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ミステリの祭典

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あびびびさんの登録情報
平均点:6.33点 書評数:669件

プロフィール| 書評

No.589 7点 スペイン岬の秘密
エラリイ・クイーン
(2017/08/02 14:35登録)
なぜ、全裸で殺されていたか?その解決編を読んで、「なんと陳腐な!」と思ったものの、よく考えてみると、それが現実的であり、必要不可欠までには至らないが、最良だったのは間違いない。

自分の中では、中盤から犯人は二人に絞られたが、やはり最初に思った方なんだと、驚きはなかった。でも、ずっと読ませるし、国名シリーズは外れなしという結果で嬉しい。


No.588 4点 上高地の切り裂きジャック
島田荘司
(2017/07/23 08:44登録)
「上高地~」は、死体が上高地になければ何もない、サスペンス2時間ドラマでも採用か否かという内容だと思う。切り裂きジャック…つて、本当に原題だったのか?も怪しい気がする。


No.587 7点 写楽 閉じた国の幻
島田荘司
(2017/07/17 00:07登録)
歴史の中の謎として上位ランクとされる「写楽は誰?」、もう出し尽くされているはずなのに、その熱意が冷えることはない。

写楽物はこれが2冊目だが、思ったよりも楽しく読めた。序盤は関係のないやり取りが多く、やや退屈。しかし、終盤は強引に結末に入る感じがあり、まだ続きがありそうな感覚だった。

中盤が一番ハラハラして、印象深かった。


No.586 7点 犬はまだ吠えている
パトリック・クェンティン
(2017/07/16 23:51登録)
何十冊、何百冊とミステリ小説を読んでいると、この物語の犯人はぼんやり浮かんでくる。ただし、物語の最中でも語られていたが、その動機が分からない。後から、実はこういう関係だっと明かされるのだが、確かに最初にその人間関係が露見していれば、事件はあっという間に解決され、ミステリ小説ににならないだろうと思った。

内容は悪くないのだが、そこにジレンマを感じた。


No.585 8点 エラリー・クイーンの国際事件簿
エラリイ・クイーン
(2017/06/28 00:13登録)
エラリー・クイーンが世界を回り、警察関係者や、事件を知る人々に聞いた、「最も印象に残った事件」を取材する。日本はあの帝銀事件だが、エラリー・クイーンの視点から見ればより分かりやすく、興味深かった。

でも未解決事件はどうしてもすつきりしない。


No.584 8点 ケンネル殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン
(2017/06/27 23:20登録)
真相を知ると、なんでもない事件、犯人。しかし、隙のないパズルに仕上がっている。ケンネルは手掛かりだが、自分的には取ってつけたような手掛かりに思った。

しかし、読後感は非常に良かった。


No.583 8点 フローテ公園の殺人
F・W・クロフツ
(2017/06/16 14:58登録)
こういうラストには慣れているはずなのに、地味なアリバイ崩しのクロフツということで、少し油断していた。思わず、「あっ!」と声を出しそうになった。

これでがぜん、クロフツの他の作品に興味を持つようになった。


No.582 8点 髑髏の檻
ジャック・カーリイ
(2017/06/16 14:54登録)
なぜ猟奇的な事件が起きるのか?今回の背景はそれがよくわかる。納得してしまった。

それにしてもこのシリーズは面白い。9点、10点がつく作品ではないが、いずれも内容の面白さは保証済みだ。猟奇的事件に対して、ぼく(刑事カーソン)がうまい具合にクッションになっていて、不気味さを和らげている。


No.581 6点 けものみち
松本清張
(2017/06/13 00:08登録)
最後は必ず消えてなくなる…。そんなストーリーは好みではないが、裏の世界を仕切るドン、ドンの代行者、それにかかわる夫殺しの美貌の女性、怪しげな有名ホテルの支配人と、初めから筋書きは予想できる流れ。

情報提供者が多い作者(もちろん清張)は、創作ではなく、これは半分以上実話である…と訴えたかったのではないか(そんなわけないか?)


No.580 7点 霧越邸殺人事件
綾辻行人
(2017/06/12 23:55登録)
豪雪で閉じ込められた謎の洋館…。あえて、ミステリの最高の舞台を作り、そこに作者の力量をぶっつけたという設定が素晴らしい。

こちらも身構えて、じっくり読みました。


No.579 6点 死への疾走
パトリック・クェンティン
(2017/06/12 23:46登録)
ピーターとアイリスのダルース夫婦。ピーターは映画プロデューサーだが、35歳とは思わなかった。それにしては落ち着いているし、貫禄がありすぎではないか?

