まさむねさんの登録情報 | |
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平均点:5.88点 | 書評数:1269件 |
No.329 | 6点 | 理由あって冬に出る 似鳥鶏 |
(2012/10/20 23:06登録) 単なる学園コミカル系かと思いきや,プロット自体はなかなかに骨太。意外性も相まって,印象は悪くないです。次回作も読んでみようという気にはさせられました。 |
No.328 | 6点 | 黒猫館の殺人 綾辻行人 |
(2012/10/20 23:05登録) 本当に偶然なのですが,道東地方の旅行中に読んだのですよねぇ。雰囲気が出ましたねぇ。一方,あれほど散りばめられた伏線をスルーしていたのは,きっと旅行中であったせいだと,自分を納得させている今日この頃であります。 |
No.327 | 6点 | 虹果て村の秘密 有栖川有栖 |
(2012/10/18 22:41登録) 正統派ド真ん中の「ミステリーランド作品」と言えましょう。子ども達に対する愛情を感じますね。 なお,有栖川氏とジュブナイルって,よくよく考えてみると,とても相性が良いような気がします。また同じ感じで書いてくれないかなぁ… |
No.326 | 6点 | スタジアム 虹の事件簿 青井夏海 |
(2012/10/18 22:35登録) 安楽椅子モノの連作短編。 ミステリ部分は,正直特筆すべきモノはないのですが,登場人物が揃って魅力的で,野球を絡めた展開も面白いです。万年最下位のプロ野球球団の女性オーナー(しかも野球オンチ)を探偵役に設定したことで,膨らみが増しています。 ちなみに,個人的な話で恐縮ですが,私は大のパ・リーグファン。なので,結構楽しめたわけです。プロ野球好きの方は,どうぞ。 |
No.325 | 6点 | 鍵のない夢を見る 辻村深月 |
(2012/10/14 17:07登録) 直木賞受賞作。すべて,女性視点一人称の短編集。短編のタイトルとは裏腹に,ミステリ度は相当に低いのですが,特に女性心理を捉えた人間ドラマとしては良なのかも(評価は分かれそうですが…)。 ちなみに,登場人物については,「分かるな~」ってよりも,イライラすることの方が多かったですね。単に私が「女性心理」に疎すぎるからなのかもしれませんが。 ①仁志野町の泥棒 ノンミステリ。うーん,分かるような,分からないような。 ②石蕗南地区の放火 うーん。どちらにも腹が立つなぁ。これもミステリとは言い難い。 ③美弥谷団地の逃亡者 うーん。特にコメントなし。 ④芹葉大学の夢と殺人 この短編集中でベストの印象。日本推理作家協会賞(短編部門)ノミネート作品だそうで。で,います,います,この類のオトコ(とオンナ)。 ⑤君本家の誘拐 うーん。分かるんだけれども,小説としては,何ら驚けないような… |
No.324 | 5点 | 暗い宿 有栖川有栖 |
(2012/10/13 22:45登録) 廃業した民宿,高級リゾートホテル,温泉旅館,都心の高級ホテルといった「宿泊施設」を舞台にした短編集。作品によって出来栄えはマチマチです。 結構すぐに忘れてしまいそうな作品もあった中で,最も記憶に残りそうなのは「ホテル・ラフレシア」でしょうか。謎がぼやけている印象もありますが,「ホテル・カルフォルニア」のメロディや歌詞とともに,その美しくも怪しいムードが心に残ります。 |
No.323 | 6点 | 怪盗グリフィン、絶体絶命 法月綸太郎 |
(2012/10/13 10:10登録) 「へぇ~,法月さんって,こういうタッチもOKなんだ」という,個人的な発見が。ミステリーランドだからこその発見ですね。 反転の妙もあり,冒険スパイ小説として十分に楽しめました。 |
No.322 | 5点 | 魔王城殺人事件 歌野晶午 |
(2012/10/09 22:11登録) トリック自体は,敢えて云々言うまでもないレベルなのですが,ミステリーランドの趣旨を勘案すれば非常に「正しい」作品であり,好感を持ちました。(注:私がこれまで読んだミステリーランド作品は麻耶氏の「神様ゲーム」のみであるため,何をもって「正しい」とすべきなのかは,自分でもよく分かりませんが…。) 多くの皆様のおっしゃるとおり,なるほど,ミステリーランドは様々に楽しめますねぇ。どんどんノベルス化・文庫化されているようですし,今後,積極的に読んでいくことになりそうです。 |
No.321 | 4点 | 人形館の殺人 綾辻行人 |
(2012/10/06 20:26登録) 館シリーズの中でも,ひときわ異彩を放つ作品ですねぇ。好き嫌いがはっきり分かれそうですが,私にとっては相当に期待はずれ。「館シリーズに求めているのはソコではない」とでも言いましょうか…。 館シリーズを順に読むとすれば,コレを飛ばして時計館ってことでもOKですね。と,言いますか,個人的にはコレを館シリーズに分類すべきなのか,悩ましさすら感じます。 |
No.320 | 3点 | 殺人現場は雲の上 東野圭吾 |
(2012/09/30 18:47登録) スチュワーデスの通称エー子とビー子が遭遇する事件を扱った短編集。 ミステリ的に中身が薄いうえに,登場人物の設定や描写に相当な「やっつけ感」を抱いたため,ちょっと読み進めるのが辛かったですねぇ。作者に期待するレベルとの落差が凄かったので,マイナス1点ですな。(既読の氏の短編集の中で,ワーストのような気がします。) |
