nukkamさんの登録情報 | |
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平均点:5.44点 | 書評数:2812件 |
No.1612 | 7点 | 火曜クラブ アガサ・クリスティー |
(2016/08/23 18:54登録) (ネタバレなしです) クリスティーのシリーズ名探偵でエルキュール・ポアロの次に有名なのがミス・マープルで、編み物好きの物静かな老婦人という、まるで名探偵らしくない名探偵です。長編12作と短編20作で活躍していますがシリーズ作品だけでまとめられた短編集は1927年から1931年にかけて発表された13作を収めて1932年に出版された本書のみです。未解決事件または真相が公表されていない事件の謎を火曜クラブに参加した面々が推理する作品が6作、同じ趣向でバントリー家に集まった面々が推理する作品が6作(バントリー夫人が実にいい味出しています)、1作だけは普通に捜査描写のある謎解きです。アイザック・アシモフの「黒後家蜘蛛の会」シリーズに影響を与えた作品としても有名な短編集です。初期の短編だけあって内容濃厚な作品が多く、私のお気に入りは神秘的なオカルト・ミステリーの「アスタルテの祠」、ごく普通の行動が謎解きの決め手になった「クリスマスの悲劇」、(推理をちゃんと披露していないのは残念ですが)ユニークきわまりない結末が印象的な「バンガロー事件」です。 |
No.1611 | 6点 | 風の向くまま ジル・チャーチル |
(2016/08/23 18:18登録) (ネタバレなしです) 1930年代を舞台にしたグレイス&フェイヴァーシリーズの第1作で1999年に出版されました。グレイス&フェイヴァーは人名ではなく、主人公であるロバートとリリーのブルースター兄妹が大伯父からの遺産として相続した屋敷に付けた名前です。チャーチルは(本名名義で)歴史小説も書いているので時代描写に不自然さは感じません。エラリー・クイーンの国名シリーズの読者を意識したかのようにデューセンバーグ(車の名前)を登場させてるのには心をくすぐられました。生活面で色々難題を抱えている中でも前向きに生きているロバートとリリーはなかなかいいキャラクターです。謎解きでは〇〇がXXというのは見抜いていたのですが、それが殺人事件に関係していたとは全く考えていなかった自分が情けなかったです(負け惜しみ)。 |
No.1610 | 8点 | シャーロック・ホームズの帰還 アーサー・コナン・ドイル |
(2016/08/23 18:08登録) (ネタバレなしです) 13の短編を収容したシャーロック・ホームズシリーズの第三短編集(1905年出版)です。第二短編集「シャーロック・ホームズの回想」(1893年)中の「最後の事件」で一度はホームズシリーズの筆を折ったドイルですがこれに対する世間の反響がすさまじく、長編「バスカヴィル家の犬」(1902年)と本書に収容されている「空家事件」(1903年)でホームズシリーズを再開しました。「最後の事件」で退場させたホームズを復活させる「空家事件」のストーリーはかなり苦しい出来栄えだと思いますが、またホームズの新作が読めるという喜びの前には些細な問題でしょう。本格派推理小説要素の濃い「ノーウッドの建築業者」や「金ぶち鼻めがね」、暗号小説の傑作「踊る人形」、ユニークな犯罪の「六つのナポレオン胸像」など読み応えある作品が多数揃っています。 |
No.1609 | 5点 | 死体置場行ロケット H・H・ホームズ |
