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ミステリの祭典

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林真紅郎と五つの謎
林四兄弟シリーズ

作家 乾くるみ
出版日2003年08月
平均点3.40点
書評数5人

No.5 4点 まさむね
(2012/11/21 23:41登録)
 タイトルどおり,5編から成る短編集。林真紅郎(シンクロー)さんが「シンクロ推理」という設定自体で「なんだかなぁ…」って感じなのですが,収録作品の出来栄えもまさにそんな感じ。
 唯一「過去からきた暗号」は,暗号嫌いの私でも楽しめた佳作。この作品に限って「シンクロ推理」が不発で,それが効果的な捻りに繋がっています。何とも皮肉なものですねぇ。この作品に免じて…という気持ちもあるのですが,やや厳し目にこの採点とします。

No.4 5点 E-BANKER
(2012/07/03 22:29登録)
地方の名家・林家の四男坊である真紅郎を探偵役とした作品集。
同じ林家の三男・茶父(さぶ)が主人公である「六つの手掛かり」読了したため、遡って本作を手に取ることに・・・

①「いちばん奥の個室」=この「個室」とはあるホールの女性トイレ。少し前に別の場所にいたはずの女性が、なぜかあっという間にトイレの中で後頭部を殴られ瀕死の重傷を負う、という謎。こう書くとかなり高等なトリックが出てきそうだが、使われたトリックはあろうことか「○○」・・・。いやぁ、まさかねぇ・・・、これはいわゆる反則じゃないか?
②「ひいらぎ駅の怪事件」=舞台は地方駅のホーム。階段の上からの転落事件と、デジカメ盗難事件が発生するのだが、これもかなり偶然っていうか、「ふーん」としかいいようがない真相。
③「陽炎のように」=旧友の妻が脳死判定を受け、臓器を提供するという事件が発生。そこに昔起こったある事件を絡めているのだが、結局は真紅郎の妄想に過ぎなかった、っていうことか? まるで「霊」が降りてきたように思わせぶりに書いているが、この真相もちょっといただけない。
④「過去からきた暗号」=本作だけが文庫書き下ろしの好編。小学生時代に作った暗号文を20年後に解き明かすという趣向。暗号はポーの「黄金虫」やホームズものの「踊る人形」の焼き直しではあるが、解読したと思わせてもう一回ひっくり返されるだけよくできているとも言える。これは暗号を含め楽しめる。
⑤「雪とボウガンのパズル」=犯人と思われる足跡なく残された死体・・・というよくあるプロットの変型版。凶器はボウガンということで、足跡は問題にならないのではという推測を抱くが、ある目的のために○○を使ったというところにプロットの「肝」がある。

以上5編。
「六つの手掛かり」はとにかくロジック一辺倒で、作者も楽しんで書いているのが分かる作品になっていたが、本作は狙いがちょっと曖昧な気が・・・
真紅郎が得意とする「シンクロ推理」(真紅郎だからシンクロ・・・)も別になにか特徴があるわけではなく、インパクトに欠ける。
まぁ、初期作品ということもあるのか、粗が目立つ作品という印象が残った。
(④がベスト。⑤は普通。①~③はちょっといただけない。)

No.3 4点 江守森江
(2009/09/16 23:55登録)
まず最初に、読むべき本の選択と順番について考えさせられる。
この作品で最初に'乾くるみ'に接したなら他の作品(特に同系統の「六つの手掛かり」)には手が伸びにくいだろうと考えると残念。
さて本作だが、一見本格ミステリ風な短編集。
しかし、シンクロ推理で脱力する結末に到達する日常の謎作品。
オーソドックスで作者らしい仕掛けも無く平凡。

No.2 2点 なの
(2008/12/27 15:11登録)
いやぁ、クソつまんねーっス
乾くるみ初読がコレでしたので、
他の作品を読む気になれなくて困ってます
高評価な作品も結構あるようですが・・・まぁ、そのくらい酷いって事で

No.1 2点 KeHa
(2008/12/27 06:08登録)
読んだあとに時間無駄にした気がした。

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