夫婦の危機感を感じているときに(メキシコ旅行中)、女優のアイリスに映画出演が入った。アイリスは承諾し、ハリウッドへ帰る。この際、しばらく別々に暮らして、お互いを見つめ直そうという提案だ。

メキシコに残ったピーターはユカタン半島の観光の旅に出かけるが、そこで事件に遭遇する。何人もの魅力的な女性が登場し、事件は一転、二転…。さすがに読ませるが、登場人物の誰が犯人でも収まりそうな曖昧な流れが後味を悪くした。



No.578 5点 宛先不明
鮎川哲也
(2017/06/12 23:30登録)
アリバイ工作が用意周到な犯人のため、無駄な捜査が多くなるが、これは現実的ではある。でも、そのために切れ味に欠けるかなと言う感じ。


No.577 6点 甲賀忍法帖
山田風太郎
(2017/05/07 22:44登録)
面白いかと言えば、そうでもなかった。なんかパチスロでこんな感じのやりとりであったなあと、思い出した。

作者がぐいぐい乗って執筆している様子は伝わってきたが、自分の中では昔から好きだった漫画の世界の中のように思えた。漫画なら絶賛していたに違いない。
大変失礼な評ではあるけれど。


No.576 8点 ジャッカルの日
フレデリック・フォーサイス
(2016/12/04 02:04登録)
冒険小説はあまり好きではないが、名作と呼ばれる作品は手にとってしまう。「鷲は舞い降りた」とか、「深夜プラスワン」とか、「燃える男」は確かに面白い。

この作品はフランスのドゴール大統領を標的にするある殺し屋と、フランス警察の物語だが、ドゴール大統領は暗殺されたのではなく、心不全かなんかで死んだのであって、未遂に終わることはあらかじめ分かっている。

結末が分かっている物語を読む勇気がなく、やっと手にした次第だが、やはり面白さは半減した。しかし、歴史的名作なのははっきりしている。だから評価は下げたくない。


No.575 8点 スターヴェルの悲劇
F・W・クロフツ
(2016/11/29 16:08登録)
クロフツといえばアリバイ系…と思い込んでいたのは明らかに勉強不足で、過去に二、三冊読んだだけでイメージを固定させていた。

ところがこの作品は読むにつれ、のめりこんでしまった本格的なものである。最後の落ちは、映像で見たほうがより効果的なシーン。ヒチコックの映画、「サイコ」で犯人がシャワーをしている被害者を殺すときのあの高音の効果音、「キャン、キャン、キャン」を入れればより戦慄が…と馬鹿なことを考えてしまった。

ということで、「樽」よりもこちらのほうが好みです。


No.574 8点 死の枝
松本清張
(2016/11/29 15:48登録)
松本さんの有名作品は当然長編だが、短編集の方が好みだ。おそらく一番脂が乗っている時の作品で、どれもクオリティが高い。短編だが、どれもテレビの二時間ドラマに耐えうる内容の濃さで、しっかり楽しませてもらった。

「黒い画集」とも甲乙つけがたい名作集だと思う。


No.573 7点 沈黙の教室
折原一
(2016/11/29 15:39登録)
かなり長かったけど、自分なりにいろいろ推理を巡らせたり、過去のページを読み返したりして楽しかった。「粛清」という言葉は、効果てきめんで、結末に対する期待がどんどん膨らんで行った。

しかし、最後は淡々とした内容。確かに筋は通っていたが、「ああ、そうなんだ」という結末で、驚きより自分自身を納得させるのに頷いただけ。


No.572 9点 冤罪者
折原一
(2016/11/08 16:01登録)
まさにサスペンス!自分の頭では、未消化の部分が残り、ある面妥協する部分も出てくるのかなと思っていたのだが、なんという手際の良さ。それでいて犯人は思いもつかない人間だった。しかし、筋は通っていた。

特にエピローグは強烈で、ずっと心に残りそうな気がした。


No.571 7点 だれがコマドリを殺したのか?
イーデン・フィルポッツ
(2016/11/01 12:30登録)
最後のトリックはあまり感心しない。誰か気づくものはいたはずである。ただ、物語として読ませる。わずか300数ページだが、上下巻を読んだような読み応えがあった。

「愛憎」がテーマだが、女性のわがまま、傲慢がいつの場合でも悲劇を読んでいる気がする。


No.570 7点 マリオネットの罠
赤川次郎
(2016/11/01 12:23登録)
パロディ的なミステリは好きではなく、従ってこの作家の作品はあまり手に取らないのだが、初めから終わりまで緊張感があった。

彼女(?)は、計り知れない悲劇となったわけで、そう簡単には立ち直れないのではないか…。

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