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ミステリの祭典

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あびびびさんの登録情報
平均点:6.33点 書評数:669件

プロフィール| 書評

No.149 3点 眠れぬイヴのために
ジェフリー・ディーヴァー
(2010/12/27 15:10登録)
精神病棟から抜け出した暴力的患者が、自分に対して不利な証言をした人間の家に刻一刻と近づく過程を綴ったサイコ的な物語。

最後にお約束のどんでん返しはあるが、一夜のことなのに長すぎる。途中がすごく退屈だった。


No.148 7点 真相
ロバート・B・パーカー
(2010/12/17 12:12登録)
探偵小説のシリーズとなると、だいたい似通った話になるが、このスペンサーシリーズも同様、大いなるマンネリで、事件の背景をひとつ、ひとつ掘り下げて、最後に「真相」に辿り着くという毎度おなじみの設定。

しかし、これが嫌味ではなく、スペンサー以下の登場人物に、『おーい、また読んでるぞ』と知らせたくなるような親しみを覚える。特にスペンサーの片腕的存在であるホークは、血も涙もない殺し屋だけど、実に魅力的な人物だ。


No.147 8点 最後の刑事
ピーター・ラヴゼイ
(2010/12/12 17:25登録)
ダイヤモンド警視シリーズの第一弾。昔堅気で頑固一徹、部下に対しても非常に厳しいダイヤモンドが、以前の事件捜査法を巡って上司と衝突する。そして、新たな殺人事件を捜査中なのに辞表を提出する。

その後生活の為にパブでむアルバイトをするが、そこへ逮捕された女性の友人が来て、「このままでは彼女が犯人にされてしまう!」と、ダイヤモンドの捜査能力に期待して再捜査を依頼するが…。

意外な展開、そして意外な犯人と、まさに本格的なミステリ。


No.146 5点 暗い迷宮
ピーター・ラヴゼイ
(2010/12/06 02:42登録)
ダイヤモンド警視のシリーズ。記憶喪失の女性を巡って、それに関わる人間が殺されるという内容は古典的で新鮮味がない。

しかし、現イギリスミステリ界一?の本格と言われる作者だけに、この設定は避けて通れなかったのか…とも思う。あっと驚くどんでん返しはないが、まあ単純に楽しめたのは、ダイヤモンド警視が昔堅気の警察官だからだろう。


No.145 7点 静寂の叫び
ジェフリー・ディーヴァー
(2010/11/19 17:01登録)
刑務所を脱出した凶悪犯3名が途中で車を奪い、2名を殺害。その様子に不信感を抱いた聾唖学校のスクールバスが停止したため、パスを奪われ、元・食肉加工場へ連れ去られてしまう。

そのあと、FBIの有名交渉チームが派遣され、地元の警察、機動隊などと連携して交渉にあたるが、人質をめぐってスリル満点のやりとり、そして最後のどんでん返しと、いかにもこの作家らしい仕上がり。

ただ、内容の割にやや中だるみ感はあるが、後半は息もつかせない。


No.144 7点 殺人作家同盟
ピーター・ラヴゼイ
(2010/11/06 18:48登録)
猟犬クラブとほぼ同じ趣向。こちらは作家志望のクラブで、ベストセラーを夢見て出版社のオーナーをゲストとして迎える。

そこで会員11名の書いた原稿に対する批評を行うのだが、どれも曖昧な評価で紛らわしい。そのクラブの会長である人物の原稿はまもなく製本されるらしいのだが…そのオーナーの家が放火され、殺されると言う事件が起きた。そして、第二、第三の放火殺人も起きるが、いずれも同じ手口で会員がふたり殺される…。

なぜ会員が殺されるのか?そして犯人も会員の中のいるのか?この作家らしいどんでん返しもあり、ミステリそのものが楽しめる。


No.143 8点 ソウル・コレクター
ジェフリー・ディーヴァー
(2010/10/28 15:55登録)
リンカーン・ライムシリーズの最新作。今度の「悪魔」は全世界の個人データを持ち、狙いを定めた人間の個人情報を操作して破滅に追い込み、自分の犯罪の肩代わりをさせる闇の巨人…。

そのため、内容は複雑であるが、同時進行のようなリアル感があり、その犯歴に背筋が凍るようである。


No.142 8点 最期の声
ピーター・ラヴゼイ
(2010/10/23 17:41登録)
警視・ダイヤモンドのシリーズ。これまで捜査に行き詰る毎に妻のステファニーに冷静かつ慎重な意見を聞き、事件を解決してきたピーター・ダイヤモンド警視だが、なんとその妻が殺されると言う設定はファンにはありえない話。

しかしそれが現実に起きて、「地獄以上の苦しみ」を経て最後に事件を解決するのだが、この犯人も意外や意外…。いやここのメンバーなら容易いかもしれないが、これからどうなる?ダイヤモンドシリーズ!


