真夜中は別の顔 早川書房 真夜中の向う側 |
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作家 | シドニー・シェルダン |
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出版日 | 1977年06月 |
平均点 | 7.80点 |
書評数 | 5人 |
No.5 | 7点 | メルカトル | |
(2021/05/28 22:52登録) 凄まじい怨念。仕返しのクモの巣は張られた。ロンドンからワシントン、さらに南太平洋へと、男の転地を調査網が追う。何も知らずに美女のもとに飛び込んで行くプレイボーイ。紙一重の愛と憎しみに翻弄される二組の男女、うち生き残るのは誰か。 紙一重の愛と憎しみに翻弄される二組の男女。生き残れるのは誰なのか? 愛で結ばれた運命の夫婦を操るのは誰か? ニューヨーク・タイムスベストセラーに連続52週選ばれた傑作長篇。 Amazon内容紹介より。 要するに男女の愛憎劇なのですが、勿論紆余曲折があり大長編に見合った内容とはなっています。アメリカのキャサリン、フランスのノエルの二人のヒロインが後々どのように繋がりを持ってくるのかを興味津々で読み進めました。それは上巻の後半で明らかにされます、なるほどなと思いました。そしてストーリーの流れ的には女から男への復讐劇が繰り広げられると思いきや、見事に裏切られます。 ノエルは様々な男達と関係を持っていきますが、個人的に最も印象に残ったのはイスラエル・カーツの逃亡劇に一役買うエピソードで、ノエルの機転の利いた頭脳と胆力が最も発揮されたシーンだと思います。 下巻の終盤遂に事件が起こり、それが最後のクライマックスである法廷で全てが白日の下に晒されると思いきや、その様相に関してはほとんど触れられません。殺人事件の裁判に於いてそのような事があるのだろうかと不思議な思いに駆られます。ただ、検事側と弁護士側との心理戦はなかなか読み応えがありました。しかし、やはり事件の全容が明らかにならず、結局はある人物の掌で踊らされていたという結末には、どうにもスッキリしない気分が残りましたね。エピローグは良い味を出しています。 |
No.4 | 8点 | itokin | |
(2015/11/20 15:14登録) 氏の作品の中で最も面白いといわれているだけあってなるほどと思わせる。地球規模のスケールの大きさ、また性格が両極端の美女二人、大富豪、美男ヒーローの出現と一見収拾がつかないと思える物語だがちゃんと着地さしてくれてます。少し誇張されてついてけないとこもあるがまあ読んでみても損はない面白さです。 |
No.3 | 8点 | あびびび | |
(2010/09/29 06:56登録) 世界的なベストセラーと言うのは知ってたが、この作家の本は 初めて読んだ。なるほど、おもしろい。 次の展開が待ち遠しく、あっという間に読める。最後はミステリ的な展開もあり、十分楽しめた。 読書に偏見はいかんな…と思った作品。 |
No.2 | 6点 | 臣 | |
(2010/07/30 21:44登録) 読んだのは20年ぐらい前です。ハードカバー上下2巻でしたが、あっという間に読めてしまった記憶があります。女性ふたりを主人公とした一風変わったドラマ性のあるストーリーに熱中できたことにはちがいありませんが、詳細な筋や読後感の記憶は消えてしまっています。当時、本書を読む前から積読状態にあった「ゲームの達人」を、そのぶ厚さに圧倒されて、結局読まなかったことから判断すれば、私にとって本書は並みの出来だったのでしょう。 |
No.1 | 10点 | Tetchy | |
(2010/07/27 22:10登録) さて私がシドニー・シェルダンの作品の中で何が一番面白かったかと問われれば、本作を躊躇なく挙げる。 まず開巻してすぐに本作のクライマックスから始まる。それは世界中が注目する大裁判が開かれようとしているというシーン。つまりここで物語の収束する先を読者はあらかじめ知らされるわけだ。しかもこの裁判というのが実に大規模。なんせその裁判を傍聴せんがために自家用ヘリや自家用ジェットまで動員して世界中のセレブが我先にとその地を訪れるという派手さ。この時点でもう読者である私は物語に釘付けだった。 本作の面白さは並行して語られる主人公の2人の女性の対照的な人生に尽きるだろう。キャサリンとノエルの生き様はまさに太陽と月のような趣で繰り広げられる。 特に衝撃的なノエルの方。というよりももはや読んだのが20年くらい前でもあることで強烈な印象を残すノエルの方しか覚えていないというのが正直なところだ。 本作で忘れてはならないのはコンスタンティン・デミリスという大富豪の存在。彼は本作では影の主人公というべき存在になっている。で、最後に立ち上るのはデミリスという男の恐ろしさ。彼はやはり復讐を忘れなかったというのを最後に読者の眼前に叩きつける。詳細を書くとネタバレになるので云わないが、この結末で本作は傑作と呼ばれるようになったように思う。 |