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ミステリの祭典

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静寂の叫び

作家 ジェフリー・ディーヴァー
出版日1997年06月
平均点7.33点
書評数3人

No.3 7点 Tetchy
(2011/05/13 22:17登録)
文庫本にして上下巻合わせて760ページ強の分量だが、脱獄囚が篭城するのはなんと第1章の終わり。つまり残りは全て脱獄囚の篭城劇に費やされる。これはすごい。これほど動きのない物語を作者は色々な情報と不測の事態とを織り交ぜてページを繰らせていく。

ディーヴァーといえばどんでん返しともはや定番だが、このどんでん返しは予想がついてしまったので、サプライズとしては弱かったのが残念。従って感想としてあと一歩といった感が残った。

No.2 7点 あびびび
(2010/11/19 17:01登録)
刑務所を脱出した凶悪犯3名が途中で車を奪い、2名を殺害。その様子に不信感を抱いた聾唖学校のスクールバスが停止したため、パスを奪われ、元・食肉加工場へ連れ去られてしまう。

そのあと、FBIの有名交渉チームが派遣され、地元の警察、機動隊などと連携して交渉にあたるが、人質をめぐってスリル満点のやりとり、そして最後のどんでん返しと、いかにもこの作家らしい仕上がり。

ただ、内容の割にやや中だるみ感はあるが、後半は息もつかせない。

No.1 8点 kanamori
(2010/09/02 20:44登録)
人質・立て篭もり脱獄囚3人組とFBI危機管理チームとの交渉・対決を描いた傑作サスペンス。
本書は、リンカーン・ライムシリーズでブレイクする直前に出版されましたが、「ボーン・コレクター」以降の作品に目につくあざとい読者サービス的な展開を排し、重厚かつ緻密な描写で丁寧な創りは好感が持てました。
二人の主人公格、FBIの交渉エキスパート・ボターと、人質となった聾学校生徒たちに付き添う教育実習生メラニーをはじめ、脇役にいたるまで多士多彩な登場人物がいずれも魅力的。
スリリングな交渉シーンや最後のどんでん返しに至るまで、緊密度が高く非常に読み応えのある内容でした。

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