No.141 7点 スリーピング・ドール
ジェフリー・ディーヴァー
(2010/10/19 10:57登録)
人間の動作や表情で相手の心理を読みとる「キネシクス」分析の天才・キャサリー・ダンス捜査官と、カルト指導者の対決。キャサリーダンスは四肢麻痺のリンカーン・ライムシリーズにも登場して大活躍したが、今回は主人公として病める殺人者と壮絶な心理戦を展開する。

VS方式は同じだが、より心理面での駆け引きが濃厚に…。お得意のどんでん返しも盛り込まれていて、ハイスピードで読める。


No.140 6点 メイン・ディッシュ
北森鴻
(2010/10/16 18:12登録)
読んでいてほのぼのとした。となると、本格ミステリではないが、文章の切れが良く、好感が持てる。

でもミケさんは、自由気ままのようで、繊細な人なのだろうと思う。人間的悲しさを感じた。


No.139 9点 八つ墓村
横溝正史
(2010/10/16 17:49登録)
岡山生まれの作者が、津山30人殺しを題材にしたスリラーだけに、生々しさを感じる。

また洞窟を舞台にしているので、恐怖感も倍増、おどろおどろしたミステリに徹した横溝正史の真骨頂ではないか。

読んだのは30年も前だが、いまだに犯人の息づかいが聞こえる。


No.138 6点 ブラウン神父の童心
G・K・チェスタトン
(2010/10/14 10:06登録)
ミステリ愛好者には避けて通れぬ一冊だと思う。
確かにブラウン神父の知恵と理路整然とした推理は
現代のミステリ全冊に通じるものである。

しかし、読みにくいし、物語としての評価は自分向きではなかった。


No.137 7点 猟犬クラブ
ピーター・ラヴゼイ
(2010/10/14 09:41登録)
イングランド有数の観光都市であるバースで、猟犬クラブと言うミステリ同好会があった。そこへある女性が入会してから世界最古の切手であるブラックペニーが郵便会館から盗まれる。

そしてその女性が2回目に参加したときに他の会員の本に挿まれたブラックペニーが発見されるが、その本の持ち主は全く覚えがない。

その持ち主は舟を住居としているが、カギは一本しかなく、他から進入するスペースはないのに、その中で他の会員の死体が発見される。

この密室トリックを警察に復職したダイヤモンドが最後の最後で解く。しかし、犯人は意外な人物が…。


No.136 4点 単独捜査
ピーター・ラヴゼイ
(2010/10/14 09:29登録)
上司と衝突し、警視職を棒に振ったダイヤモンドはガードマンとして働いていたが、担当館内で警報装置が作動し、日本の少女が置き去りにされているのを発見。

そのため職を失ったダイヤモンドは元花形捜査官の意地もあり、その失語症の少女がなぜその場所にいたのかをさぐる。イギリスからアメリカへ、そして当然日本へも…。


No.135 4点 朽ちた樹々の枝の下で
真保裕一
(2010/10/03 16:37登録)
北海道の美瑛あたりの山中で若き女性が誰かに追いかけられ、主人公がそれに絡む物語の出だしは「おおっ」と言う感じでワクワクしたが、それからの進展はもうひとつだった。

しかし、自衛隊の内部と言うか、隊員たちの生活感は良く出ていたと思う。自分的にはまあ、読んで損はないと思った。


No.134 4点 知りすぎた女
ブライアン・フリーマントル
(2010/09/29 07:03登録)
ネタばれ感あり

最初は男性が主人公で、「知りすぎた女(愛人)」を始末する類のサスペンスかと思ったが、意外な方向で物語は進んだ。

この作家は初めてだったが、次はもっと評価の高い作品を読んでみたい。


No.133 8点 真夜中は別の顔
シドニー・シェルダン
(2010/09/29 06:56登録)
世界的なベストセラーと言うのは知ってたが、この作家の本は
初めて読んだ。なるほど、おもしろい。

次の展開が待ち遠しく、あっという間に読める。最後はミステリ的な展開もあり、十分楽しめた。

読書に偏見はいかんな…と思った作品。


No.132 7点 冷たい銃声
ロバート・B・パーカー
(2010/09/15 08:22登録)
探偵・スペンサーシリーズで一番有名なのは「初秋」だが、
あの作品はハードボイルド色がやや薄かった。

その点、この作品は正統的ハードボイルドで、出だしから
読み手をぐいぐい引っ張っていく。また翻訳家と息が合って
いる感じで、会話がテンポよく軽妙だ。

久しぶりにハードボイルドを堪能した感じがする。


No.131 8点 首無の如き祟るもの
三津田信三
(2010/09/09 01:54登録)
題名どおり、やたら首が切られるので、結末はどうするのか?
と思ったが、うーんなるほど。

昭和初期ならいざ知らず、今の時代でこの世界を作るのは
並大抵ではないと思う。結末はページをめくる早さが倍に
なった。


No.130 8点 コフィン・ダンサー
ジェフリー・ディーヴァー
(2010/09/03 23:48登録)
このところ、海外ものの長編は可もなく不可もなく、
おもしろくもなく、かといって最後まで読めぬものではなく、
といった状態が続いたが、これは久しぶりにワクワクした。

ボーンコレクターで初登場した四肢麻痺の元ニューヨーク
市警科学捜査部長のリンカーン・ライムシリーズの第2弾
だが、シリーズ中最高のデキと言われるだけあって、すべて
が完璧に見える。

コフィン・ダンサー(棺桶と踊る)と呼ばれる
殺人鬼とライムの対決は終始ダンサーが先手を取るが、最後は
際どくライムの読みが功を奏す。ただ、最後はどんでん返しも
あり、ページをめくる手がとまらなかった。秀作だ。

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