測量ボ-イさんの登録情報 | |
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平均点:6.25点 | 書評数:630件 |
プロフィール| 書評
No.170 | 8点 | 幻影城の殺人 篠田秀幸 |
(2009/08/20 20:56登録) (多少ネタバレ有) 氏の作品を読んだ中で3作めですが、その中では一番良い 出来栄えでした。 いくつかの不可能犯罪の提示があり、その各々に対して合 理的が解決がなされていたのがその主な理由です。中には もろに他作品のパクリ(これもパクリである旨申告してい るのでさほどマイナスにはならず)や、ちょっと納得いか ない部分もありましたが、全体的には好印象です。 「読者への挑戦」もありましたが、これは犯人当てるのは 難しいですね・・・単独犯ならともかく、共犯がいたので すから。 作中に数人の架空のミステリ作家と評論家が登場しますが、 これらのモデルが誰なのかを想像するのも楽しいものです。 (読んだ方、判りましたか?) |
No.169 | 7点 | 青い密室 名探偵星影龍三全集(2) 鮎川哲也 |
(2009/08/16 14:18登録) これもなかなかの短編集。 表題作「青い密室」 わずか20頁あまりの作品ですが、本格ものの王道をいく作品。 すれっからしの方には真相を見抜きやすいですが、良作です。 「白い密室」 雪の中の密室殺人、そうあの古典名作「白い僧院の殺人」を 髣髴とさせますが、解決は当然異なります。でも、これもあ る別の古典作品とトリックは酷似していますよね。 あと、「薔薇殺人事件」が良かったでしょうか。あくまで本 格としての解決と、鮎哲氏らしい洒落っ気に満ちたオチがあ ります。 |
No.168 | 6点 | ジュリエットの悲鳴 有栖川有栖 |
(2009/08/14 10:26登録) 氏の短編集はどれも水準作以上で安心して読めますが、とび きりの傑作にもなかなか出逢えない、そんな感じです。 この短編集では「タイタンの殺人」が一番良かったでしょう か?宇宙人の中でおこる殺人、ユニ-クな構成です。 内容的には7点でも良いのですが、謎解き要素の薄い作品が 多いので、マイナス1点。 |
No.167 | 8点 | 有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー アンソロジー(国内編集者) |
(2009/08/14 10:19登録) これは良作揃いでおおいに楽しめました。 特に印象に残るのは以下の3作。 「金色犬」 漫画家つのだじろう氏の作品。漫画の体裁はとっているもの の、伏線も十分の本格仕立て作品です。 「生死線上」 台湾の作家がスイスを舞台に書いたトラベルミステリ。この 手のものが好きな方にはお勧めできます。日本以外で鉄道ト ラベルものの作品に出逢える貴重な作品。 「51番目の密室」 トリックはこのサイトをご欄になる方なら殆どの方が知って いるでしょう。そう、僕もトリックだけ知っていて作品は初 めて読んだのですが、ネタを知っていても感動しました。 |
No.166 | 5点 | 冷たい密室と博士たち 森博嗣 |
(2009/08/11 15:12登録) 及第点という評価と、いまひとつ何かが足りないという評価 が入り混じって微妙な感じです。 ただ、殺人があっ時間帯の関係者の動きを表にしてもらえれ ば有難いんですけどね(親切にそれをやると、読者に真相を 看破され易いのでわざとやらない?)。 男女1名づつが殺害されますが、他の方も指摘されるように 女性の方を殺してしまう理由はやはり僕も納得いきませんで した。細かな話しですが。 氏の作品をはじめて読みましたが、この作品は評判ではかな りオ-ソドックスな部類とか。もう1~2作読んでから、自 分に合う、合わないを判断しようかと思います。 |
No.165 | 7点 | 隠された帝 井沢元彦 |