(2016/08/22 01:45登録) (ネタバレなしです) アントニー・バウチャーのH・H・ホームズ名義による1942年発表の修道尼ウルスラシリーズ第2長編の本格派推理小説で、ミステリー雑誌「別冊宝石」104号で国内紹介されました(1961年)。バウチャーはSF作品やSF評論も書いていますが本書では容疑者にSF作家を何人か登場させています。「科学小説の中に探偵小説は取り入れられない」と語らせていたり、密室事件について意見を求めると四次元トリックとかタイムマシーントリックとかを考案してマーシャル警部を煙にまいたりしています。クライマックスは後半でのロケットを使った殺人事件です(空を飛ぶロケットでなく地上を走るロケットカーですが)。アイザック・アシモフがSFミステリーの「鋼鉄都市」(1954年)を発表する前の時代の作品であることを感じさせますね。密室トリックはさすがにSFトリックではありませんが、あまりにもありそうにないトリックに愕然としました(トリックが実現可能である伏線は用意していますけど)。動機の説明が後出し気味なのも謎解きとして不満です。 |
No.1608 | 6点 | シャーロック・ホームズの秘密ファイル ジューン・トムスン |
(2016/08/22 00:59登録) (ネタバレなしです) 名探偵の代名詞シャーロック・ホームズをテーマにしたパロディー小説或いはパスティーシュ小説はコナン・ドイルが活躍していた時期から現代に至るまで膨大な作品が書かれています。ジューン・トムスンのホームズ・パスティシュ小説は口うるさいシャーロキアンからも高い評価を得ているそうですが、なるほどminiさんのご講評で指摘されているように人物描写がドイル原作に比べてエキセントリックさが薄いとはいえ原作のイメージを損ねておらず、またなぜホームズが真相を闇に葬ったかの理由がよく考え抜かれています。本書は傘を取りに戻ったきり行方不明になった男の謎を解く「消えた給仕長」、不気味な毛虫を見て発狂した男の事件を描いた「奇妙な毛虫」など7編の短編を収めた1990年発表の第一短編集です。最も本格派の推理要素が濃厚な「高貴な依頼人」とドイルなら絶対に書かないと思われる結末が印象に残る「アマチュア乞食」が個人的なお気に入りです。 |
No.1607 | 4点 | 奇術師の密室 リチャード・マシスン |
(2016/08/22 00:52登録) (ネタバレなしです) 米国のリチャード・マシスン(1926-2013)はホラー小説、SF小説、ファンタジー小説など幅広い分野の作品を書いていますが1994年に発表された本書はどんな作品でしょう?私の読んだ扶桑社文庫版の巻末解説では「ディクスン・カーも真っ青といったクラシックスタイルの本格的奇術ミステリ」とまるで本格派推理小説のような紹介をしていますが、これはひどい間違いです。カーが得意とする犯人当てミステリーではないし読者が推理に参加する余地がありません。内容的にはコン・ゲーム(騙し合い)ミステリーで、残虐シーンはありませんが登場人物の嫌らしさが強調されているのでどこか居心地が悪く、すっきり感はないですね。どんでん返しの連続と皮肉な結末には演出の巧さを感じます。 |
No.1606 | 6点 | 時計の中の骸骨 カーター・ディクスン |
(2016/08/22 00:21登録) (ネタバレなしです) 1948年発表のH・M卿シリーズ第18作の本書は空さんのご講評で的確に説明されているようにこの作者の様々な持ち味がバランスよく発揮された本格派推理小説です。中でも強烈なのはユーモアで、H・M卿と堂々と渡り合える人物を登場させてどたばたに拍車をかけています。夜中の監獄での肝試しイベントでのスリル感の演出や(トリックはちょっと拍子抜けながら)お約束の不可能犯罪やべたべたに甘いロマンスと至れり尽せりです。真相にはぞっとするような要素もあるのですがさほど深刻に扱わずに後味のいい読後感を優先させているのもこの作者らしいです。 |
No.1605 | 6点 | 犯罪カレンダー (7月~12月) エラリイ・クイーン |
