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ミステリの祭典

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毛糸よさらば
主婦探偵ジェーン

作家 ジル・チャーチル
出版日1992年12月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2016/09/01 09:04登録)
(ネタバレなしです) 1991年発表のジェーン・ジェフリイシリーズ第2作のコージー派の本格派推理小説です。謎解きよりもバザーが大事、探偵より主婦の務めを優先させているところがこのシリーズらしいですね。どんでん返しのある謎解きになっていますが前作「ゴミと罰」(1989年)に比べるとやや推理が粗いように思えます。でもテンポよい物語の運びは相変わらずです。

No.2 6点
(2014/03/14 14:49登録)
ちょっと季節はずれですが・・・

タイトルはいつものように、もじりがあります。
日本語では、「毛糸」と「武器」とでは音で通じるところはなく、日本語タイトルの評価としては、「ゴミと罰」や「地上より賭場に」が10点なのに対し、本作は7点ぐらい。とはいえ上等です。

肝心のミステリーとしてどうかといえば・・・
今作も主婦探偵ジェーンが謎解きするのは、近所での殺人事件。
後半では想像もつかない事件の背景をジェーンが見つけ出し、それには驚かされます。どんでん返しもあります。
でもこの真相は読者が推理できるものではありません。ミステリーファンにとっては、本格ミステリー(フーダニット物)として読むよりは、ジェーンたちの会話を楽しみ、ラストにちょっと興奮する程度に臨むほうが無難でしょう。
なお、タイトルについている「毛糸」は、クリスマス・パーティーでのバザー品に関連するもの。ということで季節感を出したタイトルになっています。

初めてこのシリーズを読んだときは、コージーらしい会話文や雰囲気に果たして慣れるのだろうかと心配していましたが、3作を読んでみて、まったく問題ありませんでした。
馴染みがないどころか、女性の探偵役が登場する軟弱そうな国内2時間サスペンスを、海外コメディードラマ風に味付けしたような感じで、とても親しみやすく、肩の力を抜いて気楽に読むことができます。

No.1 5点 mini
(2008/12/23 10:40登録)
* 季節だからね(^_^;) *

クリスマスにちなんでコージー派作品を
ジル・チャーチルはドメスティック系コージー派を代表する作家

例によって題名は二重の意味を掛けている、浅羽さんよく訳すよ
題名の「毛糸よさらば」はもちろん”武器よさらば”が元ネタで、原題も arm(武器) と yarn(毛糸玉) を掛けている
ただ残念なのは、シリーズ第1作「ゴミと罰」が日本語の訳題でも韻を踏んでいたのに対して、”武器(ブキ)”に音が似ていて毛糸を意味するような語句が見当たらず、ちょっと今作の訳題は妥協した感じですね

ジル・チャーチルはシャーロット・マクラウド以外のコージー派作家の中では、日本で人気となったのが早い方だったと思う
意外とコージーな雰囲気が薄くて普通の本格っぽいマクラウドと比べると、ジル・チャーチルはいかにも一般的にイメージされるコージーな雰囲気に満ちていて、チャーチルを読めばコージー派とはどんなのかというのが理解し易い
逆に言えばコージー派に偏見を持つような人にはマクラウドの方が無難だろう
シリーズ第2作「毛糸よさらば」は第1作「ゴミと罰」よりも真相の意外性は強烈で上回るけれど、ちょっと唐突過ぎて素直には納得出来ない気もした
コージー派としては話も暗く、「ゴミと罰」の方がコージーらしい雰囲気と謎解きとのバランスは取れていたな

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