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ミステリの祭典

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まもなく電車が出現します
市立高校シリーズ

作家 似鳥鶏
出版日2011年05月
平均点4.80点
書評数5人

No.5 4点 ボナンザ
(2020/01/25 23:12登録)
この高校ろくな奴いねぇ・・・。
葉山君はそろそろ切れてもいいと思うけど、自業自得なところもあるから仕方ないね。

No.4 4点 E-BANKER
(2018/10/12 23:00登録)
探偵役は「伊神さん(男)」、ちょっと抜けてる主人公の「葉山(男)」、その葉山とコンビを組む「柳瀬さん(女)」。
この三人が中心人物となるシリーズの作品集。
いわゆる「学園ミステリー」という系統。2011年の発表。

①「まもなく電車が出現します」=部室として使ってる部屋に突如として出現したNゲージの謎。一応謎は解けるわけなのだが、声を大にして言いたい。「だから?」と・・・。どう考えても労苦の方が大きいだろ!
②「シチュー皿の底は並行宇宙に繋がるか?」=シチューの中に入れたはずのジャガイモが消えてしまったという非常に重大な謎がテーマ。アリバイもどきのトリックでロジカルに謎解きが成されるわけなのだが、声を大にして言いたい。「だから?」と・・・。どう考えても労苦の方が大きいだろ!
③「頭上の惨劇にご注意ください」=校庭を歩いていた葉山に落とされた植木鉢。でもその植木鉢は誰も落とせなかった・・・という謎。アリバイもどきのトリックでロジカルに謎解きが成されるわけなのだが、声を大にして言いたい。「だから?」と・・・。どう考えても労苦の方が大きいだろ!
④「嫁と竜のどちらをとるか?」=小品です。短いです。コンパクトです。「だから何?」です。
⑤「今日から彼氏」=葉山とある同級生との青臭いラブストーリーが描かれる前半から中盤。もしやこのままラブストーリー?と思いきや、「伊神さん」が登場し、まさかの展開が始まる。でもこれって相当回りくどいな。絶対労苦の方が多いはず。

以上5編。
タイトルに惹かれて何となく手にとった本作。
はっきり言うと手に取らなくても良かったなというひとこと。

「日常の謎」も決して嫌いな分野ではないのだが、あまりにもロジックのためのロジックっていう感じで、そのうえこのスケール感だとどうしても「イタさ」の方が強くなってしまう。
ということで、評価はこの程度。
(⑤はなぜモザンビークなんだろう?)

No.3 6点 メルカトル
(2014/08/16 21:44登録)
日常の謎を扱った連作短編集。コミカルな学園ミステリと銘打たれているが、際立ってコミカルな点は見当たらない。むしろ、ライトでありながらシリアスな重箱の隅をつつくがごときミステリではないだろうか。
全般的にそこそこ面白いが、ドラマティックな要素が不足しているため、その意味では一般受けしない気もする。その中でも別格と言えるのはやはり最終話の『今日から彼氏』だろう。この作品ばかりは探偵役の伊神さんも出番はないと思っていたら、良い意味で期待を裏切ってくれた。だが、kanamoriさんもご指摘の通り、主人公の葉山と柳瀬さんの関係が他の作品を読んでいないため、イマイチはっきり理解できていないのは痛い。シリーズ物は順番に読め、ということなのか。
まあしかし、この作家の他作品も読んでみようかという気にはなった。意外と評価が低いのでどうすればいいのか・・・。

No.2 5点 まさむね
(2012/11/04 17:56登録)
 短編集です。最終話の「今日から彼氏」が無ければ,マイナス1点でしたね。とはいえ,この作品もシリーズ読者でなければ(柳瀬先輩を知らなければ),面白みは半減するような気がします。
 他の作品は,正直言って面白みが薄いです。ロジカルではあるのですがねぇ。食いつきどころが無いというか…むしろ食欲がわかない感じかな?

No.1 5点 kanamori
(2011/07/04 18:45登録)
学園ミステリ、葉山君と伊神先輩シリーズの短編集。
なぜ開かずの間の部室に鉄道模型を出現させたのか?、なぜシチューのなかのジャガイモを食べたように見せかけたのか?など、提示される日常の謎はハウダニットの興味より動機を中核の謎としているようですが、謎そのものに魅力を感じないのでロジカルな解法ながら読後感は微妙。
最終話の「今日から彼氏」だけは、謎そのものが謎のまま終盤にサプライズを仕掛けた編中のベスト作品。しかし、ぼくと柳瀬さんの関係など、シリーズを通して読んでないと作者の意図した趣向が活きないのではと思う。

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