(2016/08/22 00:13登録) (ネタバレなしです。上下巻合わせての感想です) ラジオドラマの脚本を小説化(ノヴェライゼーション)した12の短編を収録して1952年に発表された短編集で、探偵クイーンの助手役としてニッキー・ポーターが登場しています。原型であるラジオドラマは1939年から1948年にかけて放送されており、そこからセレクトして小説化するにあたり1月から12月までの各月を当てはめたようですが季節感を伴う作品になっているのは少ないです。元がラジオドラマ脚本のためかプロットがシンプルで読みやすい作品が多く、またレギュラー登場人物のキャラクターが小説世界と違っているのには違和感を覚えました(本書の方が軽目のキャラです)。トリックの再利用が気になる作品もありますが怪盗との対決が楽しめる「クリスマスと人形」、大胆な結末の「皇帝のダイス」、しっぺ返しが爆笑モノの「くすり指の秘密」あたりが個人的にはお気に入りです。 |
No.1604 | 7点 | パズル アントワーヌ・ベロ |
(2016/08/20 23:57登録) (ネタバレなしです) 米国生まれのフランス人作家アントワーヌ・ベロ(1970年生まれ)によって1998年に発表された長編ミステリー第1作は実に変わった本格派推理小説です。全体にまたがるテーマはジグソーパズルで、想像の産物とは思えぬほどパズル競技やパズル団体が詳細に描かれています。作品世界だけでなく作品形態にまでパズル要素を織り込んでおり、「謎」というタイトルのプロローグの後に続く48章(ピース)は、パズルの断片をランダムに積み上げたかのように時系列がバラバラです。実は作者はこの48のピースを1冊の形に製本せずにバラバラな状態で箱に入れて販売したかったらしく、小説としての伝統だけでなく本としての伝統までもぶち壊そうとしたのですから恐れ入ります(製作費が高くなり過ぎるので本になりましたが)。48のピースは記事や議事録や手紙などそれぞれが完結した形になっているものが多いので意外と読みやすいですが、頭の整理のために登場人物リストぐらいは作りながら読んだ方がいいと思います。解決編ではちゃんと推理による謎解きがありますがここでも最後の一行に至るまでパズルへのこだわりが見られます。また島田荘司の「占星術殺人事件」(1981年)と読み比べるのも面白いかもしれません。 |
No.1603 | 5点 | 死はわがパートナー 筑波耕一郎 |
(2016/08/20 23:49登録) (ネタバレなしです) 筑波孔一郎名義で1977年発表の長編本格派推理小説の第2作です。ある理由からコンビを組むことになった男女が行方不明となった別の男女のコンビを探すという展開となりますが、手掛かりを求めて訪問した家で死体が発見されます。警察には通報せずに現場を去り、さらに捜索を続けますがまたまた新たな死体が発見されるという、前半はサスペンス小説要素の方が強い作品です。犯人についてはまあこの人しかいないだろうと早々と見当がつき、謎解きとしてはいくつかのトリックを見破るハウダニットが中心ですがどれも失敗リスクが高そうですね。おかげで残された手掛かりもたっぷりです(笑)。 |
No.1602 | 5点 | 水辺の通り魔 本岡類 |
(2016/08/20 23:24登録) (ネタバレなしです) 1996年発表の警察小説です。東京のウォーター・フロント地区を舞台にし、開発の波に洗われて大きく姿を変えた場所と全く変わっていない場所が混在する場所として描かれています。人物もまた生活環境の変化の中で時に方向性を見失いかけています。こういうところは社会派推理小説といってもいいのかもしれません(私はあまり社会派を読んでいないので定義については自信ありませんが)。プロットは通り魔によると思われる凶悪な殺傷事件が相次ぎ、警察が地味な捜査で犯人を探します(本格派推理小説のように読者が推理する余地はほとんどありません)。友人が最有力容疑者となって苦悩する武田刑事も印象的ですが最終章で犯人と対峙する畠山警部補がなかなかかっこいいです。 |
No.1601 | 6点 | 殺人ウェディング・ベル ウィリアム・L・デアンドリア |