(2009/08/09 14:08登録) 書かれている歴史的検証部分は8~9点。でもミステリとし て評価すれば5~6点。で、中をとって(?)7点です。 僕も天智・天武両帝は兄弟ではないという意見に個人的に は同意ですが、ここでは更に大胆な仮説が展開されていて、 興味深く読めました。 |
No.164 | 6点 | 御手洗潔のダンス 島田荘司 |
(2009/08/09 14:04登録) 久々に再読しました。 「山高帽のイカロス」 う-ん。あまり印象に残らない。 「ある騎士の物語」 この短編集で一番良いと思います。僕好みのトリック。 「舞踏病」 後年よりましですが、御手洗氏の超人ぶりがもう発揮さ れています。というか、御手洗氏が知りえた情報を読者 に公開していない部分があって、これは少しアンフェア ではないですか? |
No.163 | 6点 | 嘘でもいいから殺人事件 島田荘司 |
(2009/08/09 13:59登録) 「漱石と倫敦ミイラ」より更に軽いノリでサクっと読めます。 確かに島田氏らしくない感じはしますけどね。 |
No.162 | 8点 | 失踪当時の服装は ヒラリー・ウォー |
(2009/08/02 17:58登録) (多少ネタばれ有) 存在と評判はずっと以前から知っていましたが、ようやく本を 入手して読みました。 スト-リ-展開にリアル性があって、なかなか面白かったで す。この小説のモデルとなるような現実の事件がかつてあっ たのかも知れませんね。 不満点といえば、ヘアピンが遺棄されていたところの川に死 体を投棄しても、発見地点へ流れつくことはないという推理 ・検証の過程が図に書いて説明していないので判りにくかっ た事くらいでしょうか? でも捜査をすすめる巡査部長は、さながら鬼貫警部(鮎川氏 の)の米国人版のようだったですね。後年の作家の作品に対 する影響力も大きかったであろうと推測します。 採点7点or8点で悩みますが、翻訳ものにしては読みやすい 文章でしたので8点としました。 |
No.161 | 6点 | 華やかな喪服 土屋隆夫 |
(2009/08/02 17:54登録) 「不安な産声」と同じく、犯罪の過程と動機に焦点をあてた 作品。 でも何だか犯人よりも物語の主人公の女性に同情します。 物悲しい話しです。 |
No.160 | 7点 | モーツァルトの子守歌 鮎川哲也 |
(2009/07/31 19:47登録) 久々に鮎川氏の短編集を読みました。 僕が今まで読んだのは倒叙ものが多かったのですが、これは また趣が違いますね。 でも、バ-「三番館」のバ-テンはなかなか魅力的なキャラ クタ-です。こんな人が身近にいたら、僕も人生相談に乗っ て欲しいです(笑)。 |
No.159 | 6点 | モロッコ水晶の謎 有栖川有栖 |
(2009/07/31 19:43登録) 2~3年前に読んだものを再読しました。 表題作「モロッコ水晶」ですが、この結末、僕はまあ否定的 には見ないですが、賛否は分かれるでしょうね。 「ABCキラ-」は某古典名作の単なる模倣ではなく、それ なりにオリジナリティはありましたが、結末は何だか微妙な 感じでした。 |
No.158 | 7点 | 星降り山荘の殺人 倉知淳 |
(2009/07/25 12:34登録) (多少ネタばれ有) 雪に閉ざされた山荘ものという設定で読みました。 今さら古臭い、と言われてもこの設定好きなもので(笑)。 さて肝心の中身ですが、この作品は犯人を特定するロジッ クよりも、「あれ(いわゆる○○トリック)」がメインな のですね・・・読了後しばらくして気づきました(いつも ながら、鈍い僕です)。 これは反則スレスレの騙し方なので、一部の方にはアンフ ェアだといわれそうですが、僕にとっては「セ-フ」でし た。 いままで古今東西いろんな作品で鍛えられてきた(?)の でこの犯人に驚きはしませんでしたが、満足いく作品です。 |
