませるものの、「ミステリーの形を借りて描いた昭和史」というテーマ性がまったくピンとこなくて、最後まで物語に入り込むことができなかったのです。
本格ミステリとしては個々のトリックが凡庸すぎるということもあり、自分にとってはイマイチな作品でした。


No.171 7点 密閉山脈
森村誠一
(2020/07/29 09:35登録)
雪の降り積もった山頂で男が殺され、死亡推定時刻以降に雪は降っていないはずなのに犯人の足跡が見当たらないという、いわゆる雪密室ミステリーです。
分かってみれば単純なトリックながらも、ディクスン・カーの『白い僧院の殺人』や『貴婦人として死ぬ』などと全く異なるアプローチに創意工夫の跡が見られ、好感が持てます。

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