No.319 | 7点 | 迷路館の殺人 綾辻行人 |
(2012/09/24 23:14登録) 全体構成(特に作中作の使い方)が絶妙です。結構キワドイ面もあるのですが,個人的にはセーフかな。建物のトリック自体は「うーん…」といった印象なのですが,後半の畳掛け具合は流石に巧いと思いますね。ある意味で「新本格」の王道か? ちなみに,時計館を先読していたため,かなり損をした気分(完全に個人的な事情であって作者に非はないのですが…)。その事情なしにこの作品に出会っていれば,さらに高評価にした可能性が大です。 |
No.318 | 6点 | 陽気なギャングが地球を回す 伊坂幸太郎 |
(2012/09/21 21:33登録) 伊坂作品で初めて映画化された作品。展開もスピーディーだし,爽快感もあるし,確かに映像向きですね。 全体的に伊坂ワールド全開です。「はいはい,ココ伏線ですよ~」ってな具合に分かり易すぎる面もあるのですが,とにかくサクサク読み進めるべし。エンタメ小説として結構楽しめると思いますね。 |
No.317 | 5点 | チヨ子 宮部みゆき |
(2012/09/16 22:38登録) 巷の評判から予測していたよりは,悪くなかった印象。作者の気持ちは,何となく理解できます。 しかし,全体的に中途半端な感じは否めず,ちょっと残念。 |
No.316 | 6点 | ジュリエットの悲鳴 有栖川有栖 |
(2012/09/11 22:41登録) ノンシリーズものの短編集(一部掌編を含む)。 作者の十八番たるロジックを期待された方にとっては,おそらく肩透かし感を抱くものと思われます。しかし,個人的には,バラエティ豊富で,むしろ好ましく感じました。 「夜汽車は走る」が個人的なベストで,雰囲気と全体構成に味わいがあります。一転して,「登竜門が多すぎる」はパロディもの。これも良かった。ショートショートの中では,「世紀のアリバイ」が秀逸。イマイチと思った作品も正直ありましたが,全体的には楽しめましたよ。 |
No.315 | 5点 | 腕貫探偵 西澤保彦 |
(2012/09/09 13:53登録) 櫃洗市を舞台にした安楽椅子探偵モノの短編集。 内容としてはまずまず楽しめたのですが,探偵役を「腕貫」をした地方公務員(市民サーヴィス課臨時出張所担当?)に設定した趣旨がイマイチ分からないですなぁ。 |
No.314 | 7点 | 退職刑事1 都筑道夫 |
(2012/08/22 23:12登録) 国内の安楽椅子探偵モノの嚆矢とも言える作品ですね。 ロジックを積み重ねた上での,事実の反転ぶりがなんとも楽しかったですねぇ。まさに安楽椅子探偵モノの醍醐味ですな。 ちなみに,個人的には前半4作品(写真うつりのよい女,妻妾同居,狂い小町,ジャケット背広スーツ)が粒揃いでオススメです。 |
No.313 | 5点 | 新・日本の七不思議 鯨統一郎 |
(2012/08/22 00:18登録) 前々作「邪馬台国は~」で取り上げたネタの検証又は補強もあったりして,インパクトという面では,どうしても一段落ちるかなぁ…と。 むしろ,二人はいつの間に?…ってコトの方が気がかりでしたね。結構二人のバトルが好きだったのだけれども(笑)。 |
No.312 | 7点 | 十八の夏 光原百合 |
(2012/08/18 20:19登録) すべて恋愛をからめた短編で構成されています。個人的にはかなりの好印象。 1 十八の夏 推理作家協会賞(短編部門)受賞作らしく,纏まった作品。青春小説としても読ませます。 2 ささやかな奇跡 ミステリ的には弱いのですが,ストーリーそのものは相当楽しめました。弱いんですよねぇ,こういうの。 3 兄貴の純情 これもミステリ的にはパンチが足りないのですが,兄貴の愛すべきキャラは楽しめます。 4 イノセント・デイズ 最もミステリ要素が強いですね。ともすると救いようのないネタを,読後感よく締めているのは素晴らしい。 |
No.311 | 6点 | 陽だまりの偽り 長岡弘樹 |
(2012/08/14 15:14登録) 横山秀夫氏を彷彿とさせる短編集(そういえば,文庫版の解説にも同様の記載がありました)。 人間の弱さと優しさの織り込み具合は確かに巧いです。多少,オチが見えやすい面もありますが,全作品ともきっちりまとめています。第一作品集としては水準以上であると思いますね。(内容的には好き嫌いがあるかもしれませんが。) これが日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作の「傍聞き」に繋がって,ブレイクしたのだと思うと,新たな短編の名手と呼ばれるのも,私は素直に首肯できますね。 |
No.310 | 2点 | 増加博士の事件簿 二階堂黎人 |
(2012/08/11 09:19登録) 二階堂氏としては初と思われる,ショート・ショート集。 正直,決してオススメできません。いくらパズル雑誌の依頼に基づく作品とはいえ,これはないだろう…って感じです。「頭脳刺激系ミステリー」って言われてもなぁ。 |