No.157 | 5点 | 法隆寺の殺人 篠田秀幸 |
(2009/07/24 19:57登録) 僕の好きな歴史もので飛鳥時代(主に聖徳太子)が題材 になっており、とっつき易く楽しく読めました。 ただ、ミステリとして評価すると微妙・・これは「アン フェアだ」という判定を下す人、少なくないでしょうね。 最後の説明で作者の主張は理解できなくないですが、こ の論理を本格推理小説に無理やり適用するのはちょっと どうかという気がします。 それがなければ7~8点の評価ができるだけに、残念。 |
No.156 | 8点 | ヴィーナスの心臓 鮎川哲也 |
(2009/07/18 15:03登録) (多少ネタばれ有) 「達也が嗤う」これは完成度の高い短編です。犯人当てもの が好きな方にはお薦めできる一遍。伏線の張り方も見事です。 類似のトリックは〇辻〇人氏の某長編作品にもありますが、 当然こちらの方が古い作品です。海外作品にも前例があるの でしょうか?僕の知る範囲ではありませんが。 他の作品もまずまずのレベルです。 |
No.155 | 5点 | 御手洗潔のメロディ 島田荘司 |
(2009/07/18 14:57登録) 御手洗潔のカリスマ性頼みの短編集といった感じですね。 これは推理小説ではなく、ただの読み物?といった作品 もありましたし。 相変わらずの御手洗の超人ぶりに満足するか、辟易とする かは読み手しだいです。 |
No.154 | 7点 | 企画殺人 鮎川哲也 |
(2009/07/12 12:16登録) 鮎川氏の短編はアリバイ崩しを扱った倒叙物が多く、種々 のトリックを考案されています。 でもギザじゅうさんも指摘されているように、犯行の発覚 が偶然によるものが多く、その点評価がマイナスになって しまうのが止むをえませんね。 この作品では、「てんてこてん」と「蟻」が比較的良かっ たかなと思っています。 前者はありふれた話しの中で最後の皮肉な結末の意外性、 後者は犯行時以外でも犯人と被害者がごく近くにいたのを 利用したアリバイトリックに読み応えありました。 |
No.153 | 6点 | 46番目の密室 有栖川有栖 |
(2009/07/11 09:19登録) タイトルからみて、何か斬新な密室トリックかと期待した のでしたが、期待以上のものではなかったです。 出来栄えは水準レベルであり、文句はいえないのですけど ・・・まあ現代において新たな密室トリックで読者を感動 させるのは確かに難しいのですが。 でも今思えばこの作品が火村シリ-ズのデビュ-作だった のですね。 |
No.152 | 6点 | 猫丸先輩の推測 倉知淳 |
(2009/07/04 13:10登録) 短編ものらしくサラッと読める代物。いい意味でも悪い意味 でも後に残らない(笑)。 でも猫丸先輩のキャラクタ-は何か憎めない、いい感じです ね。探偵役のキャラ立ちはなかなかのものだと思います。 余談ですが、作品で「夜届く」はディクスン・カ-の「夜歩 く」、「失踪当時の肉球は」はヒラリ-・ウォ-の「失踪当 時の服装は」をもじっているのでしょうか?(ともに海外の 古典作品) 偶然の一致かも知れませんが、作者に聞いてみたいものです。 |
No.151 | 6点 | 密室ロジック 氷川透 |
(2009/07/03 07:57登録) 題名に魅せられて(?)最近読みました。 僕好みのロジカルな作品ですが、何かもう一つ不完全燃焼 といった感じですかね。 探偵役の謎解きでそのままフェ-ドアウトしてしまう内容 だからでしょうか? 分量的にもノベルス版で180頁足らずで長編としてはやや もの足りない内容(不必要に長いよりはましですが)。こ の1.2~1.3倍くらいの分量で書き込んだ方が良かったか も知れません。 京極夏彦氏なら、同じ話しをこの3~4倍くらいで書くの では(笑) |
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