(2016/08/19 15:30登録) (ネタバレなしです) 1983年に発表されたマット・コブシリーズ第3作の本書はこれまでの作品と比べてテレビ業界人としてのマットがそれほど描かれていないため物語としては非常にわかりやすくなっています。登場人物も多すぎず少なすぎず、謎解きの手掛かりもしっかり与えられていますのでこれから本格派推理小説を読んでみようという読者にはアイザック・アシモフの「ABAの殺人」(1976年)と共に入門編としてお勧めできます。逆にミステリーを読み慣れている読者には目新しい点がないので物足りなく感じるかもしれませんが。 |
No.1600 | 5点 | 七つの時計 アガサ・クリスティー |
(2016/08/19 15:14登録) (ネタバレなしです) 1929年発表の本書は「チムニーズ館の秘密」(1925年)の続編にあたる作品で、バトル警視をはじめ何人かの登場人物が共通していますので(前作とは独立した物語ですが)できれば前作を読んでからこちらに取り掛かるのを勧めます。スパイ・スリラー小説に属する作品ですが本格派推理小説の要素も十分に持っており、謎の組織「セブン・ダイヤルズ」の実体解明と殺人犯探しの両方でクライマックスが用意されています。ケイタラム卿親子が実に楽しいキャラクターぶりを発揮しています。 |
No.1599 | 6点 | 髑髏城 ジョン・ディクスン・カー |
(2016/08/19 14:54登録) (ネタバレなしです) 1931年発表のバンコランシリーズ第3作はライン河にそびえる古城、その名も髑髏城を舞台にした怪事件を扱い、ドイツの名探偵フォン・アルンハイム男爵との探偵競争を織り込んだ本格派推理小説です。この設定の妙だけでもどんな物語になるのだろうとわくわくする本格派好き読者も少なくないと思いますが、「夜歩く」(1930年)や「絞首台の謎」(1931年)と比べると謎を盛り上げる演出が弱く謎解きも意外と小ぢんまりした印象を受けます。二階堂黎人が「人狼城の恐怖」(1998年)を、加賀美雅之が「双月城の惨劇」(2002年)を書いたのは本書に微妙な物足りなさを感じてもっと舞台設定を活かした派手な作品を自分で書いてみようとしたのではと推測したくなります。私は本書を先に読んでそこそこ楽しめたのですが、二階堂作品や加賀美作品を先に読んでから本書を読んだ読者には凡作に映ってしまうかもしれません。 |
No.1598 | 4点 | 猫はブラームスを演奏する リリアン・J・ブラウン |
(2016/08/19 14:11登録) (ネタバレなしです) シャム猫ココシリーズ前作の「猫は殺しをかぎつける」が1986年出版ながら書かれたのは1960年代だったのに対して、シリーズ第5作となる1987年発表の本書は恐らく正真正銘1980年代に執筆されたと思われます。そのためかどうかわかりませんがクィラランにとって人生の転換期ともいえる出来事が用意していますのでシリーズファン読者には重要作でしょう。もっともミステリーとしては残念ながら以前の作品からの改善は見られなかったです(笑)。日常生活的な謎解き(野生動物の仕業だったとか)が中心になっていてなかなか殺人事件が発生しない展開も少々ダレ気味です。初めての土地で戸惑っているクィラランはよく描けています。 |
No.1597 | 6点 | 毒を食らわば ドロシー・L・セイヤーズ |
(2016/08/19 14:04登録) (ネタバレなしです) 1930年発表のピーター・ウィムジー卿シリーズ第5作はハリエット・ヴェイン初登場にピーター卿の妹メアリのロマンスまで描かれるシリーズ重要作の本格派推理小説です。ハリエットと元恋人のフィリップが同棲関係にあったという設定は当時の作品としてはなかなか大胆、アガサ・クリスティーの作品世界では絶対にこんな不健全なことありえない(笑)。ミステリーとしては専門的知識の必要なトリックが難点かな。ピーター卿が犯人を追い詰める場面はなかなかの緊迫感、でもどこかユーモラスですね。「不自然な死」(1927年)に登場したクリンプスン嬢が本書でも活躍していますがこれまたユーモアに満ち溢れた描写です。 |
No.1596 | 5点 | 白い僧院の殺人 カーター・ディクスン |
(2016/08/18 19:01登録) (ネタバレなしです) 1934年発表のH・M卿シリーズ第2作の本書は「足跡のない殺人」の古典作品として大変有名な本格派推理小説です。2度に渡って登場人物(容疑者でもあります)が足跡トリックに挑戦していますが単なる思いつきでなくちゃんと手掛かりに基づく推理を披露しています。H・M卿の謎解き説明でも「おお、そんなところに伏線が!」と結構「やられた感」を味わえました。というわけで相当力の入った作品だとは思いますが残念なのはかなり読みにくいです。人物関係の整理があまりできていない(個性もない)、場面転換が唐突で混乱しやすい、現場見取り図も付いていないなどでせっかくのどんでん返しも効果半減になってしまったように感じます。 |
No.1595 | 7点 | ギリシャ棺の秘密 エラリイ・クイーン |
(2016/08/18 18:37登録) (ネタバレなしです) 1932年発表の本書は書かれた順番ではシリーズ第4作になりますが、小説世界では大学を卒業したばかりのエラリー・クイーンが初めて手掛けた事件ということになっています。なぜエラリーが病的なまでに秘密主義で完璧主義なのかが本書を読むとよくわかります。でも個人的には全く共感できませんでしたけど(笑)。緻密で重厚、しかもクイーン作品中最大ボリュームの物語なので読みにくさも相当ですがどんでん返しの謎解きを堪能できました。余談ですがボツになったエラリー最初の推理が個人的には結構気に入ってます。 |
No.1594 | 5点 | 悪意の傷跡 ルース・レンデル |
(2016/08/18 18:32登録) (ネタバレなしです) ウェクスフォードシリーズ前作の「聖なる森」(1997年)も登場人物の多さに驚きましたが1999年発表のシリーズ第18作の本書はそれを上回り、ハヤカワポケットブック版で4ページにまたがる登場人物リストには60人以上が並んでいます。どこまで続くんだ、この拡大路線(笑)。本書は国内ミステリーなら社会派推理小説と評価されてもおかしくない内容で、ある社会問題に対する無力を感じて悩むウェクスフォードが描かれていたりしているのが新鮮です。本格派推理小説としての謎解きはようやく後半になってお義理に挿入されたような感じでした(私は偏執的に本格派を求めている読者なのでお義理だろうと何だろうと推理による謎解きがあるかないかは大きな違いですけど)。 |
No.1593 | 5点 | 迷宮課事件簿Ⅰ ロイ・ヴィカーズ |
(2016/08/18 18:19登録) (ネタバレなしです) 英国のロイ・ヴィカーズ(1888-1965)は1920年代からミステリーを発表していますが60作を越えるとされる長編のほとんどは現在ではあまり評価されず、短編作品に存在価値があるとされています。迷宮課シリーズはその代表とされていますが1930年代に発表された当初はそれほどの反響を得られず、エラリー・クイーンが注目したことによってようやく陽の目を見たそうです。フリーマンの倒叙ミステリーの伝統を引き継いだ作品とされていますが、miniさんや空さんのご講評で的確に指摘されているようにフリーマン型倒叙推理小説とは微妙に異なるように思います。1949年に10作を収めて短編集としてまとめられた際にクイーンが寄せた序文の紹介にもあるように、フリーマンの作品に比べて推理色が薄く探偵役としての迷宮課(主にレイスン警部)も個性がなく、さりとて犯人が最後まで主役を演じる犯罪小説でもなく、どこか中途半端な印象を受けます。個人的なお勧めは犯行に至るまでの人間関係の変容を描いた「オックスフォード街のカウボーイ」と「黄色いジャンパー」です。 |